キーゼルバッハ部位(キーゼルバッハぶい、Kiesselbach's area)とは、鼻中隔の前下端部の粘膜の部位で鼻血の好発部位である。静脈が集まっているところ[1]。鼻血はこの部分の血管が切れて出血することでよくおこる[2]。名称はドイツの耳鼻科医ヴィルヘルム・キーゼルバッハに由来する。ドイツ語読みではキーゼルバッハであるが、英語読みでキーセルバッハと読むこともある[2]。リトル部位(Little area)ともいう[2]。
概要
鼻中隔の前下端部の粘膜には前、後篩骨動静脈、蝶口蓋動静脈、大口蓋動静脈、上唇動静脈の枝が分布し、密な血管網を形成している[3]。そのため鼻血の好発部位となる。鼻血を止めるときは、キーゼルバッハ部位の解剖学的な位置を考慮し、出血側の鼻翼を鼻中隔の前下方に向かって押し付けると良い[2]。
脚注