ベルナデット 最強のファーストレディ
『ベルナデット 最強のファーストレディ』(ベルナデット さいきょうのファーストレディ、フランス語: Bernadette)は2023年製作のフランス映画[1]。主演はカトリーヌ・ドヌーヴ、監督はレア・ドムナック(Léa Domenach)[1]。タイトルロールの「ベルナデット」はフランス大統領・ジャック・シラク夫人のこと[1]。 概要1995年にジャック・シラクがフランス大統領に就任してから、ジャン=マリー・ル・ペンに勝って2期目を務めた2007年までの12年の間[3]を実在する大統領夫人ベルナデット・シラクを主人公にして描くコメディ映画である[1]。 メディア向きではないと指摘された大統領夫人が、メディアの最重要人物になるべく奔走する模様を、事実をもとにして脚色してある[1]。 あらすじ
この映画はフィクションである。事実と頃なる部分もある。 コレーズ県の県議も務めるベルナデットは夫ジャック・シラクを大統領にするために働き、そのかいあってか1995年に夫は大統領当選。 フランス大統領府であるエリゼ宮に足を踏み入れたベルナデットはようやくこれまでの自分の働きに見合う場所を得られると思った。しかし、夫や大統領の側近、そして夫の広報アシスタントを務める娘クロードからも、ベルナデットは「時代遅れ」「メディアに向いていない」と突き放されてしまう。 そんなベルナデットに、かつては県知事を夢見ていたこともある[注釈 1]ベルナール・ニケが派遣されてくる。公式行事からも遠ざけられ、ベルナデットが停めたものの、ジャックと閣僚たちは耳を貸さずに国民議会を解散して行われた1997年フランス議会総選挙では、左派が過半数の議席を取得してしまう。同年8月、パリ市内でダイアナ妃が事故死した際にジャックが愛人宅にいて、しばし行方がつかめなかったこと、更には長女のロレンスから大統領就任祝いにとベルナデットがプレゼントしてもらった陸亀へ向けて庭で放尿しているジャックを見て、ついに堪忍袋の緒が切れる。 他に頼るあてもないベルナデットは、ニケの「ご自分を解放すれば、道は開けます」との言葉を胸に、ひたすら邁進する。なお、ニケへの成功報酬は知事任命。まずは、慈善募金活動をアピール。アイドルボーイズグループの2Be3には断られたものの、金メダリストのダビド・ドゥイエの協力を仰ぎ、募金活動は大成功。1998年5月にはファーストレディ同士ということでヒラリー・クリントンを自身の政治基盤であるコレーズ県に招き、これもマスコミが大きく取り上げることになる。ジャックのほうは知らされていない上にアメリカ大統領夫人がフランス大統領府を無視した形になったことに憤慨する。マスコミ露出が増えたベルナデットの服装が古臭いと苦情が舞い込んだシャネルからカール・ラガーフェルド自身がエリゼ宮に乗り込んできて、ベルナデットの衣装コーディネートを実施。ベルナデットの国民人気はますます上がり、コレーズ県議員選挙でも再選される。TGVを延長してコレーズ県ブリーヴまで引く計画の推進を取り付けるも、相変わらずジャックからは「今の時期に牡蠣を食ってもいいのか?」などのどうでもいいような相談しかこない。 2002年フランス大統領選挙のジャックと閣僚たちは左派のリオネル・ジョスパンのみを警戒していたが、ベルナデットは極右のジャン=マリー・ル・ペンを警戒すべきと指摘するが、これも無視される。結果、ジャック・シラクとル・ペンの決選投票になる。決選投票は左派の協力も仰いでジャックの大勝に終わる。 再選は、1995年の時とは異なり、エリゼ宮の職員たちもベルナデットを称え、求められてスピーチする中、ベルナデットはジャックからの「黙れ」と書かれたメモを渡され涙する。 2007年、ジャックはパリ市長時代の公金横領と背任の罪で起訴され、免罪特権のある大統領職を失ったら有罪は免れない状況になっていた。そんなとき、ジャックが一過性脳虚血発作で倒れてしまう。一命は取り留め、退院したものの、既に人の名前の発声すら怪しいところがあった。 2007年フランス大統領選挙、ベルナデットはニコラ・サルコジの支持表明と引き換えに、大統領を辞めた後のジャックの支援を要請。サルコジの選挙演説会に出席する。それをテレビ中継で見ていたジャックは怒り、すぐさま退席するよう電話をかけるが、ベルナデットは意に介せず、サルコジに招かれて登壇する。演説会後、マスコミからサルコジ支持は大統領の了解があってのことなのかという問いに、「自分の行動に夫の許可は必要ない」と言い切るのだった。 その後も、ベルナデットは県議として活躍した。が、隣町までは来たものの、未だTGVはブリーヴまでは開通していない。 スタッフ
キャスト
製作カトリーヌ・ドヌーヴは「伝記映画には興味がない」と語っていたが、レア・ドムナックとクレマンス・ダルジャンが書き上げたシナリオを読んで、素晴らしく、とてもよく書けていて、すごく笑えたシナリオだったことから興味を持ち、ドムナックと会ったドヌーヴは、事実をそのまま映画にするのでなければ、ベルナデット・シラクに似せようとするのでもなく、ただ役の心を演じればいいのだということを理解したことで考えを改め、出演依頼を受けた[3]。 脚注注釈
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