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アオジ

アオジ
アオジ
アオジ Emberiza spodocephala personata
保全状況評価[1]
LEAST CONCERN
(IUCN Red List Ver.3.1 (2001))
分類
ドメイン : 真核生物 Eukaryota
: 動物界 Animalia
: 脊索動物門 Chordata
亜門 : 脊椎動物亜門 Vertebrata
: 鳥綱 Aves
: スズメ目 Passeriformes
亜目 : スズメ亜目 Oscines
: ホオジロ科 Emberizidae
: ホオジロ属 Emberiza
: アオジ E. spodocephala
学名
Emberiza spodocephala Pallas, 1776
和名
アオジ(青鵐、蒿鵐、蒿雀)
英名
Black-faced bunting
亜種

アオジ(青鵐、蒿鵐、蒿雀、Emberiza spodocephala)は、スズメ目ホオジロ科ホオジロ属に分類される鳥類

分布

インド北部、中華人民共和国台湾朝鮮民主主義人民共和国日本ネパールブータンロシア南東部

夏季に中華人民共和国、ロシア南東部、朝鮮半島北部で繁殖し、冬季になると中華人民共和国南部、台湾、インドシナ半島などへ南下し越冬する。日本では亜種アオジが北海道本州中部以北で繁殖し、中部以西で越冬する。また少数ながら基亜種が越冬(冬鳥)や渡りの途中(旅鳥)のため、主に本州の日本海側や九州に飛来する。

形態

全長14-16.5 cm。体重16-25 g。上面は褐色の羽毛で覆われ、黒い縦縞が入る。中央部2枚の尾羽は赤褐色。外側の左右5枚ずつは黒褐色で、最も外側の左右2枚ずつは白い。

上嘴は暗褐色、下嘴の色彩は淡褐色。後肢の色彩は淡褐色。

オスは眼先や喉が黒い。

  • アオジ E. s. personata

下面が黄色い羽毛で覆われ、喉が黄色い。オスの成鳥は頭部は緑がかった暗灰色で覆われ、目と嘴の周りが黒い[2]。和名のアオは緑も含めた古い意味での青の意でオスの色彩に由来する[3]。青色の鳥類の和名にはオオルリルリビタキなどのように瑠璃色が用いられている[4]。漢字表記の「蒿」はヨモギの意。メスの成鳥は緑褐色の羽毛で覆われ、上面が緑褐色の羽毛で覆われる。色合いなどはノジコに似ており、素人では見分けが困難である。

各方向からのメス、喉が黄色い
  • シベリアアオジ E. s. spodocephala

下面が淡黄色の羽毛で覆われる。オスの成鳥は頭部と胸部が暗灰色の羽毛で覆われる。メスの成鳥は灰褐色の羽毛で覆われ、上面が灰色がかった緑褐色の羽毛で覆われる。

生態

開けた森林や林縁に生息する。非繁殖期には藪地などにも生息する。非繁殖期には群れを形成することもあるが、単独でいることが多い。用心深い性質で、草むらの中などに身を潜める[4]

植物の種子や昆虫類を食べる。地上で採食する。

繁殖形態は卵生。地表や低木の樹上に植物の茎や葉を組み合わせたお椀状の巣を作り、5-7月に1回に3-5個の卵を産む。抱卵期間は14-15日で、雌が抱卵し、雛は孵化してから12-13日で巣立つ[3]。雄は繁殖期に縄張りをもち、高木の上などの高所でさえずる[3]

亜種

亜種には以下の3つがある[5]

  • アオジE. s. personata Temminck, 1836
  • (亜種和名なし) E. s. sordida Blyth, 1845
  • シベリアアオジ E. s. spodocephala Pallas, 1776 

なお、亜種 E. s. sordida の亜種和名をカラアオジとする文献があり[6]、この亜種和名を使った例はインターネット上にも印刷物にも、しばしばみられる。しかし、カラアオジという亜種和名はもともと E. s. extremi-orientis に対してつけられた和名であるので[7][8]E. s. sordida の和名をカラアオジとするのは混乱のもとであり、好ましくないだろう。亜種 E. s. extremi-orientis については、現在ではこれを基亜種 E. s. spodocephala の後行シノニムとみなして亜種として認めない説が一般的である。

近縁種

種の保全状況評価

国際自然保護連合(IUCN)により、軽度懸念(LC)の指定を受けている[1]

アオジE. s. personataは、日本の以下の都道府県レッドリストの指定を受けている[9]

脚注

参考文献

  • 安部直哉 『山溪名前図鑑 野鳥の名前』、山と溪谷社2008年、12頁。
  • 五百沢日丸 『日本の鳥550 山野の鳥 増補改訂版』、文一総合出版2004年、291頁。
  • 茂田良光「形態と識別30 アオジ」『Birder』第9巻第6号、文一総合出版、46-52頁。 
  • 高野伸二編 『山溪カラー名鑑 日本の野鳥 特装版』、山と溪谷社、1985年、508-509頁。
  • 高野伸二 『フィールドガイド 日本の野鳥 増補改訂版』、日本野鳥の会2007年、272-273頁。
  • 中村登流監修 『原色ワイド図鑑4 鳥』、学習研究社1984年、33、38、124、212頁。
  • 日本鳥学会 編『改訂日本鳥類目録』日本鳥学会、1932年。 
  • 真木広造、大西敏一 『日本の野鳥590』、平凡社2000年、561頁。
  • 山階芳麿『日本の鳥類と其生態 I』梓書房、1934年。 
  • 『小学館の図鑑NEO 鳥』、小学館2002年、89頁。
  • 黒田長久監修 C.M.ペリンズ、A.L.A.ミドルトン編 『動物大百科9 鳥III』、平凡社1986年、160頁。
  • 高木清和『フィールドのための野鳥図鑑-野山の鳥』山と溪谷社、2000年8月。ISBN 4635063313 
  • 大橋弘一『庭で楽しむ野鳥の本』山と溪谷社、2007年11月1日。ISBN 978-4635596190 
  • 中川雄三(監修) 編『ひと目でわかる野鳥』成美堂出版、2010年1月。ISBN 978-4415305325 

関連項目

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