Visual Component LibraryVisual Component Library (VCL) とは、視覚化された(ビジュアルな)ソフトウェアコンポーネントを元にして、Microsoft Windows用GUIアプリケーションを作成するためのソフトウェアライブラリおよびフレームワークである。ボーランドが、自社のソフトウェア統合開発環境 (IDE) であるDelphiとC++ Builderのために開発した。Object Pascalで記述されている。 VCLはボーランドのRADツールと密接に統合されており、プログラミング言語でコードを記述することなくGUI部品の配置や外観設定をGUI(フォームデザイナー)で視覚的かつ直感的に行なうこともできるようになっている[1]。これが人気の元である。 後に、同等の機能を持つクロスプラットフォームのライブラリとしてComponent Library for Cross Platform (CLX) がDelphi、C++ Builder、Kylix用に開発されたが、VCLの人気の前には太刀打ちできなかった。 VCLはオブジェクト指向のクラスライブラリであり、 TComponent = class(TPersistent, IInterface, IInterfaceComponentReference)
というように Object Pascalにおける継承の機能やメカニズムはJavaとよく似ており、のちにC#にも受け継がれることになった。 派生1999年6月8日、インプライズ(ボーランド)はマイクロソフトに対し12,500万ドルでその特許使用を認める契約をし[5]、後にVCLの派生ライブラリとして.NET Frameworkの基本クラスライブラリが公開され、現在ではC#やVisual Basic .NETを中心としたWindowsアプリケーション開発における主力ライブラリとなっているほか、Monoや.NET CoreによりWindows以外のプラットフォームにも広がりを見せている。特にWindows Formsは、VCLの設計や開発スタイルを強く受け継いでいる。 問題点VCLはWindows専用であり、他プラットフォームへの移植性はない。また、Delphi側の仕様起因でUnicode対応が遅れていたが、Delphi 2009でUnicode対応が強化された[6]。 関連項目
脚注
外部リンク
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