ツーリングハイエース(Touring Hiace)はトヨタ自動車が1999年から2002年まで生産・販売していたワンボックス型ミニバンである。
概要
1999年(平成11年)8月3日 - それまでの「ハイエース・レジアス」からトヨペット店(東京地区は東京トヨタが併売、大阪地区は当時の大阪トヨタのみ販売)専売車として「ツーリングハイエース」、当時のビスタ店(現・ネッツ店)専売車「レジアス」として分離したモデルとして登場する。
1999年(平成11年)10月5日 - モデリスタインターナショナルは、豪華装備を加えたモデリスタバージョンとして「ハイルーフラウンジ」を発表した。
ベース車より175 mm嵩上げされたハイルーフを採用して室内空間を充実させたほか、ウッドパネルや上質な室内照明などを採用しているA仕様とハイルーフ架装のみのB仕様がある。メーカーオプションとして本革シートと木目調パネル、販売店オプションとして225/50R17タイヤ(ブリヂストン G'GRID)&アルミホイール(3種類から選択)、TRD製ローダウンサスペンションキット(2000年1月発売)を用意する。
2000年(平成12年)8月21日 - 特別仕様車として「エクストラVパッケージ」を設定して発売した。専用ストライプ、専用アルミホイール(スーパークロームメタリック)、スライドドアの半ドアを防止するイージークローザー、専用シート表皮などを採用し、内外装にスポーティーさと高級感を持たせた。
また、地域によるオリジナル・エクストラVパッケージ等の存在がある。ベースはVパッケージだが、スライドドアイージークローザーの設定がなく、標準車と色違いのストライプやアルミホイールを装備という若干の仕様違いとなっている。
2000年(平成12年)12月1日 - 福祉車両の「ウェルキャブ」シリーズを一部改良した。サイドリフトアップシート車に、シートの回転から昇降までの動作を全自動で行うタイプを新設定した。また、車いす仕様車は車いす固定装置を改良した。
その後、2002年(平成14年)5月21日に生産終了した。新車登録台数の累計は1万3983台[1]。
他の姉妹車との違い
基本的には従来の「ハイエース・レジアス」と同じモデルだが、姉妹車であるレジアスとの違いは、ハイエース・レジアス時代オプション扱いだったエアロパーツを更に大型化し標準装着したことで3ナンバー専用車となっている。しかし、レジアス ウインドツアラーとの違いはフロントグリルとストライプが違う程度。
姉妹車のレジアスとは異なり、基本的にグレードは1種類のみで、サンルーフやスライドドアイージークローザー、回転対座フロントシート、プリントラジオアンテナ、アルミホイールを装着した「Vパッケージ」が選択できる。レジアスと共通の特徴としては、メーカーオプションで、フロントシート以外の全シートをユーザーが自由に外し、広い室内を作れる着脱式シート・マルチデタッチャブルシートが選べた。
4WDモデルのみオプションでビスカス式リミテッド・スリップ・ディファレンシャル(LSD)の装着が可能で、ワンボックスカーでありながらエアロパーツを標準装着していることもあり、他の姉妹車よりスポーティな仕様となっている。
グランビアやグランドハイエースとはプラットフォームを共有する姉妹関係にあるが、こちらは車体寸法を5ナンバーサイズとしており、一回り小さい。
エンジン
従来のモデルと同一であるが、ディーゼル車は3,000 cc直列4気筒SOHCインタークーラー付きディーゼルターボの1KZ-TE型を搭載、ガソリン車は2,700 cc直列4気筒ハイメカツインカムの3RZ-FE型を引き続き搭載する。
販売
トヨペット店(東京地区は東京トヨタが併売、大阪地区は当時の大阪トヨタのみ販売)で販売していた。
ちなみに、ビスタ店が存在しなかった沖縄県では実質的に名前以外は基本的に同じモデルであるツーリングハイエースとレジアスがトヨペット店で扱っていた。
車名の由来
ツーリングはハイエースシリーズのエアロボデーで「ハイエース」と「エアロボデー」のイメージを訴求する「ツーリング」を組み合わせたもの。ハイエース (HIACE) の語源はトヨエースから由来したもので英語で「高級な」「より優れた」という意味のHighとAceの合成語。
脚注
- ^ デアゴスティーニジャパン週刊日本の名車第77号20ページより。
関連項目