対馬交通
対馬交通株式会社(つしまこうつう)は、長崎県対馬島内で路線バス、貸切バスを運行するバス事業者である。 本社所在地は長崎県対馬市厳原町小浦144-7。 沿革1928年10月1日に設立された株式会社厳原自動車商会を母体とする。同社は当初、対馬南部の下県郡の厳原 - 鶏知(けち) - 樽ヶ浜間にバスの運行を開始した。このほか鶏知自動車合名会社など数社により対馬島内にバス路線の開設が進められていったが、全国的なバス事業統合の流れに従い、1941年に厳原自動車商会が下県郡内の他社を吸収合併する形で対馬中南部のバス事業者を統合した。この統合により、厳原自動車商会は社名を現社名の対馬交通に変更した。 戦後すぐの時点では、対馬島内には対馬交通の他に対馬北部の上県郡内でバス事業を行う北対馬自動車というバス事業者が存在した。1960年代、大船越瀬戸と万関瀬戸に橋が架けられ、島の南端から北端まで自動車での移動が可能となったのを受けて、対馬交通は北対馬自動車と相互乗り入れ協定を結び、島の北端部へのバス運行を開始した。その後、1970年6月1日に対馬交通が北対馬自動車を吸収合併したことで、対馬島内のバス事業者の一元化が図られた。 1973年、厳原町の中心部である今屋敷地区に本社機能を備えたバスターミナルを建設。 2001年4月、本社を厳原町郊外の小浦地区に移転。バスターミナルと隣接する系列の「対馬交通ホテル」の土地と建物を売却し、旧バスターミナル前に「厳原」バス停を開設した。旧本社ビル跡地一帯は再開発され、対馬市交流センターが建設された(2006年10月竣工)。 2015年5月、対馬市交流センター向かいに観光情報館ふれあい処つしまがオープンし、それまで行先別に散在していた「厳原」バス停をふれあい処つしま内に統合集約。[1][2] 営業所所在地
厳原支所には車両の配置はない(定期券・回数券の販売と案内業務を担当)。 また、以前は旧美津島町鶏知・旧峰町三根にもそれぞれ営業所を有していたが、鶏知営業所は1990年代前半、三根営業所は2010年代前半にそれぞれ閉鎖されている。[3] 路線市街地や狭隘路などの一部を除き、自由乗降バスとして運行している。 厳原営業所管轄路線
桟橋-厳原-(曲)-小浦-旧中対馬病院-樽ヶ浜入口(樽ヶ浜)-対馬病院-対馬やまねこ空港-犬吠入口-犬吠・(大山)-小船越-赤島・濃部(のぶ)入口-濃部・仁位-田(た)-三根-鹿見(ししみ)口-仁田-佐須奈-高校前-比田勝-国際ターミナル
厳原-桟橋-厳原診療所-対馬高校-厳原中学校前-振興局前-厳原-柳ノ元
厳原-柳ノ元-尾浦入口-(尾浦)-安神入口-安神(あがみ)
厳原-柳ノ元-尾浦入口-安神入口-内院-浅藻(あざも)
厳原-柳ノ元-尾浦入口-安神入口-佐須瀬-豆酘(つつ)-浅藻-浅藻浜-奥浅藻
厳原-柳ノ元-尾浦入口-安神入口-佐須瀬-上槻(こうつき)
対馬病院-鶏知宮前-洲藻(すも)入口-尾崎
対馬病院-樽ヶ浜-鶏知宮前-洲藻入口-竹敷-竹敷団地前
豊玉営業所管轄路線
仁位-佐保-志多浦-田-仁位
三根-青海
仁田-女連(うなつら)
上県営業所管轄路線
上対馬病院-比田勝-舟志-中原-琴(きん)-小鹿
比田勝-高校前
上対馬病院-比田勝-高校前-佐須奈-湊-仁田-越高-田ノ浜-志多留
廃止路線対馬市営バスに転換されたものと予約制乗合タクシー・コミュニティバスに転換されたものがある。本項では後者について記載する。 対馬市営バス転換路線
詳細は対馬市営バスの当該項を参照。 予約制乗合タクシー・コミュニティバス転換路線
上対馬病院-比田勝-舟志-中原-五根緒(ごねお)
(ハートランド)-仁田診療所-仁田-越高-田ノ浜
厳原診療所前-桟橋-厳原-士富-(日掛)-小茂田-椎根
乗車券全路線(対馬市営バス・乗合タクシー含む)に乗車可能な1日フリーパス券を営業所窓口や車内で1040円で発売している。発売当初の2000年代中頃は毎年夏休みの期間限定で販売されていたが、2007年度からは土日祝日に利用可能となり、2015年からは通年に利用範囲が拡大されている。また2010年9月からは全路線乗車可能な1ヶ月フリーパス券も5230円で発売されている。 また、厳原⇔対馬空港間の2枚綴り回数券(1000円)・12枚綴り回数券(5000円)も発売されている。 なお、交通系全国共通ICカードは利用できない。 利用状況乗合バスの2006年度の輸送人員は40万2299人だった。1989年度の輸送人員は約135万だったが年々減少しており、特に2001年と2002年はそれぞれ前年比84.2%、77.8%となり大きく減少した。1989年以降のその他の年は前年比91%〜96%程度で推移している。[5] 車両大型・中型一般路線車はクリーム色地に青帯または水色地にイラストが描かれ、小型一般路線車はメーカーのデザインがそのまま使われている。貸切車は白地にえんじ色と青のストライプ塗装である。一部車両にはツシマヤマネコの絵が描かれているものもある。 メーカーは長年いすゞに統一されていたが、大型貸切車のうち他社から移籍してきた車両の中にいすゞ以外の車両が存在するため、この原則が崩れている。 沿線に狭隘路が多数存在することと過疎化の進行に伴い、運行車両は中型・小型バスが多くなっているが、貸切車としても使用できる大型バスも在籍している。一方、バリアフリー対応の見地からいすゞ・エルガミオ(ワンステップバス・ノンステップバス)・エルガ(ノンステップバス)日野・ポンチョ(ノンステップバス)が導入され、経年車の置き換えが進められている。 この他、対馬市が所有する自家用スクールバスの管理も受託しており、車両番号201番以降は対馬市所有の車両番号の振り分けがされている。 厳原に厳原自動車検査登録事務所があるため、車両のナンバープレートは俗に「離島ナンバー」と呼ばれる九州本土とは異なる番号を付けている。
脚注
外部リンク |