‘グライムスゴールデン’ (英: ‘Grimes Golden’) は、アメリカ合衆国ウェストバージニア州で偶然見つかった実生に由来するリンゴ(セイヨウりんご)の古い栽培品種である。‘Golden Pippin’、‘Grimes’、‘Grimes Golden Pippin’ともよばれる[1]。果実は黄緑色から黄色、果肉は甘酸っぱく、スパイシーな風味がある。著名な品種である‘ゴールデンデリシャス’の親であると考えられている。
特徴
生育は旺盛、樹形は直立して広がる[1](下図2a)。晩生性、豊産性であるが収量が一定しない[1][2]。
果実は中型から大型、円形から長円形、やや円錐形[1][2][3](上図1, 2b)。果皮は熟すと黄緑色から黄金色になる[1][3](上図1, 2b)。サビが生じやすい[1](上図2b)。果肉は果汁に富み、柔らかく、糖分が多く(ときに18%)、独特の酸味とスパイシーな風味がある[1][2][3]。
生食されることもあるが、酸味が強いためアップルソースに適している[1]。また糖分含量が多いため、発酵させてアップルジャックの原料とされた[1]。
歴史
アメリカ合衆国ウェストバージニア州にあったThomas Grimes Sr.の農場において、偶発実生として発見・利用された[1]。この果実は1805年に取引された記録があり、その起源は18世紀にさかのぼる可能性がある[1]。記録としては、1857年に‘Grimes' Golden Pippin’の名で記されている[1]。20世紀初頭までは、アメリカ合衆国において比較的多く栽培されていたが、その後は減少した[2]。
派生品種
リンゴの著名な品種である‘ゴールデンデリシャス’は、おそらく‘グライムスゴールデン’に由来する[4][5][6]。また、‘グライムスゴールデン’を花粉親とした品種として‘Jonagrimes’(種子親は‘ジョナサン’)[7]や‘Jubilee’(種子親は‘マッキントッシュ’)[8]、‘Sinta’(種子親は‘ゴールデンデリシャス’)[3]、‘グライムスゴールデン’を種子親とした品種として‘Winter Gem’(花粉親は‘Cox's Orange Pippin’)[9]、‘Winter Gem’(花粉親は不明)[3]が知られている。
脚注
出典
外部リンク