マツダ・CX-80
MAZDA CX-80(マツダ シーエックス エイティ)は、マツダが2024年から製造・販売する、大型・高級クロスオーバーSUVである。 概要CX-60・CX-70・CX-90に続くマツダのラージ商品群[1]第4弾(最終モデル)として位置づけられる3列シートミッドサイズ・クロスオーバーSUVで、2024年4月18日に欧州で初公開された[2]。日本国内においては、2023年に販売を終了したCX-8の後継車種と位置づけられているが、国内専用車種だったCX-8と異なり、グローバル展開される[3]。 CX-60と同じエンジン、同じ変速機、同じサスペンションアームを使用する兄弟車であり、事実上CX-60の3列シート版となっている[4][5]。当初は2022-2023年に発売される予定であったが、CX-60の発売後に快適性に関する苦情が殺到したため[6]、当時ほぼ発売直前に至っていたCX-80も改めて開発をやり直すことになり発売が1年遅れた[4][6]。 CX-60で問題視された乗り心地に関しては、ダンパーの製造元を変更し、リヤスプリングを大幅に柔らかくし、ダンパーの減衰力を上げて対応している[4][7]。遮音性も改善され、CX-60比でキャビンへのエンジンノイズの侵入を低減している[6]。細かな改善点があるが、運転席後端から前側はインテリアを含めてほぼCX-60と同一である。車体前部の差異はフロントグリルのみであるが、これは営業側より真正面から見たCX-80がCX-60と区別がつかないという意見があり、デザイン担当者がやむなくグリルに3本のラインを付け加えたものである[4]。3列シートとは関係ないとされており、原案ではラインの数は4本であった[4]。ヘッドライトやフロントバンパーもCX-60と同じ部品を使用している[5]。 批評CX-60にも搭載される3.3L直列6気筒ディーゼルエンジンは、BMWの6気筒ディーゼルエンジンほどの上質さはないが[5]、燃費が良くトルクが豊かだと高く評価される[5][7]。2列目はCX-60より広くなったが、3列目への乗り降りはヒョンデ・サンタフェなどと比較して困難さがあるとされた[5]。最上級グレードの内装は凝った素材が使用され質感は高いが、エクスクルーシブ以下のグレードの内装はプラスチックが多用され、内装の統一感が損なわれていると指摘された[5]。PHEVではEV走行できる距離が実際には48km程度であり、走行中も不快な駆動用モーターの唸り音が車内に響き、洗練度が不足していると評価された[5]。PHEVに搭載される2.5L 4気筒ガソリンエンジンはエンジンの振動がやや目立ち、エンジンノイズも静かといえる領域に達しておらず粗削りな印象があるが、エンジンとモーターで合算される出力は十分にパワフルである[5]。懸念されるトルコンレスの8速ATは、CX-60から素材や制御プログラムの改善が何度も行われているが[6]、依然スムーズとは言えないとされた[5]。改良によってCX-60より穏やかな操縦性になっているが[5]、フワフワと落ち着かない挙動を示す乗り心地に関しては期待された洗練度に至っていないとされた[5][6][8]。最も高価なドライブトレインとなるPHEVが最も乗り心地が悪く、船の様に上下に揺れる動きで試乗中に酔ってしまったというレポーターや取材スタッフが報告され[5][8]、逆に最も乗り心地がマシなのがノンハイブリッドである「XD」とされ[8]、乗り心地の問題もCX-80の個性の1つだと思えば納得できるレベルに収まっているとされた[9]。欧州でのライバルは、ヒョンデ・サンタフェやプジョー5008などが想定され、トルクフルでスムーズな3.3Lディーゼルと上級グレードの上質な内装が強みになるだろうが、乗り心地の悪さと競争力のないPHEVの性能がネックになるだろうとされた[5]。日本カー・オブ・ザ・イヤー2024-2025では2位に選出された[7](一位は3列シートを搭載するホンダ「フリード」であった)[7]。 年表
脚注
関連項目外部リンク
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