ダルド語群は、インド・アーリア語派に属する言語の一群である。インド・パキスタン北部を中心として用いられている。
グリアソンは、インド言語調査において、ダルド語群をヌーリスターン語派(カーフィル語派)とひとまとめにして、インド・イラン語派に属する独立の語群とした。その後両者を分け、ダルド語群に関してはインド語派に属することが明らかになった[1]。
しかし、ダルド語群は単一の系統をなすというよりは、言語接触によって類似したという側面が大きく、木構造的な言語分類のひとつの祖先から発達したものとはみなせない[1]。
ダルド語群に属する言語は山間部で話され、話者人口の少ないものが多いが、カシミール語は比較的よく知られている。
ダルド語群に広く見られる音声的特徴には、以下のようなものがある[1]。
- 古代インド・アーリア語の歯擦音の区別 ś ṣ s を保存している
- 子音結合が比較的多い
- 有声帯気音が存在しない言語が多い(この特徴はパンジャーブ語にも見られる)。無声帯気音もない言語がある。
- そり舌の破擦音が発達している
下位分類
ダルド語派は5つのグループに分類されている。
脚注
- ^ a b c Elena Bashir (2007) [2003]. “Dardic”. In George Cardona; Dhanesh Jain. Indo-Aryan Languages. Routledge. ISBN 020394531X 1.1
関連項目