こうの 史代(こうの ふみよ、1968年9月28日 - )は、日本の女性漫画家、イラストレーター。広島県広島市西区出身。広島大学理学部中退、2001年放送大学教養学部卒業[1]。比治山大学美術科客員教授[2]。
略歴
子供時代に好きだった漫画は『大純情くん』[3]。教育熱心な家庭で育ち、当時はあまり漫画を読ませてもらえなかった。限られた小遣いで漫画を買っていた日々だったが、自分で描くことを思いつき、中学生の頃より漫画を描き始める。
高校時代は科学部の部長だった(美術部にもかけもちで参加していた)[4]。1987年に広島大学理学部に入学[5]。大学ではイラストマンガ同好会に所属していた
[6]。本職の漫画家を志して大学を中退し、上京後、とだ勝之、谷川史子などのアシスタントを経て、1995年に『街角花だより』でデビュー。
2004年、代表作でもある『夕凪の街 桜の国』(双葉社)で第8回文化庁メディア芸術祭マンガ部門大賞、第9回手塚治虫文化賞新生賞を受賞。同作は田中麗奈主演で映画化され、2007年7月に公開された。
2009年、『この世界の片隅に』(双葉社)で第13回文化庁メディア芸術祭マンガ部門優秀賞、同作は2011年に日本テレビ、2018年にTBSでドラマ化され、2016年には片渕須直監督によって劇場アニメが公開された。
2019年、大英博物館で開催されたマンガ展「The Citi exhibition Manga」にて『ギガタウン 漫符図譜』が展示された[7]。
2021年、2016年から在住する福知山市との縁でイラスト「麒麟のいる街」を執筆[8]。
作風
トーンを極力使わない絵柄で、日常生活を主なテーマとした様々なタイプの作品を執筆している。活動範囲は児童書から青年誌まで広範囲に及び、イラストレーターとして書籍の挿絵を担当する他、同人誌での活動も行なっている。
連載
単行本
- 『ぴっぴら帳(ノート)』1、完結編(2000-2004年、双葉社)のち文庫
- 『夕凪の街 桜の国』(2004年、双葉社)のち文庫
- 『こっこさん』(2005年、宙出版)
- 『長い道』(2005年、双葉社)のち文庫
- 『さんさん録』(2006年、双葉社)のち文庫
- 『街角花だより』(2007年、双葉社)のち文庫
- 『この世界の片隅に』全3巻(2008-2009年、双葉社)2011年に新装版全2巻
- 『平凡倶楽部』(2010年、平凡社)
- 『ぼおるぺん古事記 天の巻・地の巻・海の巻』(2012-2013年、平凡社)
- 『あのとき、この本』(2014年、平凡社)
- 『日の鳥』全2巻(2014-2016年、日本文芸社)
- 『荒神絵巻』(2014年、朝日新聞出版)
- 宮部みゆきと共著。『荒神』連載中に描かれたオールカラーの挿し絵を収録。
- 104種類の漫符の意味を、短文と四コマ漫画による用例で解説。用例に鳥獣人物戯画に描かれているキャラクターを多用した。[11]。ふきだしおよび効果線も数点ずつ紹介。
- 『マンガノミカタ』(樹村房, 2021年10月)竹宮惠子・吉村和真との共著
- 『百一 hyakuichi』(日本文芸社、2022年1月)
挿し絵
新聞
絵本
児童文学書
一般書
表紙画
- 吉原花魁日記 光明に芽ぐむ日(森光子作)
- 春駒日記 吉原花魁の日々(森光子作)
アニメーション
映画
その他
- 放送大学イメージキャラクター“まなぴー” キャラクターデザイン、2008年9月[1]
関連書籍
- 『ユリイカ』2016年11月号「特集=こうの史代」[12](青土社、2016年10月)
- 『「この世界の片隅に」こうの史代 片渕須直対談集 さらにいくつもの映画のこと』(文藝春秋、2019年11月)
- 『この世界の片隅に ガイドブック』(双葉社、2016年10月、増補版2020年2月)
脚注
外部リンク