ときわ台駅 (東京都)
ときわ台駅(ときわだいえき)は、東京都板橋区常盤台一丁目にある東武鉄道東上本線の駅。駅番号はTJ 06。 年表
駅名の由来当駅南口より徒歩1分の場所に位置する旧・上板橋村の鎮守、天祖神社に伝わる祝詞および境内の「常磐松」から「武蔵常盤駅」と名付けられた。武蔵野台地に位置する駅であることにも由来する[5]。 駅構造島式ホーム1面2線を有する地上駅。ホームと北口との間は地下道で、南口とは跨線橋で連絡している。北口駅舎は開業時のものを2018年にリニューアルした、大谷石造りの瀟洒な洋風建築である。また、北口駅舎隣にはリニューアルの一環として「EQUIA(エキア)ときわ台」が2019年11月29日にオープン[4]。南口は2階に改札コンコースを置くビルで、商業施設などのテナントが入居している。 ユニバーサルデザインの一環として、駅ホーム中央に多機能トイレと、南口コンコースに連絡するエレベーターが設置されている。また、2020年3月末に北口側にはこれまで無かった改札口とホームを繋ぐエレベーターおよび連絡通路(高架)が開設された。 過去に存在した駅構造構内踏切 - ホーム連絡地下道開設以前、ホーム池袋方の端に設置されていた。1950年代に撮影された写真で確認できる[6]。 のりば
利用状況2023年度の1日平均乗降人員は41,939人である[東武 1]。 近年の1日平均乗降・乗車人員の推移は下表の通り。
駅周辺北口側には、1935年(昭和10年)に東武鉄道が沿線開発事業の一環として初めて行った宅地分譲により整備された「常盤台住宅地」が広がっている。内務省地方局が1907年(明治40年)に出版した書籍により日本に紹介された、米国の「田園都市」思想に基づいて設計された住宅地である[11]。 先行して1920年代に目黒蒲田電鉄(東急電鉄の前身企業)が現在の大田区で開発・分譲した田園調布と比較されることもあるが、田園調布とは異なる、ほぼ楕円形のプラタナスプロムナードを中心とした道路網や、随所に設置されたクルドサック、ロードベイ、フットパスと呼ばれる構造物など独特な町並みを持っており、当時目指していた理想的な住宅地の姿が窺える[12][13]。周辺幹線道路と直接の接続が果たせなかったことが不便とされ、加えて分譲直後に日中戦争・太平洋戦争といった混乱の時期を迎えたが、幹線道路に面していないことによりかえって静謐な生活環境が保たれ、今なお昭和初期の面影を残す美しい住宅地といえる。 常盤台住宅地の敷地は、当初東上線と伊勢崎線との接続(西板線計画)に伴う操車場用地確保のために、東武鉄道が1927年(昭和2年)頃に買収していた場所であった。しかし採算面・土地買収・橋梁建設などの問題から1932年(昭和7年)以降西板線計画は起業廃止され、その代替案として住宅地建設が決定された[11][12][13]。 2000年代に入るとマンション建設が活発になる一方で、開発業者と既存住人との間で建設の是非をめぐり対立する、いわゆる「マンション紛争」が起こっている。その契機となった北口ロータリー前の銀行跡地には業者の計画通り11階建てマンションが建設されたが、常盤台住宅地は2004年(平成16年)に東京都から「街並み景観重点地区」の指定を受け、2007年(平成19年)に「ときわ台景観ガイドライン」が制定され、翌年から運用されている[14]。 南口周辺はもと天祖神社の境内であったが、1949年(昭和24年)に駅南口および住宅・商業地建設のため、東武鉄道および地元に土地の一部が割譲されたことにより形成された市街地である[2]。 周辺施設※銀行、民間商業施設、医療施設については省略。
バス路線本項目では、2019年9月現在の営業路線について記述する。 ときわ台駅乗り場は北口ローターリーおよび旧フエンテ常盤台店跡地前の通りに設置されている。 南常盤台乗り場は駅南口から南東方向に約350メートル(公道歩行距離)の環七通り上に設置されている。 ときわ台駅入口乗り場は駅南口から南方向に約500m(公道歩行距離)の川越街道上に設置されている。 2007年の踏切事故2007年2月6日19時30分ごろ、当駅ホームのすぐ脇にある踏切に自殺志願者の女性が侵入しているとの通報を受け、警視庁板橋警察署常盤台交番の警視庁巡査部長(殉職後二階級特進で警視庁警部[注釈 1])が交番に保護した。しかし、女性は隙を見て交番から逃げ出し、「死んでもいい、死んでやる」などと叫びながら再び踏切に侵入した。巡査部長がこれを救助しようとして女性をホーム下の退避スペースに押し込んだものの、巡査部長自身は間に合わず、当駅を通過する下り急行小川町行き(10030系11642F+11447Fの10両編成)にはねられて重体になり、同年2月12日に意識が戻らないまま板橋区内の病院で死去した[18]。なお、巡査部長による命を顧みない勇敢な行動により、女性は腰を骨折する重傷を負ったものの、一命を取り留めた。 この一件を知った当時の内閣総理大臣・安倍晋三(第1次内閣在任時)から、事故殉職した巡査部長を緊急叙勲[注釈 2]対象にする異例の指示が警察庁に出され、同年3月1日に正七位・旭日双光章授与。そして、同年6月16日に巡査部長を讃える記念碑「誠の碑」[注釈 3]の除幕式が、常盤台交番に隣接する当駅北口前で行われた。 この事故にまつわるエピソードは、事故から1年後の2008年2月に山口秀範により『伏してぞ止まん』のタイトルで絵本になり、巡査部長の母校である札幌市立幌北小学校でも授業に取り上げられた。さらに、同年2月15日にフジテレビ系列で放送された『千の風になって ドラマスペシャル』シリーズの『死ぬんじゃない! 実録ドラマ・宮本警部が遺したもの』としてテレビドラマ化され、三宅裕司が巡査部長役を演じた。 殉職から2年後の2009年2月には、絵本による反響が大きかったことから、絵本の作者である山口によって、伝記『殉職』が出版された。 付記
隣の駅脚注注釈出典
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