『東京原子核クラブ』(とうきょうげんしかくクラブ)は、マキノノゾミの戯曲である。1997年1月に東京国際フォーラムで初演され、以降複数回にわたり、六本木俳優座劇場、渋谷パルコ劇場などで、俳優座劇場、劇団M.O.Pにより公演された。初演の年に読売文学賞戯曲・シナリオ賞を受賞した。本作は東京国際フォーラムのこけら落とし公演のために書き下ろされた作品である。
この作品は戦前の下宿屋を舞台とした青春群像劇であり、一癖も二癖もある下宿の住人たちや、情に厚い大家、男勝りなその娘が織りなすコメディである。一方で舞台が後半に差しかかると、戦争により暗い影がさすようになり、シリアスな場面が中心となる。主人公の友田はノーベル賞物理学者の朝永振一郎がモデルである。
あらすじ
昭和7年、東京・本郷にある古い洋館を改造した下宿屋「平和館」で、理化学研究所に勤める新米物理学者、友田は研究所のレベルの高さに自信喪失し、部屋を引き払い故郷へ帰ろうとしていた。そこへ研究所の先輩、武山がやってくる。武山は友田の決意をつゆ知らず、友田の研究が認められこれから忙しくなると言い残し、自室に仮眠をとりにいく。友田は研究所に残る決意をする。
ギャンブル狂いのピアニストや、正体不明のあやしい女、飲んだくれの売れない劇作家、先輩研究者、男やもめの大家と、男勝りな娘など。平和館の住人はあやしくも個性的で愉快な人びとであった。
やがて戦争の時代となり、住人たちの生活も一変する。
出演
ここでは上演された劇場と年で分ける。
東京国際フォーラム(1997年)
パルコ劇場(1999年)
- 友田晋一郎 - 西川忠志
- 橋場大吉 - 木下政治
- 早坂一平 - 三上市朗
- 大久保桐子 - 南谷朝子
- 箕面富佐子 - キムラ緑子
- 武山真先 - 阿南健治
- 大久保彦次郎 - 酒井高陽
- 谷川清彦 - 大家仁志
- 小森敬文 - 小市慢太郎
- 狩野良介 - 大石継太
- 西田義雄 - 小林勝也
- 林田清太郎 - 奥田達士
- ラジオの声 - 川下大洋
- 演出 - マキノノゾミ
俳優座劇場プロデュース(2006年)
俳優座劇場プロデュース(2008年 - 2012年)
2008年8月から俳優座劇場にて上演。
書籍
外部リンク