ポール=デジレ・トゥルイユベール(Paul Désiré Trouillebert、1829年 - 1900年6月28日)はフランスの画家である。森や湖を描いた風景画を多く描き、バルビゾン派の画家の一人とされる。
略歴
パリで生まれた。肖像画や宗教画を得意とするエルネスト・エベールやシャルル・ジャラベールの弟子であった。36歳になった1865年にパリのサロンに初めて肖像画を出展した。その後、風景画に転じたことによって高い評価を得るようになった。サン=ジェルマン=シュル=ヴィエンヌやモンソロー、カンド=サン=マルタンなどのロワール川の岸辺の町などの風景を描いた。バルビゾン派の代表的な画家、ジャン=バティスト・カミーユ・コローにスタイルに近い作品を描くようになり[1]、作品の一つの、トゥルイユベールのサインが消され、コローの作品に偽造されて、有名な作家アレクサンドル・デュマ・ペールの息子に売られる事件が起きたことで有名になった[2][3]。
オリエンタリズムの絵画にも興味を示し、オリエンタルの女性のヌードという題材の作品も描き展覧会に出展した。
弟子には、ピエール・ユキシアニ(Pierre Ucciani: 1851-1939)がいる。
作品
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ロワールの岸辺
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風景
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モンテンポワヴル通りの環状鉄道の駅(1888)
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川沿いの道(c.1900)
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農場と収穫する人
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蛇使いの女性のヌード
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ハレムの召使
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菫の花束
参考文献
- ^ Bury, A., "In the Galleries," Connoisseur, Vol. 161, 1966, p. 256
- ^ "Paul Trouillebert" [Biographical Notes], REHS Galleries, Online: http://www.rehs.com/Paul_Desire_Trouillebert_Bio.html
- ^ Spencer, R.D., The Expert Versus the Object: Judging Fakes and False Attributions in the Visual Arts, Oxford University Press, 2004, [E-Book edition]
- Dictionnaire Bénézit
- Claude Marumo, Thomas Maier et Bernd Mullerschon, Paul Désiré Trouillebert (1831-1900), [catalogue raisonné], Stuttgart, 2004, 635 p., 1 200 ill. (ISBN 3935252021).