国鉄ソ150形貨車
国鉄ソ150形貨車(こくてつソ150がたかしゃ)は、かつて日本国有鉄道(国鉄)に在籍した事故救援用操重車(事業用貨車)である。鉄道車両の脱線事故や転覆事故の復旧に使用された。回転式キャブとクレーンを装備している。また、クレーンのブームを収めるための控車である長物車を伴っている。 本項では、ソ150形の改良型であるソ160形についても記述する。 概要ソ150形ソ150形は、1957年(昭和32年)から1958年(昭和33年)にかけて、国鉄浜松工場で3両(ソ150 - ソ152)が製造された。操重車の中でも中型に分類され、扱い荷重は最大で 25t となっている。 前級ソ100形の扱い荷重15tは、貨車(空車)を吊り上げるのに十分な能力として設定されたものであったが、現実には積車状態の貨車を扱うことが多く、能力不足が目立っていた。そこで、ソ100形をベースに扱い荷重の増大を図ったのが、ソ150形である。 外観構造ともにソ100形に準じているが、扱い荷重の増大に伴って、クレーンのブームがトラス構造から、より強固なビーム構造に変更された。ブームの長さもソ100形と同じ15.8mである。台車は板台枠式の2軸ボギー台車を2基装備した。両台車に各1個の電動機が装備され、低速ながら自走することができた。作業時に使用するアウトリガーやレールクランプの構造は変わらない。また、ブレーキ装置は自車用のみの設備で、回送時に使用する貫通ブレーキは装備されていない。 ソ160形ソ160形は1959年(昭和34年)に、ソ150形の改良型として2両(ソ160, ソ161)が国鉄浜松工場で製造された。ソ150形は、扱い荷重を増大したものの、ブームの仰俯が小さいときの扱い可能重量が十分とはいえなかった。そのため、ソ160形ではブーム長を2m短くして取り回しを改良している。 小型、中型の操重車は、価格の低減(1/2 - 1/3)により、その普及に貢献したが、能力も価格なりであり、以後の増備は大型(ソ80形)に戻った。 両形式とも1987年(昭和62年)4月の国鉄分割民営化までに、全車が廃車された。 配置1980年(昭和55年)時点の常備駅(配置局)は、次のとおりである。 参考文献
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