「一途/逆夢」(いちず/さかゆめ)は、King Gnuの4作目のCDシングル。2021年12月29日にソニー・ミュージックレーベルズ(アリオラジャパンレーベル)からリリースされた。「一途」「逆夢」はそれぞれ2021年12月24日に劇場公開されたアニメ映画『劇場版 呪術廻戦 0』の主題歌、エンディングテーマに起用されており、それぞれ12月10日、12月24日に先行配信された。
背景とリリース
前作のシングル『BOY』から28日ぶり(配信シングルとしては2か月ぶり)のリリースとなった。表題曲の内、「一途」はKing Gnuにとって初となるアニメ映画のタイアップ曲となり、映画の為に書き下ろされた[13]。楽曲は2021年12月1日放送の「2021 FNS歌謡祭 第1夜」でフルサイズ解禁した。常田は番組に「全部がサビみたいな曲」とメッセージを寄せている。「一途」は2021年12月10日に先行配信がスタートし、同日にはMVがYouTubeでプレミア公開された。なお同ビデオはKing GnuのMVでは初めてPERIMETRONが制作に関与していない作品となっている[14]。「逆夢」は2021年12月24日にサプライズでデジタル配信がスタートし[15]、2022年1月5日にはPERIMETRONのOSRINが監督を務めたMVがYouTubeでプレミア公開された[16]。
本シングルは、通常盤、初回限定盤、期間限定生産盤の3形態でリリースされる。初回限定盤には昨年11月開催の東京・日本武道館公演の「King Gnu Live Tour 2020 AW "CEREMONY" November 25th, 2020 at NIPPON BUDOKAN」の模様を収めたBlu-rayが付属する。また期間限定生産盤のジャケットには『劇場版 呪術廻戦 0』の描き下ろしイラストが使用される[17]。
音楽性
一途
- ポストパンク的な手触りギターのカッティングリフと、獰猛なバンドグルーヴで駆け抜ける高速ロックチューン[18][19]。〈 ひとひらの想いよ/届け届けと血を巡らせて/一途に見つめます/理由なんて必要は無いの 〉といった歌詞で、「狂気スレスレのロマンチシズム」[19]が表現されている。またボーカルでは、常田パートと井口パートは明確に役割が分かれている。リアルサウンドの石井恵梨子は、「余計な装飾のなさ、疾風怒濤のスピード感、中盤はコーラスやハーモニーで色づけがなされるのに、あえて最初の無骨なメロディに戻っていく主旋律の運び方など、かなりストイックな印象が強い。」と述べており、また「鋭いカッティングでゴリ押ししていく始まり方に、90年代のTHEE MICHELLE GUN ELEPHANTを重ねることも可能」としている[20]。
逆夢
- 現代音楽的な意匠をまとったストリングスとピアノで始まる[18]、「『白日』直系」[21]のメランコリックなメディアムバラード[18]。常田俊太郎による壮麗なストリングスアレンジにジャジーなヒップホップグルーヴが折り重ねられている[19]。
評価と批評
- 前述の石井恵梨子は、「一方は激しく言葉数の多い高速ロックチューン、もう一方はしっとりしたバラード」というシングルパッケージは、2020年12月リリースのの『三文小説/千両役者』とぴったり重なるものだと指摘し、「アバンギャルドとクラシックの共存、貴族的優雅さと暴動寸前の熱狂の同居」というKing Gnuの魅力を再確認した[20]。
- 音楽ライターの松本侃士は、「一途」について「長きにわたるJ-POP史を振り返っても、これほどまでに激しく真っ直ぐで、もはや破滅的とも捉えられるラブソングは極めて稀」と述べている[22]。
チャート成績
2021年12月10日に先行配信された「一途」は、12月15日公開(集計期間:2021年12月6日~12月12日)のビルボード・ジャパンソングスチャートにおいて、29,545DLでダウンロード2位、4,163,066再生でストリーミング22位を記録。他指標でも動画再生10位、Twitter 18位、ラジオ29位と高ポイントをマークして、総合4位に初登場した[23]。翌週のチャートではダウンロード3位、ストリーミング4位、動画再生2位、ラジオ2位で総合4位から3位にランクアップしている[24]。
映画が公開となる12月24日に先行配信された「逆夢」は、2021年12月29日公開(集計期間:2021年12月20日~12月26日)のチャートでダウンロード首位(28,308DL)を獲得。そのほかではストリーミング45位を記録し、総合では12位に初登場した[25][26]。フィジカルCDが発売された翌週のチャートでは、「一途」が47,292枚を売り上げてシングル1位、9,696,001再生でストリーミング1位、2,098,622再生で動画再生1位を記録して、計3冠を獲得してバンド初(2022年1月現在)の総合首位に立った。「逆夢」は前週12位から総合3位にまで順位を上げ、これは24,637DLをマークしたダウンロード1位が牽引役となっている[27]。翌週のチャートでは、1月5日にMV公開となった「逆夢」がダウンロード1位(3週連続)、ストリーミング2位で総合2位までランクアップ。「一途」もダウンロード3位、ストリーミング首位で、ワンツーフィニッシュを果たした[28]。「逆夢」は翌週のチャートでストリーミング首位(10,032,427回)を獲得し、1位と2位が入れ替わる形で再びKing Gnuがストリーミングワンツーフィニッシュを果たした[29]。
2022年3月16日、「一途」が自身最速でストリーミング累計再生1億回を突破した[30]。
2022年12月22日発表のオリコン年間ランキング2022の「合算シングルランキング」で1位を獲得[2][31]。同一作品が上半期と年間でいずれも合算シングル1位を獲得するのは、SixTONES×Snow Man『Imitation Rain/D.D.』以来2年ぶり・史上2組目の快挙となった。
チャート推移
オリコン週間シングルランキング順位
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順位(売上)
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CDシングル
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DLシングル
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ストリーミング
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合算シングル
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一途
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逆夢
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一途
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逆夢
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1週目 (12月6日-12日集計、12月20日付)
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発売前
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2位 (3.0万DL)
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発売前
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20位 (397万再生)
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発売前
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10位 (2.5万Pt)
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2週目 (12月13日-19日集計、12月27日付)
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2位 (1.6万DL)
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3位 (658万再生)
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6位 (2.8万Pt)
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3週目 (12月20日-26日集計、2022年1月3日付)
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3位 (2.6万DL)
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1位 (2.9万DL)
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2位 (779万再生)
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5位 (3.6万Pt)
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4週目 (12月27日-2022年1月2日集計、1月10日付)
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1位 (4.7万枚)
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3位 (2.3万DL)
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1位 (2.6万DL)
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1位 (895万再生)
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4位 (615万再生)
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1位 (11.7万Pt)
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5週目 (1月3日-9日集計、1月17日付)
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2位 (1.0万枚)
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3位 (1.7万DL)
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1位 (2.3万DL)
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1位 (868万再生)
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2位 (791万再生)
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1位 (8.2万Pt)
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6週目 (1月10日-16日集計、1月24日付)
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5位 (0.6万枚)
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5位 (1.5万DL)
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3位 (2.1万DL)
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1位 (959万再生)
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2位 (879万再生)
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2位 (8.2万Pt)
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7週目 (1月17日-1月23日集計、1月31日付)
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17位 (0.4万枚)
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5位 (0.9万DL)
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3位 (1.2万DL)
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1位 (831万再生)
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2位 (771万再生)
|
2位 (6.6万Pt)
|
認定と売上
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認定 (RIAJ)
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売上/再生回数
|
フィジカルCD
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ゴールド[32]
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100,000** 枚
|
「一途」
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ダウンロード
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ゴールド[33]
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159,000 DL[34]
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ストリーミング
|
ダブル・プラチナ[35]
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200,000,000回*[36]
|
「逆夢」
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ダウンロード
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ゴールド
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138,000DL[34]
|
ストリーミング
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プラチナ
|
100,000,000回
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*認定のみに基づく売上/再生回数
**認定のみに基づく出荷枚数
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収録曲
Blu-ray(初回限定盤)
King Gnu Live Tour 2020 AW "CEREMONY" November 25th, 2020 at NIPPON BUDOKAN# | タイトル | 作詞 | 作曲・編曲 |
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1. | 「どろん」 | | |
2. | 「Sorrows」 | | |
3. | 「Vinyl」 | | |
4. | 「It's a small world」 | | |
5. | 「白日」 | | |
6. | 「飛行艇」 | | |
7. | 「Overflow」 | | |
8. | 「Slumberland」 | | |
9. | 「Hitman」 | | |
10. | 「The hole」 | | |
11. | 「ユーモア」 | | |
12. | 「傘」 | | |
13. | 「Tokyo Rendez-Vous」 | | |
14. | 「破裂」 | | |
15. | 「Prayer X」 | | |
16. | 「ロウラブ」 | | |
17. | 「Flash!!!」 | | |
18. | 「三文小説」 | | |
19. | 「Teenager Forever」 | | |
収録アルバム
テレビ披露
カバー
- 逆夢
-
- 林勇 - 2022年7月13日配信のデジタルシングル「逆夢 - from CrosSing」にてカバー。カバーソングプロジェクト『CrosSing - Music&Voice-』の楽曲としてリリース。同年9月21日発売のアルバム『CrosSing Collection vol.1』に収録。
脚注
出典
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常田大希 (Vocal/Guitar/Cello/Programming) - 勢喜遊 (Drums/Sampler) - 新井和輝 (Bass/Synth bass) - 井口理 (Vocal/Keyboard) |
スタジオ・アルバム |
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シングル |
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ラジオ | |
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関連項目 | |
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カテゴリ |
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合算 | |
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オリコン週間デジタル シングルチャート第1位(2022年1月3日 - 17日付:3週連続) |
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- 7日 逆夢(King Gnu)
- 14日・21日・28日 残響散歌(Aimer)
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- 4日・11日・18日・25日 Habit(SEKAI NO OWARI)
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オリコン週間アニメ シングルチャート第1位(2022年1月10日 - 17日付:2週連続) |
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オリコン週間アニメデジタル シングルチャート第1位(2022年1月3日 - 17日付:3週連続) |
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- 7日・14日・21日・28日 残響散歌(Aimer)
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- 7日・14日・21日・28日 残響散歌(Aimer)
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オリコン週間アニメ合算 シングルチャート第1位(2022年1月3日 - 17日付(3週連続)、1月31日 - 2月14日付(3週連続):通算6週) |
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- 4日・11日・18日・25日 ミックスナッツ(Official髭男dism)
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