エリフ・シャファク(英: Elif Shafak, 土: Elif Şafak, 1971年10月25日 - )は、トルコ系イギリス人[1]の作家・活動家・政治学者。トルコで最も読まれている女性作家とされる[2]。著書に小説『レイラの最後の10分38秒(英語版)』など。
人物
1971年フランスのストラスブールでトルコ人の両親のもとに生まれる[2]。幼少期から青年期をアンカラ、マドリッド、アンマン、イスタンブルで過ごした後、ロンドンに定住する[2]。
作家活動をトルコ語と英語のバイリンガルで行っている[3]。当初は母語のトルコ語で執筆していたが、2004年頃からは、あえて英語で執筆し、それをプロの翻訳家に依頼してトルコ語に翻訳し、その訳稿を自身で書き改める、という手法をとっている[2]。ジャンルは小説・エッセイ・アンソロジー・児童書など多岐にわたる[2]。作風としては、東西の伝統の融合、独特の語り口、哲学・信仰・神秘主義・アイデンティティ・ジェンダーなどに関するメッセージ性が挙げられる[2]。
母国トルコでは、作品がヒットする一方で、アルメニア人虐殺への言及や性的暴力の描写が、政治的弾圧の対象にもなっている[2]。
政治学者として、国際関係の学士号、ジェンダー学・女性学の修士号、政治学の博士号を持ち、トルコ・英国・米国の大学で講義している[2]。オックスフォード大学セント・アンズ・カレッジ(英語版)名誉研究員や、世界経済フォーラムの評議会メンバー、欧州外交問題評議会(英語版)の創設メンバーでもある[2]。
TEDグローバルにも度々登壇している[2][4][5]。女性・子ども・LGBTQの人権擁護活動も行っている[2]。
栄誉として、フランス芸術文化勲章(2010年)[2]、英国王立文学協会(英語版)会員(2019年選出)[2]、BBC100人の女性(2021年)[6]がある。ブッカー賞[2]やバーグルエン賞の選考委員も務めている。2019年の小説『レイラの最後の10分38秒(英語版)』は、2019年ブッカー賞[7]や2020年の英国王立文学協会オンダーチェ賞の最終候補作、および『エコノミスト』やブラックウェルズ(英語版)の年間ベストブックに選ばれた[2]。
私生活では、夫と二人の子がおり[2]、バイセクシャルであることを公言している[8]。
著作(日本語訳)
脚注