チェンナイ (タミル語 : சென்னை , タミル語発音: [t͡ɕenːaɪ̯] 、英語 : Chennai )は、南インド の東側コロマンデル海岸 沿いの、ベンガル湾 に面するタミル・ナードゥ州 の州都。
概要
インド 有数の世界都市 であり、人口は700万人。2018年 の都市圏人口 は約1330万人であり、同国第4位である。
1996年 にマドラス (Madras )から正式に改名された。和名の麻打拉薩、孟打拉沙、馬搭喇はいずれもマドラスから来ている[ 1] 。
「南インドの玄関口」「南アジアのデトロイト 」「インドの健康首都」「インド銀行業の首都」の異名を持つ。
自動車産業 、情報技術 産業、ビジネス・プロセス・アウトソーシング 業が盛んである。
地名の由来
この地はもともと「チェンナイ」とは呼ばれておらず、その名は16世紀 のある英雄の名前に由来する。
1565年 以降、ヴィジャヤナガル王国がターリコータの戦い でムスリム5王国 に大敗したのち、隣接するビジャープル王国 、ゴールコンダ王国 の侵入が頻発していた。
チェンナイ近くシュリーカーラハスティ の領主ダーマルラ・チェンナッパ・ナーヤカ (英語版 ) は衰退するヴィジャヤナガル王国のために、ビジャープル王国とゴールコンタ王国の侵入軍と日々戦っていた。
そんな中、1580年 、ゴールコンダ王イブラーヒーム・クリー・クトゥブ・シャー が大軍をヴィジャヤナガル王国に派遣してきた。
ダーマルラ・チェンナッパ・ナーヤカはこの一大侵攻を食い止めるため、ゴールコンダの大軍と奮戦し、自らの命と引き換えに撃退して王国を守ったのだった。
後を継いだ息子のダーマルラ・ヴェンカタ・ナーヤカ は王国の忠臣だった父の死を悼んで、父の名の一部「チェンナッパ」をとって、この地を「チェンナッパッタナム (Chennapattanam)」と名付けたのだった。それがこの都市の名の由来で、のちに「チェンナイ 」とよばれるようになるのである。
歴史
マイラーップル (英語版 ) にあるカパーリーシュヴァラル寺院 (英語版 ) は、パッラヴァ朝 の王により7世紀に建立された。
古代
チェンナイ周辺は、1世紀 頃から都市として存在し、パッラヴァ朝 、チョーラ朝 、パーンディヤ朝 、ヴィジャヤナガル王国 などの諸王朝に治められていた。
特にマイラポール(マイラーップル (英語版 ) )周辺は、パッラヴァ朝の主要な港として重要な位置にあった。
中世
1522年 ポルトガル がこの地の近くに要塞を建設し、この地に到って活動し死去したと伝説されるキリスト教 のイエス の使徒 の一人聖トマス に因んで、サン・トメ要塞と名付けた。
この伝承からコロマンデル地方は歴史的にはサントメとも称した[ 注 1] 。
近世
18世紀 のセント・ジョージ要塞
1639年 8月22日 、イギリス東インド会社 がダーマルラ・ヴェンカタ・ナーヤカからその中間の土地を取得し、1640年 にセント・ジョージ要塞 を建設し、チェンナイから「マドラス 」と改名した。そして、この要塞を中心に、徐々に市街地が広がっていくことになった。
1746年 、モーリシャス の総督 であったフランス の将軍ラ・ブルドネ (英語版 ) が侵攻し、セント・ジョージ要塞とマドラス市街および周辺村落を占領したが、1748年 オーストリア継承戦争 の結果結ばれたアーヘン和約 に基づき、1749年 イギリス はマドラスの支配を回復した。
この経験によってイギリスは、セント・ジョージ要塞の規模を拡張し、更なるフランスの侵攻およびマイソール王国 支配者ハイダル・アリー の侵攻に備えた。
この要塞を拠点として、18世紀 末までにイギリスは現在のタミル・ナードゥ州 、アーンドラ・プラデーシュ州 、カルナータカ州 にあたる地域に勢力を拡大し、マドラス管区 を設置してマドラスをその首府とした。
近代
イギリス支配の下でマドラスは、マドラス管区の中枢として、また海軍基地として発展した。19世紀 後半の鉄道 敷設に伴い、ボンベイ(現在のムンバイ )やカルカッタ(現在のコルカタ )などのインドの他の重要都市や内陸の諸地域と連結した。第一次世界大戦 中には、石油貯蔵庫がドイツの軽巡洋艦エムデン によって砲撃され、中央同盟国 によって攻撃されたインドにおける唯一の都市となった。
現代
1947年 の独立後、マドラスはマドラス州 (英語版 ) の州都となり、1965年 から1967年 には、インド全土のヒンディー語 公用語化に反対する拠点となる。1968年 にマドラス州はタミル・ナードゥ州 となり、マドラスはその州都としてとどまる。
スリランカ内戦 に伴い、マドラスでは時折政治的な暴力事件が発生する。1984年 にタミル・イーラム解放のトラ によって空港に仕掛けられた爆弾により33人が殺害された事件を始め、1991年 にはイーラム革命的解放人民戦線 のメンバー13人と民間人2人が殺害されるなどの事件が発生している。これに対し当局は断固とした処置を行い、以降マドラスでは目立ったテロリストの活動は見受けられない。
1996年 8月、都市名のマドラスは、植民地 支配に由来する名前であるとして、英雄の名に由来するかつての「チェンナイ 」の名に改められた。
2004年 にはインド洋大津波 の被害に見舞われ、多数が死傷、海岸線も変化した。2015年 12月 には大洪水が発生し、269名の犠牲者を出した。また翌2016年 の12月にはサイクロン・バーダー (英語版 ) が非常に強い勢力を保ったまま直撃し、甚大な被害をもたらした。
地理
チェンナイの衛星画像。平らな海岸平野に位置している。
位置
チェンナイはしばしば「南インドの玄関口」と称されるように[ 3] [ 4] 、タミル・ナードゥ州 北東部のインド南東海岸沿いの平らな海岸平野に位置している。
平均海抜は約6.7 mで[ 5] 、もっとも高い地点でも60 mほどである[ 6] 。
地形
2本の主要な河川が蛇行しながら都市を通過しており、そのうちクーヴァミャール川(クーアム川) (英語版 、タミル語版 ) は都市の中央を、アダイヤール川(アッドヤー川) (英語版 ) は南を流れる。
クーヴァミャール川は南インドでも有数の汚染が酷い河川であり、周辺住民の健康への影響が懸念されている。
3本目の河川、コーチャスタライヤール川 (英語版 、タミル語版 ) は都市の北縁を流れエンノールにてベンガル湾 へと注ぎ込む。この河口も、地域の工場から出される廃水により深刻な汚染に晒されている[ 7] 。
アダイヤール川が形成する三角江 は、鳥類や動物の生息地となっている[ 8] 。
内陸4 kmに位置するバッキンガム運河 (英語版 ) は海岸線と平行に作られており、2本の河川を結んでいる。
その他、都市の西縁には大小さまざまな湖が存在している。都市のいくつかの領域では、地下水に過剰な鉄分が含まれることが問題となっている[ 9] 。
気候
チェンナイはケッペンの気候区分 でサバナ気候 に属す。チェンナイは熱赤道 上に位置しており[ 10] [ 11] 、また沿岸部に位置することから、季節による極端な気温の変化は抑えられている。気候は年間を通じて暑く、湿度も高い。最も暑いのは5月の終わりから6月の頭にかけてで、この時期の最高気温は約35–40°Cに達する。最も涼しいのは1月で、最低気温は約15–22°Cとなる。過去記録された最低気温は13.8°Cで、最高気温は45°Cである。[ 12] 年間の平均降水量は約1,400 mm。[ 13] 都市の降水の大半は10月中旬から12月中旬にかけての北東モンスーン の時期にもたらされる。またベンガル湾 のサイクロン もたびたび都市を襲う。記録されている中で最も降水量が多かったのは、2005年 の2,570 mmである。[ 14]
チェンナイ(1901年–2000年)の気候
月
1月
2月
3月
4月
5月
6月
7月
8月
9月
10月
11月
12月
年
最高気温記録 °C (°F )
33 (91)
37 (99)
39 (102)
43 (109)
46 (115)
45 (113)
41 (106)
40 (104)
39 (102)
39 (102)
34 (93)
33 (91)
45 (113)
平均最高気温 °C (°F )
28.8 (83.8)
30.5 (86.9)
32.6 (90.7)
34.7 (94.5)
37.4 (99.3)
37.3 (99.1)
35.3 (95.5)
34.5 (94.1)
33.9 (93)
31.8 (89.2)
29.4 (84.9)
28.4 (83.1)
32.88 (91.18)
平均最低気温 °C (°F )
20.4 (68.7)
21.1 (70)
23.0 (73.4)
25.8 (78.4)
27.6 (81.7)
27.4 (81.3)
26.1 (79)
25.5 (77.9)
25.2 (77.4)
24.2 (75.6)
22.6 (72.7)
21.2 (70.2)
24.17 (75.53)
最低気温記録 °C (°F )
14 (57)
15 (59)
17 (63)
20 (68)
21 (70)
21 (70)
22 (72)
21 (70)
21 (70)
17 (63)
15 (59)
14 (57)
14 (57)
降水量 mm (inch)
22.5 (0.886)
2.2 (0.087)
4.0 (0.157)
7.7 (0.303)
43.9 (1.728)
55.9 (2.201)
100.3 (3.949)
140.4 (5.528)
137.3 (5.406)
278.8 (10.976)
407.4 (16.039)
191.1 (7.524)
1,391.5 (54.783)
平均降水日数
1.3
0.4
0.3
0.6
1.4
4.0
6.9
8.5
7.1
10.6
11.7
6.3
59.1
出典1:世界気象機関 [ 15]
出典2:Indian Meteorological Department (rainy days 1971–2000)[ 16]
地域
チェンナイ大都市圏
チェンナイの都市圏は、チェンナイ県 と、隣接するカーンチプラム県 およびティルヴァッルール県 の一部に広がっている。
郊外の比較的大きい市街は町庁が、小さい市街はパンチャーヤト と呼ばれる町会議が設置されている。
タミル・ナードゥ州 の州都であるチェンナイには、州政府の行政府と立法府が設置されており、セント・ジョージ要塞 の一部である官邸などに入っている。タミル・ナードゥ州 とパーンディッチェーリ連合区 とを管轄するマドラス高等裁判所 (英語版 ) もチェンナイに設置されている。
警察任務は、チェンナイ県内は大チェンナイ警察 (英語版 ) 、その外は各県の警察が担当している。
チェンナイ県
チェンナイの中心部は、チェンナイ県下にある。しかしチェンナイ県は他の県と異なり、「都市県」という扱いで、特殊な機構を保持している。
チェンナイ県では、タミル・ナードゥ州警察 (英語版 ) の下部機関である大チェンナイ警察 (英語版 ) が警察任務に当たっている。警察本部長が指揮する。36の方面本部を有しており、121の警察署が設置されている。このうち15の警察署がISO 9001 :2000の認証を受けている。チェンナイ市内の交通に関しては、チェンナイ市交通警察が担当している。
チェンナイ市
チェンナイ市は、インド のタミル・ナードゥ州 の政令指定都市の一つ。
市長を頂点とした行政機構と、小選挙区制で選出された155名の議員が構成する市議会が設置されている。市議会議員の中から一名、議員の投票により副市長が選出され、市長とともに10の常任委員会を主宰する。チェンナイの市制は1688年 に施行された。
チェンナイ市は、チェンナイ北部、チェンナイ中部、チェンナイ南部という、インド連邦議会下院の3つの選挙区を有している。現在、チェンナイ北部からはC・クップサーミ 、チェンナイ中部からはダヤーニディ・マーラン 、チェンナイ南部からはT・R・バール が選出されている。また、チェンナイ市はタミル・ナードゥ州議会の18の選挙区を有している。
人口
人口動態
2011年 時点の人口は4,681,087人、人口密度は26,903人/km2 で、都市圏 全体での人口は8,696,010人[ 17] 。2001年 から2011年の人口増加率は7.77%であった[ 18] 。2001年当時でも人口密度が24,682人/km2 、都市圏で5,922人/km2 あるように、チェンナイは世界でも有数の人口密度が高い都市である[ 19] 。2013年 現在、チェンナイ都市圏はインドで4番目に大きな都市圏であり、世界全体でも31番目の規模に位置している[ 20] 。男女比は男性1,000人に対して女性が951人で[ 21] 、全国平均の944人より女性の比率が高い[ 22] 。識字率 は2001年が85.33%、2011年には90.33%まで向上しており[ 23] 、この数字も全国平均の79.5%よりも高い。しかしながら、インドの大都市の中で4番目に多いスラム 人口も抱えており、その数は820,000人に上る(都市人口の18.6%)[ 24] 。2011年のセンサス では、チェンナイ県には110万世帯 が居住しており、そのうち51%が賃貸住宅で生活している[ 25] 。
チェンナイの主要民族はタミル人 であり、最も話されている言語はタミル語 である。しかし英語もホワイトカラー 労働者を中心に広く用いられており[ 26] 、しばしばタミル語と混ざって用いられる[ 27] 。タミル人以外の民族としてはテルグ人 (英語版 ) が最も多い[ 28] 。2001年の調査では、人口のうち2,937,000人(人口の33.8%)が外部からの転入者で、そのうち61.5%は州内の別の地域からの、33.8%は国内のそれ以外の地域からの、3.7%は国外からの移住者であった[ 19] 。
チェンナイには、ムンバイ やデリー 、コルカタ といったインドの他の大都市と同様、さまざまな民族・宗教コミュニティが存在している[ 29] 。こうしたマイノリティとしては、マールワーリー人 (英語版 ) 、パールシー [ 30] [ 31] 、シンド人 [ 32] [ 33] 、オリヤー人 (英語版 ) [ 34] 、ゴア人 (英語版 ) [ 35] 、カンナダ人 (英語版 ) [ 36] 、アングロインディアン (英語版 ) [ 37] 、ベンガル人 [ 38] 、パンジャーブ人 [ 39] 、それにマラヤーリ がある。宗教についても、2001年のセンサスによればヒンドゥー教 が81.3%を占めつつも、イスラム教 が9.4%、キリスト教 が7.6%、それにジャイナ教 が1.1%が存在している[ 40] 。
政治
行政
チェンナイ市庁は1913年 に竣工した Ripon Building に入っている。
チェンナイはタミル・ナードゥ州 の政令指定都市に指定されており、自治体としてチェンナイ市が設置されている。
市長を頂点とした行政機構と、小選挙区制の直接選挙で選出された155名の議員が構成する市議会を有している。
市議会議員の中から一名、議員の投票により副市長が選出され、市長とともに10の常任委員会を主宰する。チェンナイの市制は1688年 に施行された。
対外関係
姉妹都市
経済
アジア有数のITパーク であるTIDEL Park (英語版 )
第二次産業
工業
チェンナイの工業化 は、その歴史を16世紀 の織物 工場にまで遡ることが出来る。
現代のチェンナイはインド でも有数の世界都市 である。
フォーブス誌 においては世界で最も成長が早い都市トップ10 (Forbes-Top 10 Fastest Growing Cities in the World) にインドの都市として唯一選出されており[ 41] 、フォーチュン誌 が選出するインドの上位500企業もムンバイ 、デリー 、コルカタ に次いで多く所在している。チェンナイを本拠とする24のインド企業の資産は10億USドル を超える。
2012年 時点で、チェンナイには15のゾーンに34,260の企業が存在しており、そのうち5,196社は500万ルピー を超える払込資本金を持つ。[ 42] チェンナイには自動車製造やソフトウェアサービス、ハードウェア製造、ヘルスケア、金融サービスといった業種を中心とする様々な産業が根付いている[ 43] 。
インド工業連盟 (英語版 ) では2008年 、チェンナイの経済は2025年 に現在の2.5倍の1,000億ドル規模にまで成長するとの見積りを行っている[ 44] 。
他市に劣らずチェンナイ市は外資の誘致に積極的である。市の郊外には産業振興地域をつくり、日産自動車 、フォード 、ヒュンダイ といった自動車メーカーとその関連企業が進出している。
インド最大のタイヤメーカーであるMRFタイヤ の本社も同地に所在する。また、IT 関連企業の進出もさかんで、最近はノキア が新工場を建設している。
交通
「南インドの玄関口」として知られるチェンナイは、国内交通のみならず国際交通の重要な集結点である。
チェンナイ都市圏の道路および鉄道路線図。
空路
空港
チェンナイの南西部郊外に建設されたチェンナイ国際空港 は、国内線の重要拠点であるのみならず、国外から南インド各地へ向かう人々のインドへの入り口となる空港である。30以上の航空会社の航空便により、南アジア、東南アジア 、中東 、欧州 、北アメリカ の各地のハブ空港と繋がっている。日本からは全日本空輸 が成田国際空港 から直行便を運航している[ 45] 。貨物便の発着便数は、国内第2位の規模である。
鉄道
チェンナイ中央駅 。1873年 に建設され、1900年 に改築された。ターミナルであったローヤプラム駅 (英語版 ) からその機能を1907年 に受け継いで以来、地域鉄道交通の中心となっている。
チェンナイのVelachery MRTS駅
チェンナイには2つの終着駅がある。一つはインド各地の都市と結ばれている地域最大の終着駅チェンナイ中央駅 、もう一つはタミル・ナードゥ州各地を結ぶ鉄道の終着駅であるチェンナイ・エグモア駅 (英語版 ) である。
鉄道路線
チェンナイの近郊列車は4路線ある。
チェンナイ中央駅 ----- アラッコーナム駅 路線
チェンナイ中央駅 ----- スーッルールペータ駅 路線
チェンナイ海岸駅 ----- チェンガルパットゥ駅 路線
チェンナイMRTS (英語版 ) (高速大量輸送システム: MRTS)
チェンナイ・メトロ (英語版 )
ブルーライン - チェンナイ国際空港からエグモア、旧市街を経て北部へ抜ける路線。
グリーンライン - リトル・マウント駅を始点とし、ブルーラインと接続し、市内西部を周りCMBT、セントラル駅を経てエグモアへ到達する路線。
MRTSは高架上の広軌鉄道で、一部は開通しているが建設が進行中であり、完成すれば他の3路線すべてと連絡する予定である。チェンナイ・メトロの建設も州政府によって推進されており、JICA の支援を受けている。2018年8月現在はグリーンラインは全線開通し、ブルーラインも部分開通だが市内中心部の一部と北部を残すのみとなっている。インドの他都市のメトロ同様、地下路線と地上路線が混在している。また、これらに加えて3線を建設する計画があり、それぞれマダバラム (英語版 ) とシルーズリー (英語版 ) 、CMBTとマリーナ・ビーチ (英語版 ) 、マダバラムとショリンガナルール (英語版 ) を結ぶ計画である。
バス
高速バス
チェンナイ・バスターミナル (Chennai Mofussil Bus Terminus: CMBT) は、数多くの都市間を結ぶ中・長距離バスの終着点となっており、南アジア最大のバスターミナルであると言われる。
現在、7つの交通公社が都市間バスを運営しており、その他にも多くの私営のバス会社が都市間・州間バスの終着点として利用している。以前はチェンナイの中心街パリース (Parrys) にあったが、近年西部郊外のコーヤンペードゥ (英語版 ) (கோயம்பேடு ; Koyambedu / Coimbedu) に移され、大幅に拡張された。
路線バス
都市圏内バスは大都市交通公社 (英語版 ) によって運営されている。
公社は2773台のバスで375路線の運送を行っており、一日当たり約420万人を運んでいる。郊外では公社の運営ではない小型乗合自動車が数多く運行している。
また、「ミニキャブ」(Mini Cabs) という愛称を持つ小型ミニバン の路線運行も都市圏内外で行われている。
タクシー
タクシーは、空港などの大規模施設からは料金固定制タクシー、その他ではメーター制のタクシーも走っているが、最も多いのはオートリキシャー であり、料金はほとんどの場合、交渉制である。
道路
高速道路
5つの幹線高速国道がコルカタ 、バンガルール 、ティルチラーッパッリ 、ティルヴァッルール 、パーンディッチェーリ へと放射状に広がっている。
航路
港湾
チェンナイはチェンナイ港 (英語版 ) を擁しており、また北隣のティルヴァッルール県 にあるエンノール港 (英語版 ) も、チェンナイの港として機能している。チェンナイ港は国内第二の規模であり、自動車や機械類などを総合的に扱っている。一方エンノール港は、石炭や鉱石などの積荷を扱っている、国内第12位の港である。
これとは別に、ローヤプラム (英語版 ) には、地域の漁民と漁船が利用する漁港がある。
教育
チェンナイには、タミル・ナードゥ州立の学校と私立の学校とがある。私立の学校では主に英語 で教育が行われており、州立の学校では州の公用語であるタミル語 で教育が行われるものもあるが、英語を用いているものが多い。私立学校は普通、国の機関である後期中等教育中央審議会 か、あるいは州の機関であるタミル・ナードゥ州後期中等教育審議会 に加入している。また、インド高等学校卒業認定審議会に加入しているものや、モンテッソーリ・システム を採用しているもの、国際バカロレア資格 を取得させるものもある。共通テストでは合格率がインド全土で最高である。
大学
主な大学には、以下のようなものがある。
マドラス大学
1857年 創立のマドラス大学 は、市内に3つのキャンパスを持ち、教養学、科学、商学などの幅広い教育を引き受けている総合大学である。市内のカレッジ の多くがマドラス大学の傘下に加盟している。以下のようなものがある。
また、マドラス大学の以下のカレッジは独自の組織として運営されている。
この他、タミル・ナードゥ州にある工科、理科、建築に関する大学は、おおかたアンナー大学に所属している。また、独立して運営されている大学が他に多数存在する。
1890年 に設置されたコンネマラ公共図書館 (英語版 ) は、インドの4つの国立保管センター (英語版 ) のうちのひとつであり、したがってインドで発行された新聞 と図書 をすべて保管している。ユネスコ の指定情報センターともなっている。
この他に主要な図書館として、セント・ジョージ要塞 にあるインド考古調査局 図書館や、ラーマクリシュナ僧院 図書館、クリシュナムールティ協会 図書館などがある。
文化・スポーツ
クリケット
チェンナイ・スーパーキングス の試合
クリケット はチェンナイで一番人気のあるスポーツである。最も象徴的な現代エンターテイメントとも言われ、ボリウッド 映画より人気が高いと評される[ 46] 。トゥエンティ20 形式のプロリーグであるインディアン・プレミアリーグ (IPL)所属のチェンナイ・スーパーキングス が所在している。IPLでは優勝回数が最多タイの5回で最も成功しているチームの一つである。2022年のフォーブス の発表によると、チェンナイ・スーパーキングスの資産価値は11億5000万ドルであり、北米4大プロスポーツリーグ のチームに劣らない規模がある[ 47] 。インドで最も尊敬されているクリケット選手の一人であるマヘンドラ・シン・ドーニ やイングランド代表 の主力選手であるベン・ストークス などが在籍している。
その他
主なスポーツイベント
チェンナイを本拠地とする主なスポーツチーム
出身関連著名人
脚注
注釈
^ チェンナイ南部のマイラポール産の綿製品に施されていた縞模様は桟留柄 と呼ばれている[ 2] 。
出典
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