ガウス(gauss, 記号: G)は、CGS電磁単位系・ガウス単位系における磁束密度の単位である。その名前は、ドイツの物理学者・数学者・天文学者であるカール・フリードリヒ・ガウスにちなむ。
1ガウスは、磁束の方向に垂直な面の1平方センチメートル (cm2) につき1マクスウェル(Mx)の磁束密度と定義されている。すなわち、ガウスはマクスウェル毎平方センチメートル (Mx/cm2) と表すことができる。
ガウスの定義において、平方センチメートルを平方メートル (m2, 1 m2 = 104 cm2) に、マクスウェルをウェーバ (Wb, 1 Wb = 108 Mx) に置き換えると、SIの磁束密度の単位であるテスラ (T) になる。すなわち 1 T = 104 G, 1 G = 10−4 T となる。例えば1300ガウスは0.13テスラ(または130ミリテスラ)となる。
当初「ガウス」という言葉は磁場の強さの単位として用いられていた。1932年に、ガウスは現在の定義とされ、それまでのガウスはエルステッドに変更された。この変更は、磁気誘導と磁場の強さとを区別するために導入されたものである。なお、電磁単位系とガウス単位系では透磁率が無次元量なので、磁場と磁束密度は次元が同じであり、単位の区別は約束事にすぎない。
一般にはガウスは「磁石の強さ」を表す単位として広く知られていた。SIにおいてはガウスは非推奨の単位となっており、SI組立単位であるテスラの使用が推奨されている。日本においては、SIへの移行を目的として1993年に施行された新計量法において、磁束密度の単位にはテスラを使用することが定められた。それまで使われていたガウスは、約4年の移行期間を経て1997年10月1日以降、商取引等での使用が禁止されている。