シャンプランは直ぐにイロコイ族と交戦状態にあった地域のアルゴンキン語族やモンタネー族と同盟を結んだ。1609年、シャンプランは2人のフランス人同僚とアルゴンキン語族、モンタネー族およびヒューロン族の同盟インディアンと共にセントローレンス川渓谷から南のシャンプレーン湖まで遠征し、そこでイロコイ族との戦闘に参加し、火縄銃の最初の銃撃でイロコイ族の酋長2人を倒した。このイロコイ族との戦闘に参加したことで、シャンプランのヒューロン族やアルゴンキン語族との同盟を確固たるものにし、その繋がりはヌーベルフランスで毛皮交易を続けていくために重要な役割を果たした。しかしこの世紀のかなりの期間、イロコイ族とフランス人は攻撃と報復を繰り返すことになった[8]。シャンプランはまた若いフランス人を先住民と共に住まわせて、先住民の言語と慣習を学ばせ、北アメリカでフランス人が適応できるように仕向けた。これらの者達(例えばエティエンヌ・ブリューレ)は森の番人(coureurs des bois)と呼ばれ、そこより南や西、五大湖地方やそこに住むヒューロン族の中にフランスの影響力を拡げた。
ヌーベルフランスの交通は幾つかの道路や運河を除いてほとんど整備されていない状況だった。運河があるとしても長さ3マイル (5 km) 程度であり、船は底が浅く単純なものだった。人々は特にセントローレンス川を主要な通路にし、カヌーを使った。冬には湖が凍ったので、貧しい者も富める者も犬や馬に曳かせた橇を使った。陸上の搬送システムは1830年代まで発展しなかった。その後川沿いに道路が造られた。リドー運河が造られたのは1840年になってからだった。
1665年から1666年にかけての冬に、監督官ジャン・タロンの指揮下でヌーヴェル・フランスの国勢調査が行われた。調査によれば人口は3,215人と、わずか数十年前にくらべて大きく増大したが、男女比は男性2,034人に対し女性1,181人と大きな開きがあった。これはヌーヴェル・フランスにやってきた探検家、兵士、毛皮商、開拓者の多くが男性であったためである。ルイ14世は、ヌーヴェル・フランスを強化することでフランス植民地帝国の中心とするため、15歳から30歳までの独身女性700人以上を送り込むことを決定し(この女性たちは王の娘 les filles du roi と呼ばれる)、また同時に、先住民との結婚が奨励されるとともに、年季奉公者(engages アンガジェ)がヌーヴェル・フランスに送られた。そのような「アンガジェ」の一人に、後のカナダ首相ピエール・エリオット・トルドーおよびその息子でやはりカナダ首相となったジュスタン・トルドーの先祖であるエティエンヌ・トルドーがいる。
ユトレヒト条約の後、ヌーベルフランスは繁栄を始めた。タロンの下では失敗していた漁業や農業のような産業が順調に成長し始めた。交易を円滑にするためにモントリオールとケベックの間に「国王の道路」(Chemin du Roy)が建設された。造船業も発展し、新しい港が築かれ、古い港は改良された。植民地人の数も大きく増加し、1720年には人口24,594人となってカナダは自給自足ができる植民地になった。教会は当初より力を落としてはいたが、教育や社会福祉は支配していた。この和平の時代はフランス系カナダ人がヌーベルフランスの「黄金時代」と呼ぶことが多い。
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