『レジェンド・オブ・トゥモロー』(原題:DC's Legends of Tomorrow)は、2016年1月21日にThe CWで放送が始まり、2022年3月2日まで計7シーズンが放送された、DCコミックスに基づくアメリカ合衆国の実写テレビシリーズ。シェアード・ユニバース「アローバース」の一作品で、『ARROW/アロー』や『THE FLASH/フラッシュ』の登場人物などから構成されるタイムトラベラー集団「レジェンズ」の活躍を描く。
ワーナーメディアとディスカバリーが統合しワーナー・ブラザース・ディスカバリーとなった後の2022年4月29日、シーズン7をもって打ち切られた[1]。The CWの親会社であるワーナーとCBSが、海外やNetflixに向けた放送・配信権の販売で収益を得てきたThe CWの業績がHBO MaxとParamount+のサービス開始の影響により悪化したことを受けて、The CWを手放そうと売却を進める中、番組のスタジオスペースの契約を更新しなかった為である[2][3][4]。後日、The CWのCEOのマーク・ペドウィッツは「番組の内容が原因ではない」と声明した[5]。また、本作のショーランナーを務めていたケト・シミズは「バーランティ、DC、ワーナー・ブラザース、The CWは番組の継続を望んでいた」と述べた[6]。
2022年5月3日には外伝コミック『EARTH-PRIME #3: LEGENDS OF TOMORROW』が発行された。同作ではテレビ本編後のレジェンズの姿が描かれている。
あらすじ
2016年のある夜、高度な科学技術の結晶〈アトム〉で悪と戦う天才科学者のレイ・パーマー、伝説のリーグ・オブ・アサシンの元暗殺者であるサラ・ランス、地上最速のヒーローとも戦った強盗仲間のレナード・スナートとミック・ロリー、燃える超人〈ファイヤーストーム〉への融合変身能力を持つマーティン・シュタインとジェファーソン・ジャクソン、二人一緒に転生を繰り返す鷹の戦士 ケンドラ・ソーンダースとカーター・ホールが一ヶ所に集められる。
集めたのは、リップ・ハンターを名乗る150年後の未来から来た男。リップ・ハンター曰く、150年後の世界は不死身の暴君 ヴァンダル・サベッジによって人類史上最悪の時代を迎えており、集められた者たちはそんな世界を救い得るヒーローを超えた存在、レジェンドだという。
お人好し、変人、犯罪者……ばらばらなレジェンドたちは、正義感、あるいは時間旅行への興味など、ばらばらな理由でタイムマシン〈ウェーブライダー〉に乗り込む決意を固め、時空を超えた冒険へと旅立つ。
――だが、リップ・ハンターは大きな嘘をついていた。実は彼は時間軸を守る使命を帯びたタイム・マスターズの裏切り者で、世界の救済よりも自分の妻子を殺したヴァンダル・サベッジへの復讐を考えており、しかも、集められた者たちは死んだところで時間軸に何の影響もない、レジェンドとはむしろ正反対の存在だったのだ。
沿革
- 2015年1月
- アローバースの製作を統括するグレッグ・バーランティより、『ARROW/アロー』シーズン3に登場したレイ・パーマー/アトムを中心とする番組として企画が明かされた[7]。
- 2015年2月
- レイ・パーマー/アトム役のブランドン・ラウスの他、ウェントワース ・ ミラー、ヴィクター・ガーバー、ケイティ・ロッツなど、『ARROW/アロー』と『THE FLASH/フラッシュ』の出演者らによるスーパーヒーローのチーム作品であることと、「テレビシリーズにまだ登場していない3名のメジャーなDCコミックスのキャラクター」が登場することが報じられた[8]。
- 2015年3月
- オーディション情報から新キャラクターの設定が一部明らかとなり、物語にタイムトラベルが関わることが判明した[9]。
- スティーヴン・アメルより、2016年初頭に放送が始まることが伝えられた[10]。
- 2015年5月7日
- 『DC's Legends of Tomorrow』として正式発表された[11]。
- 2016年1月21日〜2022年3月2日
- 計7シーズン・計110話が放送された。
出演者
○=メイン、◇=リカーリング、ゲスト=△
作中用語
場所
- マルチバース Multiverse
- 無数の「アース」と称されるユニバースの集合体。アースとアースの関係性は並行世界であり、あるアースの存在とよく似た別のアースの存在のことは「ドッペルゲンガー」と称される。
- 本作の主な舞台は「アース1」。このアース1の並行世界として、アース1とは色々なものが逆転した「アース2」、『SUPERGIRL/スーパーガール』の主な舞台である「アース38」、ナチスに支配された「アースX」などが存在する。
- マルチバースはクライシス・オン・インフィニット・アースを経て生まれ変わり、その際に本作の舞台は「アース・プライム」に変わった。
- バニシング・ポイント Vanishing Point
- 時間軸の外に存在する空間。タイム・マスターズが拠点として用いていた。
組織
- レジェンズ The Legends / レジェンド・オブ・トゥモロー Legends of Tomorrow
- はみ出し者であってヒーローではない自分たちを、あえて「レジェンド」と呼ぶタイムトラベラー集団。
- 元々はヴァンダル・サベッジを倒す為に結成されたが、ヴァンダル・サベッジとその背後にいたタイム・マスターズを倒した後は、タイムトラベラー(自分たちも含む)の脅威から時間軸を守るべく活動する。
- レジェンズはアローバースで独自に創作されたものであり、原作のDCコミックスには存在しない。
- タイム・マスターズ Time Masters
- リップ・ハンターがレジェンズを結成する前に所属していた組織。時の番人として時間軸を守ることを使命としている。
- 実は、「オキュラス」という装置を使って時間軸を操作する腐敗した組織であり、ヴァンダル・サベッジと協力関係にある。
- リージョン・オブ・ドゥーム Legion of Doom
- イオバード・ソーンが運命の槍を探し出し、現実を都合良く改変する為に、ダミアン・ダークやマルコム・マーリンに声をかけて結成した悪の軍団。命名はネイト・ヘイウッドがした。
- 時間管理局 Time Bureau
- ウェーブライダーを降りたリップ・ハンターが新たに設立した、時間軸の保護を使命とする組織。
装置・武器
- ウェーブライダー Waverider
- レジェンズたちが駆るタイムマシン。中には居住空間がある。
- 運命の槍 Spear of Destiny
- 聖書の時代にイエス・キリストを刺したことで現実改変の力を宿したロンギヌスの槍。
エピソード一覧
話数 |
サブタイトル(日) |
サブタイトル(米) |
放送日(米)
|
シーズン1
|
第1話 |
未来の危機 |
Pilot, Part One |
2016年 1月21日
|
第2話 |
尊い犠牲 |
Pilot, Part Two |
1月28日
|
第3話 |
血の儀式 |
Blood Ties |
2月4日
|
第4話 |
チームの分断 |
White Knights |
2月7日
|
第5話 |
運命の決断 |
Fail-Safe |
2月18日
|
第6話 |
スター・シティの危機 |
Star City 2046 |
2月25日
|
第7話 |
裏切り |
Marooned |
3月3日
|
第8話 |
潜入作戦 |
Night of the Hawk |
3月10日
|
第9話 |
取り残された仲間 |
Left Behind |
3月31日
|
第10話 |
葛藤 |
Progeny |
4月7日
|
第11話 |
8人の用心棒 |
The Magnificent Eight |
4月12日
|
第12話 |
暗殺指令 |
Last Refuge |
4月21日
|
第13話 |
リバイアサン |
Leviathan |
4月28日
|
第14話 |
サベッジの真実 |
River of Time |
5月5日
|
第15話 |
操られた運命 |
Destiny |
3月12日
|
第16話 |
決着の時 |
Legendary |
3月19日
|
シーズン2
|
第1話 |
チームの捜索 |
Out of Time |
10月13日
|
第2話 |
ジャスティス・ソサエティ・オブ・アメリカ |
The Justice Society of America |
10月20日
|
第3話 |
将軍 |
Shogun |
10月27日
|
第4話 |
闇の時代 |
Abominations |
11月3日
|
第5話 |
ダークの企み |
Compromised |
11月10日
|
第6話 |
無法者の国 |
Outlaw Country |
11月17日
|
第7話 |
インベージョン![12] |
Invasion! |
12月1日
|
第8話 |
ギャングの街 |
The Chicago Way |
12月8日
|
第9話 |
失われた記憶 |
Raiders of the Lost Art |
2017年 1月24日
|
第10話 |
リージョン・オブ・ドゥーム |
The Legion of Doom |
1月31日
|
第11話 |
裏切りのクリスマス |
Turncoat |
2月7日
|
第12話 |
円卓の騎士 |
Camelot/3000 |
2月21日
|
第13話 |
本当の自分 |
Land of the Lost |
3月7日
|
第14話 |
月面着陸 |
Moonshot |
3月14日
|
第15話 |
運命の槍 |
Fellowship of the Spear |
3月21日
|
第16話 |
書き換えられた現実 |
Doomworld |
3月28日
|
第17話 |
チームの絆 |
Aruba |
4月4日
|
シーズン3
|
第1話 |
アナクロニズム |
Aruba-Con |
10月10日
|
第2話 |
地上最大のショー |
Freakshow |
10月17日
|
第3話 |
ザリ |
Zari |
10月24日
|
第4話 |
僕のともだち |
Phone Home |
10月31日
|
第5話 |
復活 |
Return of the Mack |
11月7日
|
第6話 |
トロイのヘレン |
Helen Hunt |
11月14日
|
第7話 |
ジャングル・セラピー |
Welcome to the Jungle |
11月21日
|
第8話 |
クライシス・オン・アースX パート4[13] |
Crisis on Earth-X, Part 4 |
11月28日
|
第9話 |
ビーボ |
Beebo the God of War |
12月5日
|
第10話 |
ノラ・ダーク |
Daddy Darhkest |
2018年 2月12日
|
第11話 |
タイム・ループ |
Here I Go Again |
2月19日
|
第12話 |
トーテムの呪い |
The Curse of the Earth Totem |
2月16日
|
第13話 |
2人のダーク |
No Country for Old Dads |
3月5日
|
第14話 |
教会のキング |
Amazing Grace |
3月12日
|
第15話 |
死のトーテム |
Necromancing the Stone |
3月19日
|
第16話 |
エヴァ |
I, Ava |
3月26日
|
第17話 |
ジョン・ノーブル |
Guest Starring John Noble |
4月2日
|
第18話 |
正義の抱擁 |
The Good, the Bad, and the Cuddly |
4月9日
|
シーズン4
|
第1話
|
ヴァージン・ゲイリー
|
The Virgin Gary
|
8月22日
|
第2話
|
魔女狩り
|
Witch Hunt
|
8月29日
|
第3話
|
踊る女王陛下
|
Dancing Queen
|
11月5日
|
第4話
|
夏の思い出
|
Wet Hot American Bummer
|
11月12日
|
第5話
|
怪獣タグモ
|
Tagumo Attacks!!!
|
11月19日
|
第6話
|
ネイトは帰って来ない
|
Tender Is the Nate
|
11月26日
|
第7話
|
呪いの人形
|
Hell No, Dolly!
|
12月3日
|
第8話
|
レジェンド・オブ・ニャンニャン
|
Legends of To-Meow-Meow
|
12月10日
|
第9話
|
マスクの男
|
Lucha de Apuestas
|
2019年
4月1日
|
第10話
|
逃走車
|
The Getaway
|
4月8日
|
第11話
|
愛に溺れて
|
Séance and Sensibility
|
4月15日
|
第12話
|
悪魔と魔女
|
The Eggplant, the Witch & the Wardrobe
|
4月22日
|
第13話
|
金の卵
|
Egg MacGuffin
|
4月29日
|
第14話
|
ネロンの陰謀
|
Nip/Stuck
|
5月6日
|
第15話
|
取引
|
Terms of Service
|
5月13日
|
第16話
|
魔法の国
|
Hey, World!
|
5月20日
|
シーズン5
|
第1話
|
クライシス・オン・インフィニット・アース パート5
|
Crisis on Infinite Earths: Part Five
|
2020年
1月14日
|
第2話
|
レジェンドの素顔
|
Meet the Legends
|
1月21日
|
第3話
|
危険な女
|
Miss Me, Kiss Me, Love Me
|
2月4日
|
第4話
|
プロムの悪夢
|
Slay Anything
|
2月11日
|
第5話
|
パーティーの女王
|
A Head of Her Time
|
2月18日
|
第6話
|
香港の狼
|
Mortal Khanbat
|
2月25日
|
第7話
|
父の願い
|
Mr. Parker’s Cul-de-Sac
|
3月10日
|
第8話
|
友との別れ
|
Romeo V. Juliet: Dawn of Justness
|
3月17日
|
第9話
|
私の知らない私
|
Zari, Not Zari
|
4月21日
|
第10話
|
指輪狂騒曲
|
The Great British Fake Off
|
4月28日
|
第11話
|
親子の絆
|
Ship Broken
|
5月5日
|
第12話
|
聖杯伝説
|
Freaks & Greeks
|
5月12日
|
第13話
|
ウィー・アー・レジェンド
|
I Am Legends
|
5月19日
|
第14話
|
画面の中の真実
|
The One Where We’re Trapped on TV
|
5月26日
|
第15話
|
運命の歯車
|
Swan Thong
|
6月2日
|
シーズン6
|
第1話
|
サラを捜せ
|
Ground Control to Sara Lance
|
2021年
5月2日
|
第2話
|
バーガー・パニック
|
Meat: The Legends
|
5月9日
|
第3話
|
キングを狙え
|
The Ex-Factor
|
5月16日
|
第4話
|
冷戦の行方
|
Bay of Squids
|
5月23日
|
第5話
|
魔術師の誘惑
|
The Satanist's Apprentice
|
6月6日
|
第6話
|
ビショップ
|
Bishop's Gambit
|
6月13日
|
第7話
|
最終回 パート2
|
Back to the Finale: Part II
|
6月20日
|
第8話
|
荒野の番人
|
Stressed Western
|
6月27日
|
第9話
|
スター誕生
|
This Is Gus
|
7月11日
|
第10話
|
不死身の男
|
Bad Blood
|
7月18日
|
第11話
|
コズミック・ボウリング
|
The Final Frame
|
8月8日
|
第12話
|
死のゲーム
|
Bored on Board Onboard
|
8月15日
|
第13話
|
ウェディング・プラン
|
Silence of the Sonograms
|
8月22日
|
第14話
|
スプーナーの過去
|
There Will Be Brood
|
8月29日
|
第15話
|
インペリウムの泉
|
The Fungus Amongus
|
9月5日
|
シーズン7
|
第1話
|
陽動作戦
|
The Bullet Blondes
|
10月13日
|
第2話
|
犯人を捜せ
|
he Need for Speed
|
10月20日
|
第3話
|
ギデオン
|
wvrdr_error_100 notfound
|
10月27日
|
第4話
|
ショー・ビジネス
|
Speakeasy Does It
|
11月3日
|
第5話
|
時間旅行
|
It's a Mad, Mad, Mad, Mad Scientist
|
11月10日
|
第6話
|
天命
|
Deus Ex Latrina
|
11月17日
|
第7話
|
銃後の女性たち
|
A Woman's Place Is in the War Effort!
|
11月24日
|
第8話
|
偽りのヒーロー
|
Paranoid Android
|
2022年
1月12日
|
第9話
|
地獄のリアリティー・ショー
|
Lowest Common Demoninator
|
1月19日
|
第10話
|
固定点
|
The Fixed Point
|
1月26日
|
第11話
|
反撃の狼煙
|
Rage Against the Machines
|
2月2日
|
第12話
|
未来
|
Too Legit to Quit
|
2月23日
|
第13話
|
伝説は続く
|
Knocked Down, Knocked Up
|
3月2日
|
脚注
注釈
出典
- ^ Petski, Peter White,Denise (2022年4月30日). “‘DC’s Legends Of Tomorrow’s Canceled At The CW After Seven Seasons” (英語). Deadline. 2022年4月30日閲覧。
- ^ Goldberg, Lesley (2022年5月12日). “‘Charmed,’ ‘Dynasty’ Among Cancellations at The CW” (英語). The Hollywood Reporter. 2022年5月13日閲覧。
- ^ Goldberg, Lesley (2022年5月13日). “Mad About The CW Cancellations? Blame Streaming, But Also Its Unusual Corporate Structure” (英語). The Hollywood Reporter. 2022年5月13日閲覧。
- ^ Goldberg, Lesley (2022年11月2日). “New CW Entertainment President Brad Schwartz Outlines “Scrappy” Network Approach Under Nexstar” (英語). The Hollywood Reporter. 2022年11月5日閲覧。
- ^ Schwartz, Ryan (2022年5月19日). “CW Boss on 'Shock' of Cancellation Spree: 'We Encouraged Producers to Treat Their Finales as Series Finales'” (英語). TVLine. 2022年5月20日閲覧。
- ^ “https://twitter.com/ketomizu/status/1522750328344522752”. Twitter. 2023年3月17日閲覧。
- ^ Team, The Deadline (2015年1月11日). “CW Eyeing ‘Atom’ As Next DC Series – TCA” (英語). Deadline. 2020年10月17日閲覧。
- ^ Andreeva, Nellie (2015年2月27日). “Arrow/Flash Superhero Team-Up Spinoff In Works At CW; Brandon Routh, Victor Garber, Wentworth Miller, Caity Lotz Star” (英語). Deadline. 2020年10月17日閲覧。
- ^ Mitovich, Matt Webb (2015年3月9日). “The Arrow/Flash Spinoff Project: Are These the Atom's Super Teammates?” (英語). TVLine. 2020年10月17日閲覧。
- ^ Rob Keyes (2015年3月16日). “‘Arrow/Flash’ Spinoff Doesn’t Have A Title Yet; Will Air During Next Midseason”. 2015年11月19日閲覧。
- ^ “Oliver Queen and Barry Allen will soon have some new friends. DC’s Legends of Tomorrow, a third show set within the world of Arrow and The Flash, has just been greenlit by The CW.”. www.dccomics.com (2015年5月7日). 2015年11月19日閲覧。
- ^ 『ザ・フラッシュ』、『アロー』、本作のクロスオーバーイベント。
- ^ 『スーパーガール』、『アロー』、『ザ・フラッシュ』、本作のクロスオーバーイベント。
外部リンク