カール・モファット(Karl "Butch" Moffat、1960年7月31日[4] - )は、カナダのプロレスラー。アルバータ州カルガリー出身[4]。生年は1958年、デビューは1979年、出身地はオンタリオ州ウィンザーともされる[2]。
ホラー映画『13日の金曜日』に登場するジェイソン・ボーヒーズを模した怪奇派覆面レスラー、ジェイソン・ザ・テリブル(Jason the Terrible)のオリジナル版としての活動で知られる[1]。
1990年代にW★INGプロモーションに参戦していたジェイソン・ザ・テリブル(ラファエル・ロドリゲス)は、コピー版の別人である[5]。
来歴
1983年、ブッチ・モファット(Butch Moffat)のリングネームで地元カルガリーのスタンピード・レスリングにおいてデビュー[6]。スキンヘッドに顎髭の大型ヒールとして、ショーグン・KY・ワカマツをマネージャーにザ・コブラやヒロ斎藤と共闘し、サニー・トゥー・リバーズ、ダイナマイト・キッド、デイビーボーイ・スミスらと対戦[7][8]。1984年11月には、スタンピード・レスリングを買収したWWFのハウス・ショーでブレット・ハートとの連戦が組まれた[9]。
WWFに継続参戦することはなく、その後はカナダの各テリトリーを転戦。1984年11月26日にはバンクーバーのNWAオールスター・レスリングにおいて、エルトン・スタントン(1980年に国際プロレスに来日したトム・スタントン)と組んでNWAカナディアン・タッグ王座を奪取[10]。沿海州のアトランティック・グランプリ・レスリングではナチス・ドイツ系ギミックのハンス・ヘルマン(Hans Herman)を名乗り、キラー・カール・クラップのパートナーとなって、1985年7月10日にAGPWタッグ王座を獲得した[11]。
1986年2月、ザ・ジャッカル(The Jackal)のリングネームで新日本プロレスに初来日[2]。3月21日に岐阜産業会館において、クリス・アダムスと組んで藤波辰巳&木村健吾が保持していたIWGPタッグ王座に挑戦した[12]。同年10月の再来日では、9日に両国国技館で開催された『INOKI 闘魂 LIVE』にて藤波とシングルマッチで対戦している[13]。
1987年、プエルトリコのWWCにおいて、13日の金曜日シリーズのジェイソン・ボーヒーズをギミックとしたジェイソン・ザ・テリブル(Jason the Terrible)に変身[14]。劇中のジェイソンと同様のホッケーマスクを被った怪ヒールとなって、1月17日にインベーダー1号からTV王座を奪取した[15]。同年5月、このギミックで全日本プロレスに来日[2]。ジャイアント馬場、ジャンボ鶴田、ザ・グレート・カブキ、タイガーマスクらとタッグマッチで対戦し、タイガー・ジェット・シンのパートナーも務めた[16]。
再興されたスタンピード・レスリングにも、帰国後の7月よりジェイソン・ザ・テリブルとして参戦し、ミスター・ヒトやオーエン・ハートと抗争[6][17]。12月からはベビーフェイスに転じてハート・ファミリーと共闘、翌1988年にかけてバッドニュース・アレン、マッカン・シン、ヴォッカン・シン、ジェリー・モロー、キューバン・アサシン、リップ・ロジャース、ジョニー・スミス、海外修行中だったハシフ・カーンこと橋本真也などと対戦した[18]。
1988年5月、同じくホッケーマスクを被った海賊男、バリー・ガスパー(Barry Gaspar)として新日本プロレスにUターン[2]。首領格のビリー・ガスパーことボブ・オートン・ジュニアのパートナーとなって、マサ斎藤&ビッグバン・ベイダー、長州力&スーパー・ストロング・マシーン、ディック・マードック&アドリアン・アドニスなどのチームと対戦し、同年8月にも再登場した[19]。なお、モファットはスタンピード・レスリングにおいて、オートン・ジュニアの実弟のゾディアックことバリー・オートン(英語版)ともタッグを組んでいた[1]。
その後もカナダやプエルトリコではジェイソン・ザ・テリブルのキャラクターで活動し、WWCでは1988年11月19日にTNTからカリビアン・ヘビー級王座を奪取[20]。1989年1月28日にはカルロス・コロンを破りTV王座に返り咲いている[15]。同年3月11日には、スタンピード・レスリングでの抗争相手だったスティーブ "ストロング" ディザルボ(英語版)と組んでWWC世界タッグ王座を獲得、コロン&インベーダー1号の頂上コンビともタイトルを争った[21]。
1990年代はカルガリー地区の新興団体だったカナディアン・ロッキー・マウンテン・レスリングや、マニトバ州のリバー・シティ・レスリングなどで活動[22]。2000年代もカナダ各地のインディー団体への出場を続け[22]、引退後はブリティッシュコロンビア州でトラック運転手に転じた[1]。2010年代からは地元アルバータ州のリアル・カナディアン・レスリングにゲスト参戦している[22]。
得意技
獲得タイトル
- NWAオールスター・レスリング
- NWAカナディアン・タッグ王座:1回(w / エルトン・スタントン)[10]
- アトランティック・グランプリ・レスリング
- ワールド・レスリング・カウンシル
脚注
外部リンク