PCエンジンGT(ピーシーエンジン ジーティー)とは、1990年12月1日[注釈 1]に日本電気ホームエレクトロニクス(NECホームエレクトロニクス)より発売された携帯型ゲーム機。PCエンジンの一種である。当時のメーカー希望小売価格は44,800円[4]。「GT」は「Game and TV」の略称である[5]。
世界初となる据え置き型ゲーム機との互換性がある携帯型ゲーム機で[6]、PCエンジンスーパーグラフィックスを除くPCエンジン用の全てのHuCARDタイトルがほぼそのまま遊べる。発売当時、市場で先行していた任天堂のゲームボーイに対抗して発売した[4]。
欧米市場ではTurboExpress(ターボエクスプレス)の商品名で発売された。
ハードウェア
コントローラーには連射機能付き。通信端子が設けられ、対応ソフトであれば専用ケーブルでGT同士をつなぐとゲームボーイのように対戦ゲームが楽しめる[4]。本体に拡張バスが無く、CD-ROM2等のPCエンジン用各種周辺機器は接続が不可能である。
同時期のカラー液晶を搭載した携帯型ゲーム機であるゲームギアのSTN液晶と比べて高品質なTFT液晶を採用しており、表示は美麗ながら価格が倍以上と高価であった。また、ゲームギアと同じく消費電力の多いバックライトが必須だったため、市販の乾電池ではバッテリーの持ちが悪く、連続稼働時間はアルカリ乾電池6本で約3時間程度だった[4]。液晶はPCエンジンの横解像度が256-512ドットであるのに対しRGB合わせて横336ドットしかないため、白色の点は色づき原色の点はまばらにしか表示されない。このためゲームによってはRPGのパスワードが読み辛いものもある。
仕様
以下の仕様は、PCエンジンGT(PI-TG6)のもの。
- 外径
- 重量
- 表示部
- 2.6型 アクティブマトリクス駆動方式 バックライト付きカラー液晶画面 336×221=74,256画素(RGBを別カウントした数値)
- 音声出力
- スピーカ:丸型(直径28mm)ダイナミックスピーカ
- ヘッドホン端子:直径3.5mmステレオミニジャック
- 使用電源
- 消費電力
- 使用環境
- 保存環境
- 付属品
- 単三マンガン乾電池×6/ハンドストラップ/取扱説明書一式
周辺機器
NECホームエレクトロニクス純正
-
TVチューナー
-
PCエンジンGTとTVチューナーを接続させた状態
-
コムケーブル
型番
|
名称
|
発売日
|
備考
|
PI-AD11
|
TVチューナー
|
1990年12月1日
|
PCエンジンGT専用のTVチューナー。発売当時のテレビコマーシャルには、大竹まことを起用し「GTならテレビも見られるしね」を謳い文句にしていた。
|
PI-AD12
|
GTカーアダプタ
|
車用のカーアダプタ。
|
LC-AV1
|
GTAVケーブル
|
TVチューナーを介しGTにAV機器を接続するケーブル。
|
LC-RF1
|
エキストラアンテナコネクタ
|
GTチューナーへ接続する。
|
PAD-121
|
GTACアダプタ
|
PCエンジンGT用のACアダプタ。
|
PI-AN4
|
コムケーブル
|
1990年12月7日
|
通信ケーブル。対応ソフトはわずか6本[7]。
|
他社発売
以下二点は樫木総業からの発売
- パワーパック PK-001(6,900円) PCエンジンGT用の充電式バッテリー。単二型ニッカド電池6本使用[8]。
非公式だが、マルチキットとの併用で通常のコアマシンでも使用出来る[9]。
- マルチキット PI-01P(980円) パワーパック用の変換プラグ。ゲームボーイ用A-KIT、ゲームギア用B-KITのセット。
動作に支障があるカード
- ゲームタイトル
- 使用不可
脚注
注釈
- ^ NECホームエレクトロニクスのウェブページ[2]および当時の広告[3]では11月10日発売
出典
関連項目