地層累重の法則 (ちそうるいじゅうのほうそく、英語 : law of superposition )とは、地層 は基本的に重力 に従って、下から上に向かって堆積 する(下にあるものほど古い)という法則である。(化石 による)地層同定の法則 と並ぶ層位学 の基本法則であり、地層の新旧や年代判定を行う上での大原則である。ステノスミスの法則 ともいう[ 1] 。
概要・歴史
デンマーク の科学者ニコラウス・ステノ が、1669年 にフィレンツェ で出版した『固体の中に自然に含まれている固体についての論文への序文』において提唱した法則である。彼は、1666年10月にリヴォルノ で捕らえられたサメ を解剖した際、サメの歯とトスカーナ近辺で産出する化石の形状が類似していることを発見し、翌年に発表した解剖結果報告において、この化石が生物由来のものであると結論づけた。ステノは研究を進め、化石を含む岩層は海底で堆積したものと考えられること、水によって堆積した以上、最下層を除いては水平に堆積したものと考えられること、連続して堆積した場合、上に行くほど堆積した時期が新しくなることを見いだした[ 2] 。
これにより地球 の発達過程が検証されるようになった。
次の3つの法則からなる。
第1法則 地層は水平に堆積する(初原地層水平堆積の法則。Law of original horizontality)。
第2法則 その堆積は側方に連続する(地層の側方連続の法則。Law of lateral continuity)。
第3法則 古い地層の上に新しい地層が累重する。
1791年 、イギリス の土木技師ウィリアム・スミス は運河 の工事による経験から、これを証明し、確立させた。
実際の適用
この法則はあくまで単層 以上の単元 に対してのものであり、単層中の葉理 に対しては適用できない。
また実際には褶曲 や断層 、大規模な地すべり などにより、上下が逆転している場合もある。
それでも本来下にあった層が年代的に古いことは変わらず、慎重に地層の連続性をたどれば、その時間経過を追えると考えられる。また古い地層に褶曲や不整合 が見られても、さらにその上に堆積した地層との関係には本法則が適用できる。生痕化石 や、かぎ層などによって本来の上下を判断できる場合もあり、それらと組み合わせて、手がかりとして使われることが多い。
関連項目
脚注
外部リンク