教授
教員における教授(きょうじゅ、英: professor, prof.)は、教育機関や研究機関における教育・研究面での指導的な立場の職階の一つ。大学(短期大学および大学院を含む)、高等専門学校といった高等教育を行う教育施設では世界各地に設けられている。日本では宇宙航空研究開発機構(JAXA)、大学入試センターなどにも教授職が存在する。 概説日本の学校教育法第九二条は「大学には、学長、教授、准教授(旧・助教授)、講師、助教、助手及び事務職員を置かなければならない。」と定めている。大学教授職という場合には、字義通りには正教授のみを指すが、助教や講師等の職階を含む教員集団全体を教授職と呼ぶこともある[1]。 大学教授職の特質大学教授職は以下のような特質を有する。
ヨーロッパヨーロッパの大学教授は国家とギルドを対極とする構造をとどめており、大学の組織構造では国家と教授の権限が強くなっている[5]。 ボローニャ大学やパリ大学など、大学はもともと学問ギルド(同業者組合)として誕生し、教員はその同業者組合の組合員であった[6]。大学は幅広い社会階層に開かれていたが、学寮型の大学に移行するとともに、ラテン語による教育や単位の取得、学問のための費用などの要因からエリート層に限定された組織となり、大学教授職もエリート色の強い地位に変化した[7]。 科学や研究が未発達な段階では、教授職は宗教を中心とするカリキュラムを媒介として学生に知識を伝達する教師であり教育に重点が置かれていた[7]。19世紀前半になるとベルリン大学などで科学的研究が本格化し、大学教授は教師から研究者や科学者としての役割に比重が移った[8]。 日本教授の資格日本における教授の資格については、法令に基づく形がとられている。各種法令においては、最低基準としての教授の要件が例示されている。教育施設ごとに規程・規則等が定められ、規程・規則に基づいて、少なくとも法令が定めている基準以上の者を教授として選考する。 大学設置基準大学設置基準第14条では以下のように定められている。 第14条:教授となることのできる者は、次の各号のいずれかに該当し、かつ、大学における教育を担当するにふさわしい教育上の能力を有すると認められる者とする。
教授職の種類一般に教授と呼ばれる大学教員にも、以下のような種類がある。なお、主任及び専任教授の場合には、定年満了まで教授職に留まれるが、客員教授や招請(招聘)教授の場合には、一定の年限が課されている場合が多い。特に、客員の場合には、寄附講座の設置などによって新たに設置される教授職のためである。招請の場合には、他学校との併任である場合が多い。なお、同様の職制として准教授、講師、助教、助手(一般には研究員とされることが多い)にも同じような種類が存在する。
さらに2018年(平成30年)10月に岡山大学が優秀な准教授が管理業務などを免除され、研究に専念することができる「研究教授」制度を制定[9]。2018年(平成30年)11月現在、5名の研究教授がいる[10]。 以上のように、「教授」の使用も多様化する傾向にある。 教授の任命各学校及び研究所毎の内規によって定められている。 最終任命権者は、国立の場合には学長、公立、私立の場合には理事長もしくは学長・総長である。 通常、教授の任命にあたって本人に試験が課されるということはない。
フィクションにおける「教授」フィクション作品(小説、漫画、アニメ、テレビドラマ、映画など)にも「教授」あるいは「プロフェッサー」と呼ばれるキャラクターは数多く登場する。大学等の現役教員や名誉教授である場合だけでなく、善悪両面の学識への敬意・畏怖から、退職後も又は教授職に就いたことがないのにそう呼ばれたり、知恵者や優秀な科学者・技術者、マッドサイエンティストの自称・他称として使われたりする作品もある[11]。 ※ 教授 (曖昧さ回避)も参照。 脚注
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