リンゴは接ぎ木によって増やすため、同じ品種は遺伝的に同一なクローンであるが、まれに突然変異が起こって枝など木の一部が他と異なる性質を示すことがあり、「枝変わり」とよばれる。‘紅玉’の枝変わりに由来する品種として、‘Blackjon’(図3a)、‘Jonared’(図3b)、‘Kapai Red Jonathan’などがある[13]。
3a. ‘Blackjon’
1b. ‘Jonared’
交配
‘紅玉’を交配親とした品種は多数存在する。‘紅玉’を種子親としたものとして、‘あかね’(花粉親は‘ウースターペアメン’)、‘紅の夢’(花粉親は‘赤肉親系統1’)、‘はつあき’(花粉親は‘ゴールデンデリシャス’)、‘Septer’(花粉親は‘ゴールデンデリシャス’)[15]、‘福民’(花粉親は‘国光’)、‘アイダレッド’(花粉親は‘ワグナー’)、‘Chieftain’(花粉親は‘レッドデリシャス’)、‘Jonadel’(花粉親は‘レッドデリシャス’)、‘Jonalicious’(花粉親は‘レッドデリシャス’)、‘Melrose’(花粉親は‘レッドデリシャス’)[16]、‘Lucullus’(花粉親は‘コックスオレンジピピン’)、‘Mimi’(花粉親は‘コックスオレンジピピン’)、‘President Boudewijn’(花粉親は‘コックスオレンジピピン’)、‘Prins Bernhard’(花粉親は‘コックスオレンジピピン’)、‘Prinses Marijke’(花粉親は‘コックスオレンジピピン’)、‘Prinses Irene’(花粉親は‘コックスオレンジピピン’)、‘Prinses Margriet’(花粉親は‘コックスオレンジピピン’)、‘Monroe’(花粉親は‘Rome Beauty’)、‘King David’(花粉親は‘Winesap’または‘Arkansas Black’)、‘King Cole’(花粉親は‘Dutch Mignonne’)、‘Herma’(花粉親は不明)、‘Undine’(花粉親は不明)、‘紅玉’を花粉親としたものとして、‘つがる’(種子親は‘ゴールデンデリシャス’)、‘ジョナゴールド’(種子親は‘ゴールデンデリシャス’)、‘あかぎ’(種子親は‘ゴールデンデリシャス’)、‘紅月’(種子親は‘ゴールデンデリシャス’)、‘いわき’(種子親は‘恵’)、‘ひめかみ’(種子親は‘ふじ’)、‘恵’(種子親は‘国光’)、‘新光’(種子親は‘国光’)、‘Appel van Paris’(種子親は‘Brabant Bellefleur’)、‘Cacanska’(種子親は‘スターキングデリシャス’)、‘Directeur van de Plassche’(種子親は‘コックスオレンジピピン’)、‘Leonie de Sonnaville’(種子親は‘コックスオレンジピピン’)、‘Malling Kent’(種子親は‘コックスオレンジピピン’)[17]、‘Oranje de Sonnaville’(種子親は‘コックスオレンジピピン’)、‘Prinses Beatrix’(種子親は‘コックスオレンジピピン’)、‘Goldjon’(種子親は‘ゴールデンデリシャス’)、‘Holiday’(種子親は‘Macoun’)、‘Idajon’(種子親は‘Wagener’)、‘Jonagored Supra’(種子親は‘ゴールデンデリシャス’)、‘Jonamac’(種子親は‘マッキントッシュ’)、‘Mariborka’(種子親は‘Golden Pearmain’)、‘Minjon’(種子親は‘Wealthy’)、‘Red Granny Smith’(種子親は‘グラニースミス’)などがある[13][18]。