サッポロビール博物館
サッポロビール博物館(サッポロビールはくぶつかん)は、北海道札幌市東区にある企業博物館。サッポロガーデンパークにあり、日本国内で唯一となるビールに関する博物館になっている。 歴史1869年(明治2年)に開拓使が設置されると明治政府によって勧農・殖産興業が推し進められ、開拓使官吏の村橋久成やドイツでビール醸造技術を学んだ中川清兵衛を招聘して官営模範工場となる「開拓使麦酒醸造所」を1876年(明治9年)に創設し[3]、現在のサッポロファクトリーがある場所に工場を建設した。開拓使廃止後は農商務省の所管となり、1884年(明治17年)に「札幌麦酒醸造場」と改称している[4]。1886年(明治19年)に大倉喜八郎の大倉商会(大倉財閥)が麦酒醸造場の払い下げを受け[5][6]、翌年に渋沢栄一らが譲り受けて「札幌麦酒会社」を設立し[3]、現在のサッポロビールに繋がっている。 サッポロビール博物館の煉瓦造の建物は1888年(明治21年)設立の「札幌製糖」が1890年(明治23年)に建設した製糖工場である[7]。ところが、この製糖会社は原料となるビートの確保に誤算があったほか、不祥事が多発したため衰退の一途を辿って解散してしまう[3][7]。一方で、ビール工場は年々増える生産量に対応するため工場増設の必要性に迫られており、1903年(明治36年)に煉瓦造の製糖工場を買い取って製麦工場として使用した[3]。建物は改修や補強をしながら1965年(昭和40年)まで工場として稼働していた[3]。1966年(昭和41年)にサッポロビール創業90周年を記念して「開拓使麦酒記念館」となり、ビアホールの「サッポロビール園」を併設した[8]。その後、一時は取り壊しの声もあったが、歴史的な建物を残す機運が高まり、1987年(昭和62年)に「サッポロビール博物館」として開館した[3][9]。文化庁から国の重要文化財に指定したい申し出もあったが、重要文化財になると建物や内部設備の改装などに国の許可が必要になること、今後も会社を挙げて保存に努めるつもりであることから辞退している[10]。2004年(平成16年)と2016年(平成28年)に館内を全面リニューアルしている[1][11]。 利用案内
施設3階、2階、1階の順に見学していく[1]。建物の外には1876年(明治9年)開業の「開拓使麦酒醸造所」において当時工場前に積み上げられた樽を復元しており、白ペンキで「麦とホツプを製すればビイルとゆふ酒になる」と書かれている[3]。平仮名の一部は変体仮名であり、「れば」の部分は「連者」をくずした平仮名になっている。
受賞・選定
アクセス
脚注
参考資料
関連項目外部リンク |