ヘイルトゥリーズン系 (ヘイルトゥリーズンけい、Hail to Reason Line)は馬(主にサラブレッド)の父系(父方の系図)の1つ。
概要
ヘイルトゥリーズン(Hail to Reason)はアメリカ合衆国で競走生活を送った馬で、18戦9勝の戦績で1960年の2歳チャンピオンに選ばれた馬であった[1]。故障により2歳で引退したヘイルトゥリーズンは、翌年1961年より種牡馬入りすると、初年度産駒からベルモントステークス優勝馬のヘイルトゥオール、ハリウッドオークス勝ち馬のストレイトディールを出して一気に注目を集めた[2]。そして1970年、その年プリークネスステークスなどに優勝して年度代表馬に選出されたパーソナリティなどの後押しを受けて、それまでボールドルーラーが7年連続で独占していたリーディングサイアーの座を奪取することに成功した[2]。
種牡馬としてヘイルトゥリーズンの系統を大きく伸ばしていったのは、イギリスダービー優勝馬ロベルトと、競走馬としてよりも種牡馬として活躍したヘイローで、どちらも急増するノーザンダンサー系繁殖牝馬との和合性が高く、この系統を押し上げる力となった[2]。
シャンペンステークス優勝馬ストップザミュージックの系統はルグロリューやキャンフォードクリフスなどのG1勝ち馬を時折出しながら父系を繋いでいる。キュアザブルース産駒のIncurable Optimistはアルゼンチンへ輸出され、亜リーディングサイアーを獲得するなど南米に多くの後継馬を残している。
先述の3系統を経ない産駒は限られてきており、ケンタッキーダービー優勝馬のプラウドクラリオンの系統が若干残っている。
トラヴァーズステークス優勝馬ボールドリーズンは父系としては途絶えたが、母の父として大種牡馬サドラーズウェルズを出して大きな影響を与えている。
サイアーライン
---↓ヘイルトゥリーズン系---
- Hail to Reason 1958
- Hail to All 1962
- Reasonably Fair 1962
- Turn to Reason 1962
- Hospitality 1963
- Red Rumour 1963
- Proud Clarion 1964
- Brent's Prince 1972
- Proud Birdie 1973
- Sensible Bird 1985
- Birdonthewire 1989
- Alota Gator Bait 1996
- Proud Arion 1974
- Hail the Prince 1965
- Mr.Leader 1966
- Hurry Up Blue 1977
- Wise Times 1983
- Ruhlmann 1985
- Doc's Leader 1986
- Lead Em Home 1996
- *パーソナリティ Personality 1967
- Bold Reason 1968
- Sound Reason 1974
- Reason Not 1975
- Good Counsel 1968
- Limit to Reason 1968
- Gay Gambler 1969
- Halo 1969 ---→ヘイロー系へ
- Roberto 1969 ---→ロベルト系へ
- Hail The Pirates 1970
- Stop the Music 1970
- Taufan 1977
- Tagula 1993
- Atlantis Prince 1998
- Canford Cliffs 2007
- Cliff's Edge 2014
- Oglum Eymen 2014
- Temperence Hill 1977
- Templar Hill 1984
- *テンパレートシル Temperate Sil 1984
- Cure the Blues 1978
- *ネヴァーベター Never Better 1984
- Le Glorieux 1984
- Take Me Out 1988
- Kimberlite Pipe 1996
- Mr. Pay Day 2002
- American Chance 1989
- Eye of the Tiger 2000
- America Alive 2001
- Huildad 2004
- Strawberry Blue 1992
- Ft.Stockton 1992
- Rock and Roll 1995
- Incurable Optimist 1996
- Fire Wall 2001
- Life of Victory 2002
- Bahiaro 2003
- Band Onthe Run 2003
- Best Guest 2005
- Beneficio 2006
- Bethysmal 2013
- Wake at Noon 1997
- *ニシノエトランゼ Nishino Etoranger 1979
- Sackford 1980
- *メロウアウト 1987
- Makula King 1997
- Winds of Thought 1970
- *ソリタリーヘイル Solitary Hail 1973
参考文献
脚注
- ^ 『新・競馬百科』p.189
- ^ a b c 『新・競馬百科』p.190