『光る壁画』(ひかるへきが)は、吉村昭の小説。1980年4月19日から9月23日まで、155回にわたり『読売新聞』朝刊で連載され、1981年に新潮社から単行本が刊行された。1984年にラジオドラマ化、2011年にテレビドラマ化された。
概要
東京大学の医師とカメラ会社の人々が、胃カメラを開発した実話にフィクションを加えて描かれた小説。小説中では開発者3人のうち宇治達郎、杉浦睦夫は実名で登場するが、深海正治は曾根菊男という名前になっている。また、カメラ会社の名前も「オリオンカメラ」としている。
小説では世界で初めて胃カメラを開発したとなっているが、史実では胃カメラは1898年にドイツで発明され、体内撮影が行われている[1]。その後もいくつかの胃カメラが開発されたが実用化はできず、日本で初めて実用化された。この小説は、実用化を目指して胃カメラを開発した人々の物語である。宇治らが開発した胃カメラも臨床現場では使い物にならず半ば放棄されたような状況になったが、独自に研究を進めていた東大病院本院の﨑田隆夫達、研究を支援した深海、中坪寿雄、松橋章をはじめとする技術者や関係者により実用化され[2][3]、今日の内視鏡医療発展の基礎となった。小説を基にしたドラマがラジオやテレビで放送された。
ラジオドラマ
1984年11月23日の20時05分 - 21時55分に、NHKラジオ第1放送において「ラジオ週間特集 ワイドドラマスペシャル『光る壁画』:胃カメラの誕生」として、二部構成にて放送された。[4]
キャスト(ラジオドラマ)
スタッフ(ラジオドラマ)
テレビドラマ
2011年10月1日の21時00分 - 22時51分に、テレビ朝日系列において『オリンパスドラマスペシャル 光る壁画』として、オリンパスの一社提供にて放映された。視聴率6.8%。開発者3人のうち宇治達郎は梶哲朗、杉浦睦夫は松浦辰男、深海正治は原作と同じ曾根菊男という名前で登場する。
キャスト(テレビドラマ)
- ほか
スタッフ(テレビドラマ)
出典
関連項目
外部リンク