海堂尊
1961年12月21日[1] -)は、日本の作家、医師、博士(医学)(千葉大学)。外科医、病理医を経て、現在は執筆業に専念[2][3][PR 1]。福井県立大学・客員教授[4]。放射線医学総合研究所・重粒子医科学センター病院の病理医時代に、Ai(死亡時画像診断)の概念を提唱、Ai学会を創設し、社会導入を進めた[5]。「海堂尊」はペンネームである[6][PR 2][7]。 (かいどう たける、本名:非公開、2005年、第4回『このミステリーがすごい!』大賞を受賞し、2006年に受賞作を改題した『チーム・バチスタの栄光』で作家デビュー[3]。「バチスタ」シリーズは多数映像化され[5][8]、累計1750万部を超える[9]。2008年、Aiの必要性を訴えた『死因不明社会』で科学ジャーナリスト賞を受賞[10][11][12]。『ジェネラル・ルージュの凱旋』『ブラックペアン1988』『ジーン・ワルツ』『トリセツ・カラダ』など著書多数[10][13]。 来歴1961年、千葉県生まれ[3][10]。千葉県立千葉高等学校に進学し、高校3年までは剣道部中心の生活を送る[14]。高校卒業後、1年の浪人生活を経て、千葉大学医学部医学科に入学[3]。大学では剣道と麻雀に夢中になり、1年留年した[15][16][11]。医学部の剣道部で主将を務め、東医体に出場[14][17]。1988年に千葉大学医学部医学科卒業[18][19]。同年4月、千葉大学の第1外科(現:臓器制御外科)に入局し、外科医として6年間勤務[18][15][2]。1993年4月、千葉大学大学院医学研究科に入学し、病理学を学ぶ[18][15]。1997年3月、同博士課程修了、博士号取得[18]。学位論文は「血液系細胞株K562におけるTPA誘導CD30抑制機構の解析」[15][20]。 1997年4月より放射線医学総合研究所・重粒子医科学センター病院(現:量子科学技術研究開発機構・QST病院)に病理医として勤務し[18][15][21]、病理解剖(亡くなった患者を解剖し、病巣を摘出し標本にしてから死因や治療効果などを検証する仕事)を行った[8][2]。千葉大学医学部・非常勤講師も務めた[15]。2000年2月から、オートプシー・イメージング(Ai=死亡時画像病理診断、CTやMRI等を使用した画像診断で、死亡診断を行う)に取り組み始め、Aiの重要性と社会制度への導入を訴えた[8][15][2][22]。Ai関連医学書は本名で著していた[18]。2003年にAi学会を作った[8][15][23]。 2005年、Aiの社会導入が閉塞状態に陥っていた43歳の時、トリックを思いついたので小説『チーム・バチスタの栄光』を書き、それが第4回「このミステリーがすごい!」大賞を受賞した[2][24]。2006年、受賞作を『チーム・バチスタの栄光』に改題して作家デビュー[3][25]。小説は、大学院時代に瀬名秀明の『パラサイト・イヴ』を読み、自分にも書けると思って書いたが、5枚しか書けなかったことがある[11][14]。子どもの頃から「本を1冊書く」「書店に並んだ自分の本を見る」のが夢だったが、作家になりたいのではなかったため、3部作を書いたら引退するつもりだった[2][14]。しかし、受賞後は依頼が次々と来て、引退するきっかけを失ったとしている[2]。 2009年、Ai研究を巡る言及で、深山正久・東大教授から名誉毀損で提訴された[26][27]。 同年、オートプシー・イメージング学会の学会誌に、同学会サイトに掲載された1000字提言が掲載されるのが常であったにもかかわらず、海堂の提言のみを1人の理事が独断で不掲載にした疑いがあるとして言論封殺と批判した[28]。問題の理事は、後に、学会誌との整合性を取るためとしてサイト上の提言も削除しようとするが、理事会で満場一致で否決されている。[28] 2010年3月、前年のAi学会理事会の混乱の責任を取るという名目で、海堂はAi学会理事から退く[28]。一連の混乱の原因は、Aiの導入に当たって、病理医学会が主導権を取れば、もともと病理解剖にすら予算が付かない状況下で、放射線科医が無償奉仕を強いられる形になり、法医学学会が主導権を取れば、Aiで得られたデータが、警察・検察の捜査情報として秘匿・隠蔽される危険性があることから、Aiの提唱者である海堂自身は、読影を行う放射線科医が中心となるべきであると提唱していたが、その主導権争いに端を発していることを、海堂は指摘している。[28]。また、理事を辞任した後も、同学会や一般財団法人Ai情報センターとの良好な関係は続いており、2020年に再度、理事会の混乱があり、瓦解の危機が起こったときは、創立者として、正常化のために尽力している。[29] 2014年からは、放射線医学総合研究所の非常勤医として、ほぼ専業作家になっている[2][3][PR 1]。 私生活では1994年に結婚し2児の父。特技は県立千葉高校から始めた剣道(3段)。また、中学以来、将棋の熱心なファンであり[30][1]、2012年、第70期名人戦第一局の観戦記を執筆した[31][PR 3]。 受賞・候補歴
作風メディカルエンターテイメント作家として活動する。全ての作品が東海地方の架空の地方都市である「桜宮市」を中心に舞台設定を共有する[32][5]。それらの作品間リンクに伴い、別作品のキャラクターがクロスオーバーして度々登場し、各作品はそれぞれ血縁関係者や背景が関わっている。 単行本から文庫化の際には、読みやすさを重視して改訂し[33]、「螺鈿迷宮」では約1割の減量化がされ、「イノセント・ゲリラの祝祭」では(同じ時系列、同じ主要登場人物で)別作品である「東京都二十三区内外殺人事件」を内部に組み入れる形で再構成がなされている。 業界屈指の速筆として知られている[2]。その際、BGMとしてJ-POPを流し、本人はテーマ・ソングと呼んでいる[14]。 エピソード深山正久・東大教授への批判Ai(死亡時画像診断)については東京大学大学院医学系研究科人体病理学・病理診断学分野の深山正久教授も研究しているが、これを「Ai導入に反対の立場で研究を行い、Aiの普及、発展を阻害してきた」と指摘し、日経メデイカルオンラインのブログと宝島社のサイト内[PR 4]で「病理学会上層部と官僚の癒着による学業業績剽窃事件」「先行研究を無視した暴挙で、『盗作』に等しい」[34][PR 1][35]などと主張したため、深山教授に名誉毀損で330万円の損害賠償を求める訴えを起こされた(記事を掲載した日経BPと宝島社も提訴された)[36][37][7]。深山教授は、「内容は虚偽。取材を一切受けておらず、ずさんな手法は悪質で違法性が高い。公正な言論活動の枠を超えている」と主張し、海堂は「提訴は言論封殺が目的」と主張した[36][38][PR 1]。一審では「記述が真実と認めるに足る証拠はない」として名誉棄損を認定し、海堂に110万円の支払いを命じた(2010年1月18日)[39][40][41]。判決後、記者会見で海堂は、「問題提起で、深山氏をひぼう中傷するものではない。裁判ではなく、学術の枠組みで議論すべき問題だ」と話した[40][42]。二審でも「盗用の証拠はない」として名誉毀損が認定されて敗訴するが、「ブログの記述は厚生労働省の科学研究費補助金に関する内容で、公益目的が高かった」として60万円に減額された(2011年1月12日)[43][44][34]。海堂は最高裁に上告したが2011年7月8日に棄却され、60万円の損害賠償が確定した[26][27][44]。その後、海堂はこの件について複数の著書やインタビューなどで言及し、「裁判後も文化的組織から講演依頼があるので、社会からの判決は無罪」「どちらが社会的に正しかったかは答えが出ている」「裁判後に批判した内容に反論がないので主張は事実だった」といった内容を語っており、また裁判については「裁判官の日本語能力の低さ」を批判している[PR 1][35][PR 3][45]。海堂は、ブログなどで多くの人を実名で批判してきたが、以前にも日経メディカルオンラインのブログで千葉大学法医学の教授を批判し、日経BPが記事を削除したことがある[46][PR 5][PR 6]。 作品小説田口・白鳥シリーズ→詳細は「田口・白鳥シリーズ」を参照
作者はこのシリーズを「東城大学シリーズ」としている[PR 7]。
バブル三部作作者はこのシリーズを「バブル三部作」としている[PR 8]。出版元の講談社は「ブラックペアン」シリーズとしている[47]。
海堂シリーズ現代篇作者はこのシリーズを「海堂シリーズ現代篇」としている[PR 9]。
極北篇
ポーラースター・シリーズ出版元の株式会社文藝春秋は「ポーラースター・シリーズ」シリーズとしている[48]。
コロナ三部作
その他の小説
単著未収録短編
単著未収録作品
小説以外の著作
共著
編纂
監修
Ai関連医学書
論文
メディア・ミックス映画
テレビドラマ
漫画
コンピュータゲーム
出演
脚注
記事主題の関係者による情報源
関連項目外部リンク
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