六十谷水管橋
六十谷水管橋(むそたすいかんきょう)は、和歌山県和歌山市内を流れる紀の川に架かる和歌山市企業局の水道橋(水管橋)。紀の川の南側にある和歌山市の基幹浄水場である加納浄水場から紀の川以北地域への唯一の送水ルートである[1][注釈 1]。 概要紀の川に架かる橋長546.55 mの水管橋で1973年度(昭和48年度)に供用を開始した[1]。六十谷橋 (県道141号) の下流側、紀の川大堰の上流側に位置する[3]。和歌山市の紀の川北側に送水するための水道管をわたす唯一の橋である[4]。通水管径900A(外径 914.4mm)×2条(水道管2本)で構成される[1][5]。2015年度(平成27年度)に耐震化工事を実施した[5]。2021年 (令和3年)10月現在、1日あたりの送水量は約48,000 m3[6]、約6万世帯 (約13万8000人) に給水している。 構造諸元 崩落2021年10月3日午後、本橋の左岸から4径間目(中央径間)が崩落した[9]。翌日、午前11時現在で和歌山市北部の約6万世帯(約13万8000人)が断水となった[5]。この規模は和歌山市の約4割の地域にあたる[10]。 経過10月3日
10月4日 10月6日
10月8日
10月9日
10月20日
11月6日 原因崩落の原因は不明であるが、和歌山市が2021年10月6日にドローンによる上空からの撮影を行ったところ、崩落した中央径間の北側に隣接する径間で、送水管(補剛桁)とアーチを繋ぐ吊り材(各径間に18本)のうち4本に腐食や破断が発見された。また、2020年12月に撮影されたGoogle マップのストリートビューでは、中央径間の吊り材にも複数箇所の破断があるように見えるとの指摘もある[8][16]。 和歌山市は約40m離れて隣接する道路橋・六十谷橋からの目視での漏水の点検を月1回行うとともに、本水管橋の管理用通路からの目視での上部構造等の点検を年1回行っていた。しかし、いずれの点検も、高い位置にある構造部材を十分確認できるものではなかった。また、2021年5月11日に行われた年1回の点検では、橋の上部構造に複数の腐食が発見され、2022年度以降の塗装工事などが検討されていたものの、破断は把握しておらず、緊急性を要するとの認識もなかった[8][16]。 影響
復旧並走する県道141号六十谷橋に仮設バイパス管を設置する応急復旧工事は2021年(令和3年)10月8日に完了し同日通水を開始した(先述)[1]。 本復旧工事は落橋した前後を含む3径間を架け替えとし、残存区間では補強や補修が行われた[1]。2022年(令和4年)6月10日に仮設配管の撤去を完了した[1]。 注釈出典
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