ミヤマオダマキ
分類
学名
Aquilegia flabellata Siebold et Zucc. var. pumila (Huth) Kudo
シノニム
Aquilegia japonica Nakai et H.Hara
和名
ミヤマオダマキ(深山苧環)
ミヤマオダマキ (深山苧環、学名 :Aquilegia flabellata var. pumila )は、キンポウゲ科 オダマキ属 の多年草 。北海道 ~中部地方 以北、南千島から朝鮮 北部、樺太 に分布する高山植物 である。園芸品種として改良されたものが山野草 として栽培されるが、高山性のものとしては栽培しやすい方である。
形態
根 は太くてまっすぐに下に伸びる。葉 は根出状に数枚出る。それぞれ2回3出複葉で、1回目の葉柄ははっきり出るが、2回目はごく短く、小葉は互いに集まる。小葉は扇形、薄くて淡緑色、表面は粉を吹いたようになる。
茎 は高さ10-25 cm ほど、花期は6-8月で先端に数輪の花をうつむき加減につける。花は青紫色、萼片 は広卵形で傘状に開き、花弁 は円筒形にまとまって付き、先端はやや白っぽく、基部からは萼の間を抜けて距がのびる。
果実 は袋果 で、5本の先のとがった筒を束ねたような姿で上を向く。
秋田県 ・宮城県 ・群馬県 ・石川県 でレッドリスト の絶滅危惧種(絶滅危惧I類)と岩手県 で絶滅危惧II類 に指定されている[ 1] 。基準標本 は、礼文島 と利尻島 のもの。田中澄江 が『新・花の百名山 』の著書で早池峰山 を代表する花の一つとして紹介した[ 2] 。礼文島では民家の近くでも自生している[ 3] 。
和名由来
和名 の由来は、苧環(おだまき)という紡いだカラムシ (苧)や麻糸を丸く巻く道具が花の形に似ていて、深山に咲くことから付けられた。
分類
下位分類
種小名 の flabellata は「扇 状の」意味。変種名の pumila は、「小さい」の意味。
キバナミヤマオダマキ(黄花深山苧環 A. flabellata var. pumila f. flavida ) - 稀に黄色の花を咲かせるもの。
タマザキミヤマオダマキ(玉咲深山苧環 A. flabellata var. pumila f. globularis ) - 八重咲き もの。
リシリオダマキ(利尻苧環 A. flabellata var. pumila f.konoi ) - 利尻島の花弁に距がないもの。
近縁種
ヤマオダマキ (山苧環 A. buergeriana ) - 日本在来の近縁種。
キバナノヤマオダマキ(黄花の山苧環 A. buergeriana var. buergeriana f. flavescens ) - ヤマオダマキの黄色一色の花を咲かせるもの。
関連画像
花の構造
葉(北岳 ・2007年8月)
北岳に自生(2007年8月)
礼文島 に自生
脚注
参考文献
外部リンク