サウスサイド鉄道はファームビルの近くで急勾配を躱す必要があったので、ファームビルの東、ライス駅から約6マイル (9.7 km) でハイブリッジを架けてアポマトックス川の南岸から北岸に渡していた[3]。鉄道はハイブリッジからは北岸に沿って走り、南西4マイル (6.4 km) でファームビルに達していた[3]。ファームビルで鉄道は川を渡って南岸に戻り、西に進んでいた[3]。ファームビルの鉄道橋も隣接して荷車用橋があった[4]。
橋が燃やされた時に、クルックの騎兵隊が町に入って来て落伍兵を捕獲しており、一方第24軍団は僅か0.05マイル (80 m) 離れているだけだった[27]。クルックの騎兵隊の本隊がファームビルに到着した時までに、南軍の大半はアポマトックス川の橋を渡って北岸に居り、町の主要な部分から川の北岸に導く橋を焼いていた[notes 5][23]。騎兵隊は川を渡ったが、クルック隊は歩兵ならば川を渡るには深すぎると判断した[23]。
ハンフリーズが聞いた砲声はクルックの騎兵隊が発していたものであり、川を渡り、ファームビルからバッキンガム板張り道路を約2.5マイル (4 km) 進んで荷車隊を攻撃していた[35][37]。J・アービン・グレッグ大佐(名誉准将)の師団が攻撃を率い、ヘンリー・ユージン・デイビース准将とチャールズ・H・スミス大佐(名誉准将)の旅団と、アメリカ第2砲兵連隊のジェイムズ・H・ロード中尉が率いるA大隊の支援を受けていた[37]。荷車隊にはアンダーソンとピケット指揮下だった部隊の残存兵、数百名の落伍兵、さらに幾らかの砲兵隊が付いていた[34]。
グレッグの旅団が荷車隊を攻撃すると、南軍トマス・ロッサー少将とトマス・T・マンフォード大佐が到着してその騎兵師団の部隊を、散開したグレッグの部隊に対抗させ、その攻撃を破り、グレッグとその兵士の幾らかを捕まえたので、他の者達は後退した[35][40][41]。この南軍部隊は、カンバーランド教会から動いてきたゴードンの歩兵部隊に支えられていた[42]。北軍サミュエル・B・M・ヤング大佐がグレッグ旅団の残り部隊を再編し、デイビース隊とロードの大砲の支援を得て、荷車隊を再度攻撃した[41]。このときは、荷車隊にも歩兵が付いており、大砲の支援もあった[41]。北軍の新たな攻撃が撃退されたが、南軍ウィリアム・ガストン・ルイス准将が重傷を負い、捕獲された[41][43]。南軍は、北軍騎兵隊を撃退することを約束することで、ロバート・E・リー将軍が自ら反撃を指揮するのを食い止めた後、クルック隊を押し返してアポマトックス川を越えてファームビルまで後退させた[41]。この頃、シェリダンがクルックをファームビルに呼び戻し、その師団をファームビルから10 (16 km) ないし12マイル (19 km) 西にあるプロスペクト駅に動かすように指示した。クルック師団はそこに真夜中頃に到着した[35][40][44]。
^Calkins, 1997, p. 202, ではカンバーランド教会での歩兵の戦闘で北軍の損失を571名、同時に近くで起きたファームビルの戦いと呼ばれる騎兵の戦闘で74名としている。Humphreys, 1883, p. 390 は、第2軍団の損失を571名としている
^アンダーソンは、リー将軍が落伍兵全てを集めるよう命令してきたので、その命令を発したと言っていた。 Calkins, 1997, p. 125.
^Marvel, 2002, p. 121 では後衛部隊の指揮官であるマホーンが、命令を与えるべきだったと述べている。マホーンは後に、遅れた命令の責任をゴードンに押しつけようとし、リーには直接タルコット大佐に命令を出すよう求めたとまで言っていた。タルコットは、マホーンが命令を与えるべきだったと述べ、橋を破壊する命令を受けるために副官を派遣しなければならなかったが、マホーンは橋から道路を下った4マイル (6 4 km) 先に居たとも言っていた。
^Marvel, 2002, p. 125 states that a "fringe of Farmville ... lay north of the river".
^リーは即座に答えなかったが、アレクサンダーに地元の兵士を使って距離を調べるように求めた。アレクサンダーがその情報を確認すると、リーは「それについて検討する十分な時間がある。その検討の場に行って出席しろ」と伝えた。リーはファームビルの橋が破壊されていることを言っていた。アレクサンダーは後に「実際に地図の上で我が軍の状況を見た者ならば、あるいはその付近の地形を理解する者が居たならば、グラント将軍が我が軍を完全に罠に入れたと見られない者は居ない。...我が軍はこのときジェームズ川とアポマトックス川の間で半島の形をした一種の水差しの中に居り、出口は1つしかない。アポマトックス・コートハウスの所が水差しの首であり、グラントは最短のルートが分かっている、と記していた。 Calkins, 1997, pp. 129–130.
^南軍捕虜に拠れば、リーの全軍がカンバーランド教会に居り、遅かれ早かれそうなると、北軍兵に伝えた。Humphreys, 1883, p. 388.
^Warner, Ezra J., Generals in Blue: Lives of the Union Commanders, Louisiana State University Press, 1964, ISBN 0-8071-0822-7. p. 563 では、当時グラントの検察官としてのウィリアムズを挙げているが、ハンフリーズはウィリアムズをグラントの副参謀としている。
^ウィリアムズが自身を証明して目的を達するまでに、ウィリアムズの従卒が南軍の哨戒兵によって殺された。 Trudeau, 1994, p. 122.
^ユリシーズ・ダブルデイ大佐の旅団がロバート・S・フォスター准将の師団に付けられ、ウィリアム・W・ウッドワード大佐の旅団とルーミス・L・ラングドン大尉の砲兵旅団がジョン・W・ターナー准将の師団に付けられた。ジェイムズ・ショー・ジュニア大佐の旅団は軍団の残り部隊から大きく離れて行軍していた。 Calkins, 1997, p. 136.
^ abcdeMarvel, William. Lee's Last Retreat: The Flight to Appomattox. Chapel Hill: University of North Carolina Press, 2002. ISBN 978-0-8078-5703-8. p. 131.
^ abStarr, Steven. The Union Cavalry in the Civil War: The War in the East from Gettysburg to Appomattox, 1863–1865. Volume 2. Baton Rouge: Louisiana State University Press, 2007. Originally published 1981. ISBN 978-0-8071-3292-0. p. 475.
^ abcLongacre, Edward G. The Cavalry at Appomattox: A Tactical Study of Mounted Operations During the Civil War's Climactic Campaign, March 27 – April 9, 1865. Mechanicsburg, PA: Stackpole Books, 2003. ISBN 978-0-8117-0051-1. p. 160.
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