ダーメン・グループ
ダーメン・グループはオランダに本拠を置く造船企業グループ。 歴史ダーメンは、1927年にヤン・ダーメンとマリヌス・ダーメンがオランダのハルディンクフェルト=ギーセンダムで創業した。兄弟の経営は数十年に渡って成功を収めた。主にオランダ向けであったが、小さくても継続して受注が取れる顧客ベースを構築していた。 ハルディンクフェルトの造船所はダーメンの本社があるホルクムから10kmほどのところにあり、作業船の設計・建造に特化している。 1969年にはヤンの息子コマー・ダーメンが跡を継いだ。従来から手ごろな価格で信頼性の高い船舶を建造していたが、コマーはさらに「作業船の設計を標準化し、連続建造する」という革新的なアイデアを温めていた。このビジョンを現実のものとするためには主要なサプライヤーと顧客の支持が必要だったが、結果としてこれは成功し、多くのサプライヤーおよび顧客は現在でもダーメンと密接な関係を維持している。 今日ではダーメン・グループは世界に50以上の造船所・修理ヤード・関連会社を持ち、ダーメンの船体を建造できる数々のパートナー工場を擁している。1969年以降、ダーメンは5,000隻以上の船舶を設計・建造し、毎年150隻以上を納入している。 ダーメンは世界120カ国で事業を行う国際的企業グループとなったが、今も変わらず家族経営を行っている。 要目(2014年)売上高:20億ユーロ 保有する造船所:32ヶ所
従業員数:9,000人
2014年の引き渡し数: 160隻 現在ダーメンは世界各国に30以上の造船所および関連会社を持ち、船舶建造だけでなくメンテナンスや修理も行っている。 ダーメンはタグボート、作業船、警備艇、輸送船、浚渫船、大型ヨットや高速フェリーといった幅広い製品ラインアップを揃えている。設計およびエンジニアリングは社内で行われており、幅広い部分の設計が可能になっている。 主要部門製品艦艇
輸送船客船主要顧客アメリカ沿岸警備隊アメリカ沿岸警備隊はダーメン4708型をベースとしたセンチネル型カッターをルイジアナ州ロックポートのボリンジャー造船所で建造した。1番船は8,800万ドルの価格固定契約だったが、オプション契約を行使して34隻すべてを建造した場合には6〜8年間で総額15億ドル(1隻あたり4,550万ドル)となる[3]。 カナダ沿岸警備隊2009年9月2日にカナダ公共事業・政府サービス省は9隻の内洋警備艇(ヒーロー型巡視艇)を導入すると発表した。これはダーメン4207型にカナダ向けの改良を加えたもので、ノバスコシア州ハリファックスのアーヴィング造船所で建造され、カナダ沿岸警備隊と王立カナダ騎馬警察で使用される。カナダ水産海洋省の当初要求は12隻であったが、削減された[4][5]。 ジャマイカ国防軍沿岸警備隊ジャマイカ国防軍沿岸警備隊(JDFCG)は2005年10月27日にHMJS コーンウォールを就役させた。これはダーメン4207型を採用した3隻(JDFCGではカウンティ級と呼称し、艦名はジャマイカの郡(カウンティ)にちなんで命名されている)の1番艦で、2番艦 HMJS ミドルセックスは2006年4月7日、3番艦 HMJS サリーは2007年6月26日に就役した。 香港警務処 水警総区香港警務処 水警総区はダーメンで建造された2600型を保有している。 以前はダーメン Mk.I を使用していたが、これは退役してケカ型巡視艇に更新されている。 エクアドル沿岸警備隊2011年11月にエクアドル沿岸警備隊はダーメン2606型を発注し、エクアドル国内のAstinaveで建造すると発表した[6]。 ベトナム水上警察ダーメン・グループは捜索救難用にダーメン4207型を納入している。 また、ベトナム海上警察は、ダーメン・グループからライセンスを取得して外洋哨戒艦として9104型 1隻、水路測量船として6613型 1隻、サルベージ曳船として6412型 4隻を建造する計画である[7][8]。これらはベトナム国内のSong Thu companyで建造される予定である。 トリニダード・トバゴ沿岸警備隊ダーメン・グループはトリニダード・トバゴ沿岸警備隊から12隻の発注を受けており、うち3隻が納入済みである。沿岸哨戒艇 CG25と要撃艇、補給艇が納入され、国境警備の強化による武器弾薬・麻薬の密輸への抑止力として期待されている[9]。 グループ企業ダーメンは大きな企業グループである。グループ企業の一部を以下に挙げる[10]。
関連項目
脚注
外部リンク
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