平和島競艇場
平和島競艇場(へいわじまきょうていじょう)は、東京都大田区にある競艇場である[1][2][3]。東京都内の競艇場(平和島競艇場、多摩川競艇場、江戸川競艇場)の中では最大の売上高をあげている。 通称は平和島競艇、BOAT RACE平和島(ボートレースへいわじま)(2010年以降)。 概要大森競走場(おおもりきょうそうじょう)として1954年(昭和29年)6月5日に東京都主催で開催されたのが最初である。しかし、売上が伸びなかったため翌年の1955年(昭和30年)には都営による開催が中止され、1955年9月20日から東京都府中市主催による開催となる。大田区から離れた府中市が参入した経緯は不明だが、府中市役所の競艇事業担当部長はその前年に1954年に市町村合併で府中市が発足したことに伴う財政上の目的だったのではないかと推測している[5]。 1957年(昭和32年)に平和島競走場に改称し、1960年(昭和35年)3月から相模湖モーターボート競走組合主催の開催も加わった。以降はこの2施行者によって開催されていたが、2004年(平成16年)度をもって相模湖モーターボート競走組合が解散し、現在は府中市による開催のみとなっている。従って、所在地の大田区は開催に関与していない。 現在の施設所有者は京浜急行電鉄(京急)グループの京急開発である。周囲には同社が所有するパチンコ店「レイトギャップ平和島」やゲームセンター「タイトーステーション」、天然温泉平和島や飲食店等が入る複合商業ビルやバッティングセンターなどがあり、平和島競艇はこれらと併せてビッグファン平和島の一部を構成している。 立地条件および利用者数の観点から、かつては「東のメッカ」と呼ばれたこともあり(全国的な「メッカ」は住之江競艇場)、その証しとして賞金王決定戦競走(グランプリ)が1991年・2000年・2014年・2020年の4回開催。SGの開催回数は30回と全競艇場の中で第2位の回数を誇り、ボートレースクラシック(当時は鳳凰賞)とチャレンジカップ(当時は競艇王チャレンジカップ)の2つは共に第1回大会が当地で開催(第1位は住之江競艇で60回)。トーナメント方式で争われるファン感謝3days ボートレースバトルトーナメント(一般戦)やBBCトーナメント競走(プレミアムGI)も第1回大会は当地で開催された。 2009年(平成21年)より、新しいファン層の開拓を狙って「平和島 DE よしもと」というイベントを行っている。2011年(平成23年)2月より、関東全5場とボートピア岡部・栗橋・横浜との間で関東地方総合払戻「どこでもはらいおん」を開始、2012年4月より全国総合払戻を実施。2012年以降は「TOKYO Afternoon Race」という名称で薄暮競走が行われ、6月から8月の間、進行が通常より1時間遅くなる。 2018年(平和30年)12月、投票によって「ボートレース平和島応援サポーター」に女性マジシャンのLUNAが就任。「“初代”ボートレース平和島応援大使」神園さやかの後任となる[6]。 マスコットキャラクターはクジラの「P☆STAR(ピースター)」である。 実況は、2011年2月までは日本モーターボート競走会 平和島事業所 業務部 審判課の松永良一アナ(元大川興業構成員)が担当。2011年3月より、福田裕美を筆頭にトシ・ヴォイスのメンバー(松岡俊道、高石順成、坂田博昭、伊藤政昭)や土屋和彦が実況を担当している。 中継映像に挿入されるテロップのほとんどはCGIで製作されており、SGやプレミアムGI開催日に地上波ならびにJLCが独自編成する中継映像とは異なる。また実況席及び後述のネット配信用スタジオとは別に、競技本部ビルにも簡易スタジオを設置し、一般戦でも予選及び準優勝戦の勝利者インタビューを実施している(24場で唯一の体制)。 投票締切前に流れるBGMは『僕達のお祭り前線』で、JLCでは場外締切3分前より流れる[7]。 なお、東京3場および戸田競艇場では現在、予想紙は『ボートレース研究』『ファイティングボートガイド』の2種類が発行・販売されている。全てカラーで価格は550円である。 24ヶ所ある競艇場で唯一G2競走が開催されていなかったが、令和6年度にMB大賞を開催することが2023年7月5日に発表されている。 施設の特徴施設内には一時期、スタンドとは「ベイプラザ」「東京テレシアター」が場内施設として設置されており、大型モニター等で競艇観戦を楽しむことができた。これらからは水面を肉眼で見ることはできない。現在はベイプラザは閉鎖され、東京テレシアターは後述の外向発売所「ボートレース平和島劇場」となっている。 スタンド側面には「世界は一家 人類は兄弟」という笹川良一の書が大きく掲示されていたが、2010年秋にレース場の看板広告と入れ替わる形で撤去された。 牛丼チェーン店の吉野家が施設内に設置されている。 2023年5月からスタンドなどの全面リニューアル工事が行われており、2マーク付近など一部箇所への立ち入りができなくなっている。リニューアル完了は2028年としている。 外向発売所元々設置されていた映像ホールの東京テレシアターを、外向発売所として有料席も設置した上で改装し、平和島競艇劇場の名称で2010年(平成22年)1月20日にオープンした。当初はナイター競走も含む1日最大4場48レース発売されていたが、2012年(平成24年)1月12日より1日最大6場72レース発売となり合わせて名称もボートレース平和島劇場に変更された。さらに2014年(平成26年)1月12日より1日最大発売場が8場(96レース)となり、全国の舟券発売場において最も多くのレースを発売している。2016年11月21日より12場併売を行う[8]。(12場併売は江戸川競艇場の外向発売所「BOAT RACE 365」に続き全国で2番目) 2014年8月1日に300インチLEDモニターが2台設置された[9]。 水面の特徴平和島と大森の海岸の間の運河を利用している。競走水面は海[2]で、水質は海水[1][2]。潮の満ち引きによる潮位の差はあるが、東京湾からの波は直接入ってくることはない。波は穏やかである[1]。しかし舟等が近くを通る場合があり、そのときには1マーク近くにうねりが発生する。また、付近をマンション等の建物に囲まれている為、強風が吹きやすい春先などはビル風と合わせてかなりの荒水面になる。そのため、全国平均で見ると走りづらい水面である。戸田競艇場や江戸川競艇場、鳴門競艇場等と並ぶ狭隘且つ難水面のイン受難水面と言われており、インの勝率も全国平均と比較して可也低く、センターやアウトコースからの差しや捲り、イン逃げをブロックされての抜きや差しが圧倒的に多く、インコース以外の勝率が軒並み全国平均を大幅に上回っている。又、1マークを旋回後のバックストレッチで斜行が厳禁とされている事から、その事もインの勝率が非常に低くそれ以外のコースの勝率が全国平均を大幅に上回る一因となっている。 スタートをすると選手は北側にある1マークに向かって舟を走らせることになる。1マークを回ったあとは対岸が右斜めになっているため、対岸に沿って走ると内が空きやすく「平和島のバックは内側が伸びる」と呼ばれる一因となっている[10]。 2マーク後方のピット横には大田区・平和島水質管理所が水質改善の為に設置した小さな滝があり[10]、海水を汲み上げてろ過させて放流する。これにより環境省が定める環境基準が保たれ、水面にはボラが跳ねる光景が見られる。落下点付近にフェンスが囲ってある為、水は競走水面には直接入ってこない。
風が1マークから2マークに吹く風を俗に言う「チルト3度の風」と実況の松永アナが表現しているが、まくりに適した風となっている。 主要開催競走春前に開催される鳳凰賞競走→総理大臣杯競走→ボートレースクラシック競走は開催数が17回と多い。SGの開催時には、来場客の先着者(日によって人数が違う)に専門予想紙を配布するというサービスを行っている。 周年記念 (GI) の名称はトーキョー・ベイ・カップであり[11]、企業杯 (GIII) としてキリンカップが行われている。正月には東京ダービー、春季大型連休には京急電鉄社長杯(2008年までは京浜急行社長杯)、お盆にはデイリースポーツサマーカップが行われている。 SG開催実績ボートレースクラシック・ボートレースダービー
その他SG
2020年の第35回グランプリは、新型コロナウイルス感染拡大防止のため、関東一都三県在住者を対象とした事前抽選による入場制限を実施[12]。 主な出来事中継・生配信
2012年3月12日より、ニコニコ生放送にて専門チャンネルによる無料生配信が開始。2020年4月以降はYouTube Liveでの配信も開始。一般戦などは10時30分から、薄暮競走は11時30分から、SGやGI初日および最終日は9時30分から、それ以外は10時から、いずれも全競走終了まで配信。SGやGI開催日および一部の一般戦には7レースよりMCにこんせいそんを招き、様々なゲストによる予想対決を中心にスタジオから生放送を行う。 こんせいそんの出演は原則として月末開催節及び上級グレード競走開催節のみの実施だが、新型コロナウイルス(COVID-19)の感染拡大に伴う全公営競技無観客開催措置と、第55回ボートレースクラシック・京急電鉄社長杯などが連続した為、緊急事態宣言発令中を含む2020年3月から6月までは例外として全節配信されている。 アクセス脚注出典
参考文献
関連項目
外部リンク
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