『雪の女王』(ゆきのじょおう、ゆきのじょうおう、丁: Sneedronningen)は、デンマークの代表的な童話作家・詩人であるハンス・クリスチャン・アンデルセンの童話[3]。
1844年12月21日初版の『新童話集』第1巻第2集に発表された[1]。最初の日本語訳は、1893年(明治26年)9月初版の内田魯庵『鳥留好語』(警醒社)に同じ題名で収められている[5]。
あらすじ
ある所にカイという少年とゲルダという少女がいた。二人はとても仲良しだった。しかしある日、悪魔の作った鏡の破片がカイの眼と心臓に刺さり、彼の性格は一変してしまう。その後のある雪の日、カイがひとりでソリ遊びをしていたところ、どこからか雪の女王が現れた。そして、魅入るようにして彼をその場から連れ去ってしまった。
春になると、カイを探しに出かけるゲルダの姿があった。太陽や花、動物の声に耳を傾け、少女は旅を続ける。花園のある魔女の家でカイを探しに旅に出た事を魔法で忘れさせられるが、薔薇の花によって記憶が蘇り再び旅に出る。途中、王子と王女の助けによって馬車を得るものの、それが元で山賊に襲われる。あわや殺されようとするところを山賊の娘に救われたゲルダは、娘が可愛がっていた鳩に、カイは北の方に行ったと教えられる。山賊の娘が用立ててくれたトナカイの背に乗って、ゲルダはとうとう雪の女王の宮殿にたどり着く。
カイを見つけたゲルダは涙を流して喜び、その涙はカイの心に突き刺さった鏡の破片を溶かす。少年カイは元の優しさを取り戻し、二人は手を取り合って故郷に帰った。
派生作品
映画(実写)
テレビドラマ
アニメ
ソビエト連邦
ロシア
イギリス
- The Snow Queen(1976年) - BBCエンタープライズ(旧BBCワールドワイド)で放送された、実写とアニメーションを融合したテレビ映画。イアン・キルが製作し、アンドリュー・ゴズリングが監督を務めた[7]。
アメリカ合衆国
日本
その他
小説
- 雪の女王(英語版)(The Snow Queen):ジョーン・D・ヴィンジによるサイエンス・ファンタジー小説。原著は1980年に刊行された。日本では1982年に岡部宏之の翻訳により早川書房海外SFノヴェルズより刊行、1987年にハヤカワ文庫に収録された。
漫画
ヒロインはゲルダではなく山賊の娘で、「一見か弱いが、人生に目的(カイ)があり、それを目指して懸命に生きている」ゲルダと、「一見怖いものなしだが、人生に目的がなくただ無為に生きている」山賊の娘とが出会う。そして、娘はゲルダ自身を「人生の目的」にして執着する。
ゲーム
楽曲
- ゲルダの鏡 (A Mirror of Gerda):樽屋雅徳による楽曲。
- カイの迷宮:谷山浩子による『雪の女王』をモチーフとしたコンセプトアルバム。
脚注
出典
参考文献
- ISBN 4-04-108620-5、ISBN 978-4-04-108620-9、NCID BB29055832、OCLC 1125026621、国立国会図書館書誌ID:029937589。
関連項目
ウィキメディア・コモンズには、
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デンマーク語版ウィキソースに本記事に関連した原文があります。
外部リンク