ソアリング(Soaring)はアメリカ合衆国の競走馬、繁殖牝馬。競走馬としては未勝利に終わったが、繁殖入り後は子孫に活躍馬を多く輩出し、一大牝系を形成した。
血統背景
母スカイラーキング(Skylarking)は1950年のモーリスドゲスト賞優勝馬で、本馬の他にフランス1000ギニーの勝ち馬イラ(Yla)などを産んでいる。また同じく同馬の産駒であるカリム(Karim)は種牡馬として日本に輸入され、短距離重賞5勝を挙げたタマミや「アラブの魔女」と称されたイナリトウザイなどを輩出。母の父としても顕彰馬ハイセイコーを送り出した。
母の父ミルザ(Mirza)はムムタズマハルを母に持つ良血馬で、ジュライステークスなど短距離路線で重賞4勝を挙げ、同馬の産駒の中で競走馬としては最も活躍した。管理調教師のフランク・バターズはミルザについて「過去に手掛けた馬の中では最も速かった」と語っている[注 1]。
経歴
競走馬時代
アメリカで計5レースに出走したものの未勝利に終わっている。
繁殖牝馬時代
母としては1968年アッシュランドステークスの優勝馬ミススワップスコー(Miss Swapsco)、1982年モンマスハンディキャップを制し同年のG2で2度ジョンヘンリーを3着に破ったメーメット(Mehmet)などを産み、繁殖牝馬としては大きな成功を収めた。
さらにミススワップスコーは繁殖入り後にバラード(Ballade)[1]の母となる。バラードは母としてヘイローとの間に、G1競走を4勝し繁殖牝馬としても一流の結果を残した名牝グローリアスソング、1983年のエクリプス賞最優秀2歳牡馬で種牡馬としてもタイキシャトルを送り出したデヴィルズバッグ、2005年の北米リーディングサイアーとなったセイントバラードを産む驚異的な繁殖成績を挙げ、その後の子孫からもシングスピール、ダノンシャンティ、ヴィルシーナ、シュヴァルグラン、ヴィブロスなど活躍馬が多数誕生。同馬の子孫はソアリング系からさらに分岐した「バラード系」とも呼ばれる[2]。
バラードを経由しない牝系子孫からは、ピフィギャル(Pi Phi Gal)の3代後にグラスワンダー・ワンダーアゲイン(Wonder Again)兄妹が出ている。
主な牝系図
- (Sedbury) Royal Mare ---No.12始祖
- ---↓ソアリング系
G1競走優勝馬(太字)、重賞競走に優勝した日本馬、ほか独立記事のある馬を記載。*は日本に輸入された馬。
- Soaring 1960
- Miss Swapsco 1965(アッシュランドS)[3]
- Ballade 1972 ---↓バラード系
- Sweeping View 1975
- Devil's Sister 1983
- Far Beyond 1972
- Battle Creek Girl 1977
- Full Retreat 1981
- Beribboned 1984
- *ウェバリングガール 1987
- Wings of Grace 1978
- Sunyata 1989
- The Devil's Trick 1995
- New Economy 1998
- Pi Phi Gal 1973
- Liberty Spirit 1974
- Dawn's Curtsey 1982(フラワーボウルH)[18]
- Meadow Spirit 1989
- Mehmet 1978(モンマスH)[21]
牝系図の出典:[22]、牝系検索α
血統表
注釈
出典
参考文献
外部リンク