エドガー・ライス・バローズ
エドガー・ライス・バローズ(英語: Edgar Rice Burroughs, 1875年9月1日 - 1950年3月19日)はアメリカの小説家。「エドガー・ライス・バロウズ」(ハヤカワ文庫SF[1])、「E・R・バローズ」(創元推理文庫[2])の表記もある。頭文字で単にERBとも書かれる。 概略代表作はSF小説『火星のプリンセス』を始めとする火星シリーズと、ターザン・シリーズなどの冒険小説、ペルシダー・シリーズなどの秘境探検小説で、これらは「(バローズの)3大シリーズ」と呼ばれ、創作活動の初期から終期まで継続して書き継がれた(金星シリーズを含めた場合は4大シリーズ)。火星シリーズや金星シリーズは惑星冒険ものや剣と惑星もの、ペルシダーシリーズはロストワールドものにも該当し、それらの代表であるが、しかし最初の作品ではない。 作風としては、恋に彩られた冒険ものが多く、SF小説の多くがそれに当てはまる。ハードSFは「月からの侵略」(月シリーズの第2部)などごく少数に留まる。 生涯と著作
再評価、ロングセラー化
単行本リスト刊行年は単行本化のもの。アメリカ版の刊行年は、リチャード・A・ルポフ 『バルスーム』 厚木淳訳、東京創元社、1982年、261-265頁に拠った。 日本語版タイトルは、ターザン・シリーズは早川書房版、それ以外は東京創元社版を表記。両社から出ているものは、それぞれに明記した。 なお、原文は、プロジェクト・グーテンベルクで入手して読むことができる。 火星シリーズ→「火星シリーズ § 作品」も参照
金星シリーズ→詳細は「金星シリーズ」を参照
『金星の魔法使』は4作を収録した短編集で、金星シリーズは表題作のみ。創元版はカナベラルプレス版を底本としており、他3篇は「5万年前の男」「さいはての星のかなたへ」「タンゴール再登場」。エースブックス版"Wizard on Venus"は、「金星の魔法使」と'Pirates Blood'(未訳)の2作を収録している。 ムーン・シリーズ(月シリーズ)→詳細は「月シリーズ」を参照
The Moon MenはThe Moon Men、The Red Hawkの2編の合本であり、ムーン・シリーズは全体で3部作の構成である。アメリカ(McClurg.)では、全1巻としてハードカバー版が刊行されているが、第2部と第3部は約1/5が削除されている。エース・ブックスのペーパーブック版は、雑誌掲載版を収録した完全版である。 ターザン・シリーズ→「ターザン・シリーズ § ハヤカワ文庫版」も参照
地底世界(ペルシダー)シリーズ→「ペルシダー・シリーズ § シリーズ構成」も参照
最終巻は連作中篇である。第4部は早川が版権を独占所有しているため、創元版はダイジェストとなっている。 太古世界(キャスパック)シリーズ3部作。東京創元社(とアメリカ版ハードカバー(McClurg.))は全1巻、早川書房(とアメリカのエース・ブックス版ペーパーバック)からは全3巻として刊行されている。
その他の既訳項目(リンク先)のあるものは、そちらを参照。 マッカー・シリーズアメリカ版(McClurg.)は全1巻。
→詳細は「バローズのシリーズ外作品 § マッカー・シリーズ」を参照
アパッチ・シリーズ
→詳細は「バローズのシリーズ外作品 § アパッチ・シリーズ」を参照
シリーズ以外
未訳→詳細は「バローズのシリーズ外作品 § 日本語未訳作品」を参照
出典のあるもののみ、邦題を記載する。
バローズの作風ポリシー
これにより、冒険ものやSF小説が多く、恋愛小説や現代小説などは少ない[33] 。 貴族願望バローズのヒーローとヒロインは、どちらか(もしくは両方)が王族や貴族の家系[34]、あるいは名誉ある家系[35]である事が多い。これは、「アメリカ人の、王侯貴族への憧れ」といわれている[36][37][38][39]。 独学、自己流創作については独学で小説を書き始めた、と伝えられる[40]。ただし、バローズは作家として活動する前、シカゴ公共図書館へ通い、様々な書籍に目を通した[41]。また、書き上げるスピードが早かった、といわれる[42]。 作風としては、複数の登場人物(のグループ)が登場し、それぞれの個別の行動を交互に追いながら、彼らがひとつの目標に合流する、という点が特徴。目新しい手法ではないが、バローズの作風には合っていた[42]。また、ヒーローは紳士的で屈強な戦士だが想像力に欠け、ヒロインは美しく貞淑で受動的であり、多くのキャラクターは紋切り型である。 ターザン・シリーズを10冊以上翻訳した高橋豊は、次の点を指摘している。
長期シリーズものバローズの作品の内、初期から最終期まで書き続けていたのは火星シリーズ、ターザン・シリーズ、ペルシダー・シリーズの3シリーズである。これらのシリーズには、共通点がある(特に火星とペルシダー)。
先人とバローズ→「火星シリーズ § 参考作品について」、および「ターザン・シリーズ § 参考作品」も参照
バローズの初期作品には、先人の作品を参考にした作品がある。
クロスオーバーバローズの作品は、他の作品と関係を持っている場合がある。
なお、構想の段階では、火星シリーズの第4巻に、ターザンが登場する予定があった[67]。
映像化作品説明のないものは映画作品。また、アメリカ作品については明記せず。なお、ターザン・シリーズは膨大になるので、ターザン#ターザン映画・TVの一覧を参照。
脚注
外部リンク |