山形鉄道
山形鉄道株式会社(やまがたてつどう)は、山形県南部(置賜地方)で鉄道路線「フラワー長井線」を経営している[5]第三セクターの鉄道会社。日本国有鉄道(国鉄)改革に伴い特定地方交通線に選定された長井線の経営を引き受けて存続させるため[6]、山形県や沿線地方自治体等が出資して設立された。本社は山形県長井市に所在する。 歴史路線車両2016年(平成28年)3月31日現在、1形式6両の気動車と、保線用モーターカー1両、計7両が在籍する[13]。
建築物長井市は、最上川舟運の港町であり、日本海から米沢に至る商業集散地として栄えた街である。工業も盛んであり、そのため長井市内には、数々の江戸、明治、大正、昭和前期の近代建築物や遺物が多く残っている。フラワー長井線の長井駅の駅舎も、昭和30年代に2代目に改築された旧国鉄長井駅舎であり、すぐそばには旧鉄道官舎も原型を残しながら現存している。また、終点の荒砥駅手前にかかる最上川鉄橋は、日本で最古の長大鉄橋である。この橋は元々、1887年にイギリスのメーカーによって製造され、東海道線の木曽川橋梁として使用されたものを移築したものである(揖斐川橋梁説もあるが、揖斐川橋梁は揖斐川橋として現存)。同じトラス橋が使用された左沢線の最上川橋りょうと共に、平成20年度選奨土木遺産に認定された。 また、2015年8月4日、開業当時からの駅舎が残る西大塚駅と羽前成田駅の駅本屋等が登録有形文化財に登録された[6]。 上下分離方式の導入・初の黒字転換運行しているフラワー長井線の乗客減により、山形県や沿線市町(長井市・南陽市・白鷹町・川西町)は年度ごとに計6000万円を補助して赤字を穴埋めするも、2016年度の業績予測では当期損益が1億円の赤字が見込まれた。そこで2017年10月4日に地域公共交通活性化再生法に基づく鉄道事業再構築実施計画を提出した。計画の期間は2016年12月下旬から2021年3月末までとし、計画には沿線2市2町が山形鉄道から鉄道用地を無償で取得して、山形鉄道に無償で提供することや、地域資源の活用ツアーや新グッズ開発が盛り込まれている。同年11月に国(国土交通省)から再構築実施計画が認定され、5年計画で経営再建することとなった。同年12月下旬には計画に基づき鉄道事業運営と施設・用地保有を切り離す「上下分離方式」を導入し、長井市をはじめとした沿線2市2町が施設整備費の1億1700万円を負担した。これにより、2017年3月28日の取締役会で2016年度決算が約1500万円の黒字に転換する見通しと報告された。黒字決算は20年ぶりである。事業者は計画中の5年間で前述のツアーやグッズの企画と鉄道施設維持・修繕経費として計8400万円を拠出して計6億円の予算で老朽設備の更新・修繕を実施する予定。最終的には2020年度までに680万円の純利益計上、輸送人員は2020年度に51万9600人(2015年度は59万7000人)を見込み、計画未実施に比べ1万7400人の増客を目標としている[11][12]。 飲食店などが購入して配る企業連携型片道乗車券の導入[19]など、利用促進の経済努力も行っている。 その他
脚注
参考文献
外部リンク
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