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柴田錬三郎賞

柴田錬三郎賞(しばたれんざぶろうしょう)は、集英社が主催し、一ツ橋綜合財団が後援する日本の文学賞1988年柴田錬三郎の業績を称えて創設され、以降年1回発表されている。前年の7月1日から当年の6月30日までに刊行された小説から、真に広汎な読者を魅了しうる作家と作品を対象として選出される。

受賞者には正賞として記念品、副賞として300万円が授与される。例年『小説すばる』12月号にて公表される。また集英社では、すばる文学賞小説すばる新人賞開高健ノンフィクション賞と併せて出版四賞と位置付けている[1]

受賞作一覧

第1回から第10回

回(年) 受賞者 受賞作 刊行
第1回(1988年度) 受賞 高橋治 『別れてのちの恋歌』 1988年7月 新潮社
『名もなき道を』 1988年5月 講談社
第2回(1989年度) 受賞 隆慶一郎 一夢庵風流記 1989年3月 読売新聞社
第3回(1990年度) 受賞 皆川博子 『薔薇忌』 1990年6月 実業之日本社
第4回(1991年度) 受賞 北方謙三 『破軍の星』 1990年11月 集英社
宮本徳蔵 『虎砲記』 1991年5月 新潮社
第5回(1992年度) 受賞 白石一郎 『戦鬼たちの海──織田水軍の将・九鬼嘉隆』 1992年3月 毎日新聞社
第6回(1993年度) 受賞 半村良 『かかし長屋』 1992年11月 読売新聞社
第7回(1994年度) 受賞 伊集院静 機関車先生 1994年6月 講談社
第8回(1995年度) 受賞 林真理子 『白蓮れんれん』 1994年10月 中央公論社
第9回(1996年度) 受賞 連城三紀彦 隠れ菊 1996年2月 新潮社
第10回(1997年度) 受賞 帚木蓬生 『逃亡』 1997年5月 新潮社

第11回から第20回

回(年) 受賞者 受賞作 刊行
第11回(1998年度) 受賞 夢枕獏 神々の山嶺【上下】』 1997年8月 集英社
第12回(1999年度) 受賞 池宮彰一郎 『島津奔る【上下】』[注 1] 1998年12月 新潮社
第13回(2000年度) 受賞 西木正明 『夢顔さんによろしく』 1999年7月 文藝春秋
浅田次郎 壬生義士伝【上下】』 2000年4月 文藝春秋
第14回(2001年度) 受賞 志水辰夫 『きのうの空』 2001年4月 新潮社
第15回(2002年度) 受賞 坂東眞砂子 『曼荼羅道』 2001年11月 文藝春秋
第16回(2003年度) 受賞 藤堂志津子 『秋の猫』 2002年11月 集英社
第17回(2004年度) 受賞 桐野夏生 『残虐記』 2004年2月 新潮社
大沢在昌 『パンドラ・アイランド』 2004年6月 徳間書店
第18回(2005年度) 受賞 橋本治 『蝶のゆくえ』 2004年11月 集英社
第19回(2006年度) 受賞 小池真理子 『虹の彼方』 2006年4月 毎日新聞社
第20回(2007年度) 受賞 奥田英朗 家日和 2007年4月 集英社

第21回から第30回

回(年) 受賞者 受賞作 刊行
第21回(2008年度) 受賞 唯川恵 『愛に似たもの』 2007年9月 集英社
第22回(2009年度) 受賞 篠田節子 『仮想儀礼【上下】』 2008年12月 新潮社
村山由佳 ダブル・ファンタジー 2009年1月 文藝春秋
第23回(2010年度) 受賞 吉田修一 横道世之介 2009年9月 毎日新聞社
第24回(2011年度) 受賞 京極夏彦 西巷説百物語 2010年7月 角川書店
第25回(2012年度) 受賞 角田光代 紙の月 2012年3月 角川春樹事務所
第26回(2013年度) 受賞 東野圭吾 夢幻花 2013年5月 PHP研究所
第27回(2014年度) 受賞 木内昇 『櫛挽道守』 2013年12月 集英社
第28回(2015年度) 受賞 中島京子 『かたづの!』[3] 2014年8月 集英社
第29回(2016年度) 受賞 井上荒野 『赤へ』[4] 2016年6月 祥伝社
第30回(2017年度) 受賞 花村萬月 『日蝕えつきる』[5] 2016年8月 集英社

第31回から

回(年) 受賞者 受賞作 刊行
第31回(2018年度) 受賞 奥泉光 『雪の階』 2018年2月 中央公論新社
第32回(2019年度) 受賞 姫野カオルコ 『彼女は頭が悪いから』 2018年7月 文藝春秋
第33回(2020年度) 受賞 伊坂幸太郎 『逆ソクラテス』 2020年4月 集英社
第34回(2021年度) 受賞 朝井まかて 『類』 2020年8月 集英社
朝井リョウ 『正欲』 2021年3月 新潮社
第35回(2022年度) 受賞 青山文平 『底惚れ』 2021年11月 徳間書店
金原ひとみ 『ミーツ・ザ・ワールド』 2022年1月 集英社
第36回(2023年度) 受賞 池井戸潤 ハヤブサ消防団 2022年9月 集英社
第37回(2024年度) 受賞 佐藤究 『幽玄F』 2023年10月 河出書房新社

選考委員

  • 第1回から第7回 長部日出雄黒岩重吾陳舜臣津本陽吉行淳之介(ただし、第7回は吉行淳之介が選考会前に死去し、陳舜臣も選考会を欠席した)
  • 第8回から第14回 長部日出雄、黒岩重吾、津本陽、半村良渡辺淳一
  • 第15回 長部日出雄、黒岩重吾、田辺聖子、津本陽、渡辺淳一
  • 第16回から第18回 長部日出雄、田辺聖子、津本陽、渡辺淳一
  • 第19回から第21回 伊集院静、長部日出雄、田辺聖子、津本陽、渡辺淳一(ただし、第21回は長部日出雄が入院中のため欠席し、書面で回答)
  • 第22回から第26回 浅田次郎、伊集院静、長部日出雄、津本陽、林真理子、渡辺淳一
  • 第27回 浅田次郎、伊集院静、長部日出雄、津本陽、林真理子
  • 第28回 浅田次郎、伊集院静、長部日出雄、桐野夏生、津本陽、林真理子
  • 第29回 伊集院静、長部日出雄、桐野夏生、津本陽、林真理子
  • 第30回 伊集院静、逢坂剛、長部日出雄、桐野夏生、津本陽、林真理子
  • 第31回 伊集院静、逢坂剛、長部日出雄、桐野夏生、林真理子
  • 第32回 伊集院静、逢坂剛、桐野夏生、篠田節子、林真理子
  • 第33回から第36回[6] 伊集院静、逢坂剛、大沢在昌、桐野夏生、篠田節子、林真理子
  • 第37回[7] 逢坂剛、大沢在昌、桐野夏生、篠田節子、林真理子

脚注

注釈

  1. ^ 司馬遼太郎『関ケ原』と類似した部分があり、絶版・回収になった[2]

出典

  1. ^ "集英社出版四賞."集英社公式サイト内. 2024年10月8日閲覧。
  2. ^ <池宮彰一郎さん>「島津奔る」絶版に また、司馬さんと類似 - 毎日新聞
  3. ^ 柴田錬三郎賞に中島京子さんの「かたづの!」”. 日本経済新聞 (2015年10月1日). 2017年10月8日閲覧。
  4. ^ 柴田錬三郎賞に井上荒野さん”. 日本経済新聞 (2016年10月5日). 2017年10月8日閲覧。
  5. ^ 柴田錬三郎賞に花村萬月さん”. 時事ドットコム (2017年10月3日). 2017年12月16日閲覧。
  6. ^ "柴田錬三郎賞受賞作一覧."文学賞の世界. 2024年10月8日閲覧。
  7. ^ "柴田錬三郎賞第37回."集英社出版四賞公式サイト. 2024年10月8日閲覧。

関連項目

外部リンク

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