UN/CEFACT(United Nations Centre for Trade Facilitation and Electronic Business、貿易簡易化と電子ビジネスのための国連センター)は、国際連合の下位機関であり、商取引や貿易の促進を目的として世界規模で活動している。国連欧州経済委員会(UNECE)によってホストされている。
勧告文書を作成する手続き(Open Development Process)を持っており、これに則って技術仕様の開発が行われている。国際標準化機構(ISO)等の標準化団体との間で覚書を取り交わしており、作成した標準は互いの機関で尊重し合うことになっている。
UN/CEFACTの活動の成果としては、電子データ交換(EDI)標準のUN/EDIFACTや、ebXML(OASISと共同)、UN/CEFACT Modelling Methodologyなどが知られている。
組織
総会(Plenary)の下に5つの常設グループを持つ。
- ATG(技術応用グループ)
- ICG(情報コンテンツ管理グループ)
- LG(法律関係グループ)
- TBG(国際貿易・ビジネスプロセスグループ)
- TMG(技法・方法論グループ)
貿易円滑化とeビジネス
UN/CEFACTは、国際貿易プロセスの効率化と合理化を目指す2つの主要活動分野、すなわち貿易円滑化と電子商取引に焦点を当てている[1][2][3]。
貿易円滑化には、貿易手続きの簡素化(または不必要な手続きの排除)が含まれる。これには、貿易文書で使用される基本情報の標準化と調和、適切な情報通信技術の活用による当事者間の情報交換の促進、透明性、説明責任、費用対効果を高めるための簡素化された決済システムの推進などが含まれる。
UN/CEFACTは、貿易と関連する電子商取引を促進するため、貿易取引に統合的なアプローチを取り、最初の発注から最終的な支払いまでのすべてのプロセスをカバーする[4][5]。このことを最もよく表しているのが、UN/CEFACTのBuy-Ship-Pay国際サプライチェーンモデルである。
メリット
政府、貿易業者、消費者のすべてが、より簡素で費用対効果の高い貿易手続きの恩恵を受ける。UN/CEFACTの活動は特に発展途上国に関連しており、そこでは貿易関連の不利益に対処することは、貿易に対する関税障壁を削減または撤廃するよりも何倍も有益である[6][7][8]。さらに、UN/CEFACTの活動は、内陸国や主要市場から離れた国にとって特に有益である[9]。これらの国々は、複雑で非効率的な手続きのために、商品を市場に出す際に多くの追加コストが発生するなどの課題や制約に直面している。
外部リンク
出典・脚注