大阪窯業セメントいぶき500形電気機関車![]() 大阪窯業セメントいぶき500形電気機関車(おおさかようぎょうセメントいぶき500がたでんききかんしゃ)は、かつて大阪窯業セメント(大阪セメントを経て現在の住友大阪セメント)が伊吹工場専用線で使用していた直流用電気機関車である。同専用線廃止後は大井川鉄道(現・大井川鐵道)に譲渡され、同社でED500形電気機関車となっている。 概要いぶき501が1956年(昭和31年)1月15日に日立製作所水戸工場で落成し、いぶき502が同年2月6日に同工場で落成した。50 t箱形機で、近江長岡駅から分岐していた伊吹工場専用線で使用されていた。形式名の「いぶき」は同専用線の名の由来になった伊吹山から取られたもので、車両中央に大阪セメントの「ライオン印」が掲げられていた。同線でのセメント輸送がトラックに切り替えられることとなり[1]、本形式は1999年(平成11年)6月25日をもって運用を終了。同年10月に大井川鉄道へ譲渡された。同社へは同月5日から6日にかけて輸送され、翌7日に新金谷車両区で構内試運転が行われた。同社で形式がED500形に改められた。 いぶき501は2000年(平成12年)2月22日付[2]でED501として竣工し、同月下旬に運用を開始。同年3月18日に新金谷駅で行われた出発式で、本格的に運用を開始した[3]。同列車は客車3両編成(旧型客車+お座敷車+展望車の編成)で、「いぶき号運転開始 平成12年3月18日」と書かれたヘッドマークがED501に装着された。下り新金谷発千頭行き列車は単機で運行され、上り千頭発金谷行き列車はE103とのプッシュプルで運行された。また、同日には千頭駅構内でC10 8、いぶき502、E103の撮影会も開催された。 なお、本形式は大井川鉄道では補機専用機として導入されたため、自動列車停止装置 (ATS) は搭載されなかった。 2005年(平成17年)2月開港の中部国際空港埋立土砂輸送のため、2000年(平成12年)5月に三岐鉄道へ転出することとなった。ED501は貸与、ED502は譲渡されることが決定され、同月18日に同社へ搬入された。重連総括制御装置[4]や三岐鉄道仕様のATSが搭載され、同年6月10日付で竣工した。翌7月に三岐線で中部国際空港埋立土砂輸送の運用を開始し、2002年(平成14年)12月21日にその運用を終了した。 中部国際空港埋立土砂輸送終了後は、2003年(平成15年)2月7日から12日にかけて、最終運用が行われた。ED501は2003年(平成15年)3月に大井川鐵道(2000年〈平成12年〉10月に再編・改称)へ返却入線[5]した。一方、ED502は同年3月18日付で廃車となり、同日から西藤原駅構内で静態保存されていたが、2014年(平成26年)に保々車両区へ回送され、2015年(平成27年)5月までに解体された。 ED501については、2019年(令和元年)ごろから整備を受けていたが、諸事情により中断している。ただし、2022年(令和4年)度中に再開される予定である。 主要諸元
脚注参考文献
外部リンクInformation related to 大阪窯業セメントいぶき500形電気機関車 |