エムグラントフードサービス
株式会社エムグラント・フードサービス (英語: M'GRANT FOOD SERVICE Co.,Ltd.) は、かつて存在した外食事業とレストラン運営コンサルティング事業を行う企業。「ステーキハンバーグ&サラダバー けん」などを運営していた。創業者は井戸実。 概要井戸実が株式会社まいど在籍中の2005年11月、経営破綻したチコマートより「ステーキ&ハンバーグ いわたき」と「しゃぶしゃぶ&焼肉バイキング トップラン」の経営権を得て、経営不振に陥ったレストランの再生を目的に、飲食事業とコンサルティング事業を開始したのが始まりである。 翌2006年、同社の主力業態「ステーキハンバーグ&サラダバー けん」の事業展開に伴い、株式会社まいどから同事業を分離してエムグラント・フードサービスを設立。同年に1号店として南柏店を開業した[5](千葉県流山市前ケ崎、最寄り駅は南柏駅[6]。 主に郊外のファミリーレストランなどが撤退した後の居抜き物件を中心に出店を続けていた新興外食産業企業で、同社前社長の井戸は「ロードサイドのハイエナ」を自称していた[5][7][8]。また井戸は自身のブログやTwitterなどで過激な発言を繰り返したびたび「炎上」していた[5][8]。外食チェーン店は外装や看板、インテリアなどを統一するのが一般的であるが、「ステーキハンバーグ&サラダバー けん」ではコストダウンのため、居抜き出店した旧店舗の内外装や備品などをそのまま使用していたため、店舗ごとにインテリアや看板の大きさが異なっていた。加古川市別府町のアリオ加古川の隣の敷地にもあった(もとはバーミヤン)。 店舗運営費のコストダウンや、また将来的に社会保険が適用される労働者の範囲が拡大されることを見越した上で、当該拡大対象から除外されることを狙い、店長への業務委託契約によるオーナー店長化を推進していた。井戸は、他社の業務委託契約の店長が過労死した事件について「自己管理の悪さが原因」として店長を批判している。また井戸は、週40時間以上の水準で時間外労働扱いとなることを否定的に挙げ、労働基準法などの労働規制について、業務や労働が多様化している現状に合致していないと批判していた[9]。 2010年には100店舗を突破[5]。2012年のピーク時には直営店・FC店を合わせた店舗数(他業態を含む)は260店舗を超える規模にまで成長し、2012年3月期は約225億9600万円の売り上げを計上した[5]。 しかし、それ以降はすかいらーくのステーキガスト(2010年より)、ロイヤルホストのカウボーイ家族(2012年より)、ペッパーフードサービスのいきなり!ステーキ(2013年より)など大手レストランチェーンのステーキハウス業態拡大による競争激化、有力フランチャイジーだったハークスレイの離脱[10]といった要素が重なり、店舗網は減少傾向にあった。さらに2017年には、社員独立制度で独立した元社員が経営するフランチャイジーが連続倒産して店舗数は激減[5]。翌2018年3月期の売上は最盛期の約10分の1となる約24億3,000万円にまで減少した。 事業環境の悪化に伴い、2019年7月には「ステーキハンバーグ&サラダバー けん」事業と「ふらんす亭」の運営をジー・テイスト(現:焼肉坂井ホールディングス)へ譲渡[8][11]。その後は「ステーキ&ハンバーグ いわたき」の運営とフランチャイズ斡旋業を主力事業としていたが、2020年1月10日に株式会社エムグラント・フードサービスから株式会社MFSへ商号変更。2020年2月28日をもって事業停止[12]。2020年3月16日に東京地方裁判所から破産手続開始決定を受けた[2]。2021年3月4日に法人格が消滅した[13]。 沿革
業態
関連会社
かつて存在したフランチャイジー
不祥事O157による食中毒2011年10月23から24日にかけて、神奈川県相模原市南区のステーキ店「けん」鵜野森店[16]で食事をした客3人から腸管出血性大腸菌O157を検出。11月8日、市保健所は同日から3日間の営業停止とした[17]。 脚注
関連項目外部リンク
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