座標 : 北緯48度39分29秒 西経65度45分10秒 / 北緯48.65806度 西経65.75278度 / 48.65806; -65.75278
ガスペ半島の衛星写真(NASA提供)。南東にシャルール湾 が切れ込んでいる。北東の隅に見えるのはアンティコスティ島
フォリヨン国立公園、フォリヨン半島北部のボナミ岬 Cap Bon-Ami
ガスペ半島 (ガスペはんとう、Gaspé Peninsula 。Gaspesia、Gaspéなどとも表記。フランス語 :la Gaspésie)は北アメリカ大陸 の北部、セント・ローレンス川 河口 の南岸に位置する半島 。カナダ のケベック州 に属する。セント・ローレンス湾 沿いに南西から北東に向かって伸び、南のシャルール湾 (Baie des Chaleurs )とレスティグーシュ川(Restigouche River )で隣接するニューブランズウィック州 から分けられている。
行政面では、ガスペ半島はマドレーヌ諸島 とともにケベック州のガスペジー・マドレーヌ諸島地域 を形成している。半島にある主な町はガスペ である。1534年 に探検家ジャック・カルティエ がガスペ半島の東端に到達し、この町からフランス のカナダ植民地化(ヌーベルフランス の領有と拡大)が始まった。住民の大多数は、フランス語を第一言語とするケベック人 である。
半島は丘陵や山が多く、アパラチア山系 の北東の延長線上に当たる。インターナショナル・アパラチアン・トレイル (International Appalachian Trail )がこの半島を縦断している。カナダ国道132号が半島を周回し、支線の一本は海岸沿いに走り、もう一本はサント・フラヴィー(Sainte-Flavie)で半島を横切っている。アパラチア山系の果ての地であるフォリヨン国立公園 (Forillon National Park )は半島の北東端にあり、深い森、砂丘、海に面した断崖絶壁などが広がっている。半島にはタイセイヨウサケ が遡上する大小様々な渓流が無数にあり、北米のタイセイヨウサケ釣りのメッカとなっている。
半島の東端のセント・ローレンス湾に突き出た部分はカプ・ガスペ(Cap Gaspé ガスペ岬)と呼ばれる。ガスペの名の由来は、先住民ミクマク 族の言葉で「地の果て」を意味する「ゲスペグ」(gespeg)である。
希少な炭酸ニッケル の鉱物菱ニッケル鉱 (英語版 ) (Gaspéite)は当地で発見され、命名された。
内陸部
国道198号が半島北部の海岸から内陸を貫いている。道はガスペ半島の森林地帯へと上り、多くの川を横切って標高660mに達し、マードックヴィル(Murdochville )に到着する。
マードックヴィルはかつての銅 鉱山 町で労働運動が激しかったが1999年 に閉山し、現在は風力発電 などでの生き残りを図っている。多くの山に発電用風車群が建ち、世界有数の発電量を誇っている。
マードックヴィルからは、198号線はヨーク川に沿って下り、半島東端のガスペの町に出る。
南岸部
ミグアシャ国立公園
半島先端に浮かぶ巨大なペルセ岩
レスティグーシュ (Restigouche )とゲスガペジアグ (w:Gesgapegiag )の町には、ミクマク族の大きな保留地と居住地がある。
ガスペ半島の南岸部には、かつては英語 を話すイギリス系の人々の町が栄えていたが、その生き残りの小さな町がシャルール湾沿いにある。特にニュー・リッチモンド (New Richmond )とニュー・カーライル (New Carlisle )には活発な英語話者共同体がある。独立したアメリカ合衆国 から逃れて英領北アメリカに移住した王党派(ロイヤリスト )の入植地を偲ぶため、ニュー・リッチモンドのウィレット・ポイントには王党派をテーマにした村落「ル・ヴィラージュ・ロワヤリスト」(le village loyaliste )が再現されている。
カールトン・シュル・メール (Carleton-sur-Mer )の近くにはデボン紀 の貴重な化石群で有名なミグアシャ国立公園 があり、世界遺産 に登録されている。
外部リンク