ディアンドレ・エドネイラ・チディケ・エイトン(Deandre Edoneille Chidike Ayton, 1998年7月23日 - )は、バハマのナッソー出身のプロバスケットボール選手。NBAのポートランド・トレイルブレイザーズに所属している。ポジションはセンター。
経歴
生い立ち
ナイジェリア人の両親のもとにバハマのナッソーで生まれた。5人兄弟の一人として育ったエイトンは、サッカーをプレイしていたが、徐々にサッカーをプレイ出来ないほど身体が成長していった。12歳で既に203cmとなったエイトンはサンディエゴでアメリカの学校へ通い、コーチと一緒に暮らした[2]。
ハイスクール
カリフォルニア州サンディエゴにあるバルボアシティスクールに通い2年間バスケットボールのチームに所属した[3]。2014-15シーズンには平均21.0得点、16.0リバウンド、3.8ブロックを記録し、22試合のレギュラーシーズンのうち21試合でダブルダブルを記録した。2015-16シーズンからアリゾナ州フェニックスのヒルクレストプレップアカデミーに転校し、2016-17シーズンには平均26.0得点、15.0リバウンド、3.5ブロックを記録した。2016年にはナイキ・フープサミットに世界選抜として招かれ、8得点7リバウンド記録した。エイトンは同年代の中のトップ選手と評価され、複数の大学スカウトが訪れる中で、アリゾナ大学、カンザス大学、ケンタッキー大学の3校に進学先を絞り、最終的に2016年9月6日にアリゾナ大学へ進学することを決定した[4]。
カレッジ
2017年11月10日のノーザンアリゾナ大学との対戦でデビューし、19得点、12リバウンド、3ブロックを記録で、チームを101-67の大勝へ導いた。デビュー戦19得点はアリゾナ大学のデビュー戦での記録としては7位にランクインされるものだった。アリゾナ大学では213cmの4年生CであるDušan Ristićと一緒にスターターとして出場していたため、PFとして出場することになった。2018年1月20日のスタンフォード大学との試合では6ブロックショットを記録し、アリゾナ大学のルーキーによる1試合最多ブロックの記録を樹立した。その他にも34試合に出場し、17試合で20点以上を記録し、23試合でダブルダブルを記録した[5]。レギュラーシーズン終了時に、Pac-12の最優秀選手賞、新人王を同時受賞し、Pac-12のファーストチーム、カール・マローン賞、オールアメリカンファーストチームとあらゆる賞を総なめにした。その年のNCAA男子バスケットボールトーナメントでバッファロー州立大学に敗れた後、NBAへのアーリーエントリーを発表した。2018年4月26日には代理人であるNima Namakianと契約したことが発表された。
フェニックス・サンズ
2018年のNBAドラフトでフェニックス・サンズから全体1位に指名された。サンズの50年のチームの歴史の中で、1位指名を獲得したのはエイトンが初めてだった。2018年7月1日にサマーリーグのためのサンズのチームに参加し、その5日後にルーキー契約にサインをした[6]。サマーリーグでは4試合で平均26.8分の出場で、14.5得点、10.5リバウンド、1ブロックとまずまずの成績を残したが、オールサマーリーグファーストチームには選ばれなかった(セカンドチームでは選出)。
1年目の2018-19シーズン、2018年10月17日の開幕戦でデビューし、36分の出場で18得点、10リバウンド、6アシスト、1ブロック、1スティールを記録し121対100でデビュー戦を白星で飾り、ダブルダブルも獲得した。10月27日のグリズリーズ戦ではチームは敗れはしたが、13本シュートを放ち12本ゴールを決め、12本以上シュートを放った選手のフィールドゴール%で90%以上を決めるという40年ぶり2人目のルーキーとなった(1人目はアダムス・キーフ)[7]。このシーズンは平均16.3得点・10.3リバウンドの成績を記録し、NBAオールルーキーファーストチームに選出された。
2年目の2019-20シーズン開幕直後の2019年10月25日に、NBAの半薬物規定に違反したとして25試合の出場停止処分を受けた[8]。
3年目の2020-21シーズンはクリス・ポールの加入でチームは大きく躍進し、カンファレンス2位でプレーオフへ進出。ロサンゼルス・クリッパーズとのカンファレンスファイナル第2戦では、1点ビハインドの第4クォーター残り0.9秒の場面にて、ジェイ・クラウダーのアシストを受けて決勝点となるアリウープを決めた[9]。チームは勢いに乗りNBAファイナルまで進出したが、ミルウォーキー・バックスに敗れ優勝はならなかった。
4年目の2021-22シーズン開幕前の契約延長交渉にて自身はマックス契約を求めたが、サンズ側がこれを渋って交渉が難航し、期限までに契約がまとまらなかった[10]。このシーズン、チームはレギュラーシーズンでリーグ最高勝率を記録したが、プレーオフではカンファレンスセミファイナルで敗れた。シーズン終了後に制限付きFAとなった。
2022年7月14日にインディアナ・ペイサーズが提示した4年総額1億3,300万ドルのマックス契約のオファーシートにサインした[11]。その後すぐにサンズが同額の条件を提示してオファーにマッチしたため、サンズとの再契約が決まった[12]。
ポートランド・トレイルブレイザーズ
2023年9月27日にデイミアン・リラードが絡む3チーム間の大型トレードで、ポートランド・トレイルブレイザーズへ移籍した[13]。
プレースタイル
211cm、113kgの巨体の持ち主でありながら、身体能力も高い。それでいて、サイズや身体能力に頼ることなくスキルでも他の選手を圧倒出来るものを備えている。現在までのNBA選手ではデビッド・ロビンソン、アンソニー・デイビスと比較される[14]。
個人成績
NBA
レギュラーシーズン
シーズン
|
チーム
|
GP
|
GS
|
MPG
|
FG%
|
3P%
|
FT%
|
RPG
|
APG
|
SPG
|
BPG
|
PPG
|
2018–19
|
PHX
|
71 |
70 |
30.7 |
.585 |
.000 |
.746 |
10.3 |
1.8 |
.9 |
.9 |
16.3
|
2019–20
|
38 |
32 |
32.5 |
.546 |
.231 |
.753 |
11.5 |
1.9 |
.7 |
1.5 |
18.2
|
2020–21
|
69 |
69 |
30.7 |
.626 |
.200 |
.769 |
10.5 |
1.4 |
.6 |
1.2 |
14.4
|
2021–22
|
58 |
58 |
29.5 |
.634 |
.368 |
.746 |
10.2 |
1.4 |
.7 |
.7 |
17.2
|
2022–23
|
67 |
67 |
30.4 |
.589 |
.292 |
.760 |
10.0 |
1.7 |
.6 |
.8 |
18.0
|
2023–24
|
POR
|
55 |
55 |
32.4 |
.570 |
.100 |
.823 |
11.1 |
1.6 |
1.0 |
.8 |
16.7
|
通算
|
358 |
351 |
30.9 |
.592 |
.244 |
.761 |
10.5 |
1.6 |
.7 |
1.0 |
16.7
|
プレーオフ
シーズン
|
チーム
|
GP
|
GS
|
MPG
|
FG%
|
3P%
|
FT%
|
RPG
|
APG
|
SPG
|
BPG
|
PPG
|
2021
|
PHX
|
22 |
22 |
36.4 |
.658 |
--- |
.736 |
11.8 |
1.1 |
.8 |
1.1 |
15.8
|
2022
|
13 |
13 |
30.5 |
.640 |
.500 |
.636 |
8.9 |
1.7 |
.4 |
.8 |
17.9
|
2023
|
10 |
10 |
31.9 |
.550 |
--- |
.520 |
9.7 |
1.0 |
.6 |
.7 |
13.4
|
通算
|
35 |
35 |
34.2 |
.651 |
.500 |
.698 |
10.7 |
1.3 |
.7 |
1.0 |
16.6
|
カレッジ
シーズン
|
チーム
|
GP
|
GS
|
MPG
|
FG%
|
3P%
|
FT%
|
RPG
|
APG
|
SPG
|
BPG
|
PPG
|
2017–18
|
アリゾナ
|
35 |
35 |
33.5 |
.612 |
.343 |
.733 |
11.6 |
1.6 |
.6 |
1.9 |
20.1
|
脚注
外部リンク
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1940年代 | |
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1950年代 | |
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1960年代 | |
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1970年代 | |
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1980年代 | |
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1990年代 | |
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2000年代 | |
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2010年代 | |
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2020年代 | |
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