ナタマメ
ナタマメ(鉈豆[3]、学名: Canavalia gladiata)はマメ亜科の蔓性の一年草。原産地は熱帯アジアまたはアフリカ。刀豆(トウズ、タチマメ、ナタマメ)、帯刀(タテハキ)ともよばれる。日本へは江戸時代に渡来。約25センチメートルほどの豆果を結ぶ[1]。以前から漢方薬として知られており、近年では健康食品、健康茶としても一般的に知られるようになった[3]。 歴史アジアかアフリカの熱帯原産とされ[1]、食用や薬用として栽培される。日本には江戸時代初頭に清から伝わった。特に薩摩では江戸時代から栽培が盛んで[3]、NHK大河ドラマ『篤姫』のワンシーンでも長旅の無事を祈る餞別として送られていた。福神漬の材料にもなる[3][1]。 生態夏に白またはピンク色の蝶形の花を咲かせる。その後、結実するが、実の莢は非常に大きく、大きなものでは30 - 50センチメートル (cm) で[3]、幅が5cmほどになる。葉は長い柄のある3出複葉で大型である。莢果は11月頃。別名の「タテワキ(帯刀)」は、この莢の形に由来する[1]。 産地日本国内でも栽培されるが、ラテンアメリカ、中華人民共和国からの輸入が多い。 利用熱帯アジアやアフリカで食用や薬用に用いられており[3]、日本でも福神漬・健康茶・民間薬・メッセージ缶(種子にレーザーで文字を彫ったもの)などに利用される。食用としては、若い莢を食べることが多く、炒め物、煮物、漬物にすることが一般的である[3]。福神漬に用いられる[4]。薬効を目的にした場合は、豆を利用することが多い。完熟した豆は、主にお茶として用いられる[3]。 豆の栄養素は、たんぱく質、ビタミン、ミネラルが豊富である[3]。ナタマメから作る茶の薬効としては、血行促進や免疫力の向上などのさまざまな効果があるほか、アレルギー性鼻炎、口臭の緩和によいといわれている[3]。昔から排膿(膿を出す)の妙薬といわれており、腎臓に良く、蓄膿症、歯周病や歯槽膿漏の改善、痔ろうなどにも効果がある。他の野菜の病害虫の防止用として周囲に植えられることもある。 コンカナバリンAはナタマメにしか存在しないレクチンであり、植物レクチンの代表例として知られる。生物工学の分野ではT細胞のマイトジェンなどとして広く使われている。 毒性豆類全般にいえることだが、ナタマメにも毒がある。とくにタカナタマメ・タチナタマメには毒が多い。食用とするのはアカナタマメ(赤豆)・シロナタマメ(白豆)といわれる品種で、アカナタマメにはわずかな毒性があるが、焙煎加工されたものは副作用がない[3]。粗悪な健康茶などには注意が必要。また、メッセージ缶に用いられるものは食用に適さない品種が使われており、食べることはできない。サポニン・青酸配糖体・有毒性アミノ酸のコンカナバリンAやカナバニンなどの毒素が含まれている。 カナバニンは、アルギニンに類似した構造を持ち、アルギニンの機能を阻害しアンモニアが蓄積する有害作用があり、多くの昆虫がナタマメを避けるので虫害が少ない[5]。 種類
脚註
参考文献
関連項目外部リンク |