琵琶湖西縦貫道路
琵琶湖西縦貫道路(びわこにしじゅうかんどうろ)は、木之本インターチェンジ (IC) から琵琶湖北側を経て、西近江路に沿って琵琶湖西岸(湖西地域)を通り、名神高速道路京都東ICに至る高規格道路[1]。国道161号のバイパス道路である。区間の大半を占める琵琶湖西岸部全体が湖西道路と呼ばれる場合もある[2]。 概要国道161号は1964年(昭和39年)に滋賀県の事業によって県内の一次改築が完了した[3]。しかしながら、幅員は狭く線形が悪い上に、福井県境(嶺南)から高島町(当時)までの35.2 km(キロメートル)は積雪寒冷地帯であった[3]。そのため、交通量の増加や車両の大型化、降雪時の交通難には対応できなくなった[3]。そこで、1966年(昭和41年)5月に国道161号全線が建設省の直轄の管理下(指定区間)になり、同時に二次改築の計画が立案された[3][4]。この二次改築計画に従い、逐次バイパスの供用や現道の拡幅がすすめられている[3]。 1994年(平成6年)12月に国道161号を含む区間が地域高規格道路「琵琶湖西縦貫道路」の計画路線として指定を受けた[5][6]。この道路の整備により、北近畿・湖西地域と京阪神圏・大津市中心部との連携が強化され、観光面などで地域活性化が期待されている[7]。 各事業区間塩津バイパス→詳細は「塩津バイパス」を参照
塩津バイパス(しおつバイパス)は、滋賀県長浜市の延長3.5kmの国道8号(国道303号と重複)のバイパスである。一部供用済み。 マキノ拡幅マキノ拡幅は滋賀県高島市マキノ町野口から同市マキノ町海津に至る延長4.1 kmの改築事業である[8]。この区間は現道の道幅が狭く、冬季の除雪余裕幅が無かったため1975年に事業化された[8]。1978年(昭和53年)11月18日にマキノ町野口地先の狭い区間のバイパス道路として「野口局改」が暫定2車線で供用開始した[8]。1998年にはマキノ町海津地区の登坂車線の設置をもって暫定開通。なお第2工区は国道303号との分岐点より北にあり、本来の予定にある木之本IC方面に向かわない場所にある。
湖北バイパス湖北バイパスは、滋賀県高島市マキノ町海津から同市今津町弘川に至る延長10.8 kmの道路。人家連担部の狭隘区間における交通混雑を解消させるために建設された[11]。全線が国道303号との重複区間である。なお、路線名に「湖北」の名が付くが、長浜市湖北町域は通過しない[注釈 1]。 蛭口仮出入口以北は未供用となっており、現道に接続されている。なお、木之本IC方面へは同出入口から北東へ延伸する予定となっている[12]。
高島バイパス高島バイパス(たかしまバイパス)は、滋賀県高島市今津町弘川から同市打下に至る延長15.3 kmのバイパス道路[22]。道の駅藤樹の里あどがわ付近の区間が側道のみの供用となっており、交通事故が多発している[23]。 国道161号の当時の現道は特に幅員が狭く、第1期工事として1970年(昭和45年)に着手、1975年(昭和50年)に開通した[24][4]。高島町勝野から打下の区間は1978年(昭和53年)から工事に着手し、1982年(昭和57年)12月27日に下り線、1983年(昭和58年)7月27日に上り線が開通[24]。この開通により、滋賀県内の国道で初めて琵琶湖上をまたぐ延長290 mの橋梁が設置された[24]。新旭町饗庭から安曇川町青柳の区間は用地買収は順調に進んだものの、遺跡の発掘調査が長期に及んだ[4]。2016年(平成28年)3月27日に安曇川北ランプと接続する青柳北交差点の立体交差化工事が完了し、道の駅藤樹の里あどがわの北にある青柳交差点に新たなハーフランプが設置された[25]。2016年(平成28年)4月1日には、同じく側道のみの青柳交差点や藤樹神社口交差点についても国道161号安曇川地区交差点立体化事業として新規事業化された[26]。
小松拡幅高島市打下から大津市北小松の間の現道拡幅を主体とした事業である[42]。平面区間は1974年(昭和49年)に高島市勝野から同市鵜川までが片側2車線に拡幅され供用開始、1988年(昭和63年)に高島市と大津市の境界付近1 kmが片側1車線のまま移設され曲線が緩和されたが、高架区間は2015年時点では大津市北小松集落南方の滝川を渡る部分の基礎しか工事がされていない。小松拡幅の事業が進んでいない高島市鵜川付近の白鬚神社に隣接している区間は初めは琵琶湖側に道路を張り出す形で4車線化する計画であったが、環境や景観を保護するため山手にトンネルを通すルートが基本方針となった[43][44]。 2021年(令和3年)に国土交通省が発表した広報資料によると、大津市北小松の延長2.4 kmが2025年(令和7年)秋に開通予定である[45]。 2021年6月16日全長414mの北小松トンネルが貫通した。[46]
志賀バイパス志賀バイパス(しがバイパス)は、滋賀県大津市北小松から同市荒川に至る延長6.4 kmの道路。2001年(平成13年)7月12日に志賀ICから同市北比良の滋賀県道322号比良山線 (3.0 km) までの供用を開始し[49]、2012年(平成24年)12月8日に残っていた大津市北小松 - 北比良(比良ランプ)の区間3.4 kmも供用されて全線で供用を開始となった[50]。志賀IC以北の区間は、最終的には4車線化する計画であるが、当面は片側1車線で暫定供用している[51]。なお、同区間で並行する国道161号線では環境基準を大幅に上回る騒音と、琵琶湖へのレジャー客やスキー客の車などで、最大で総延長8.8 km、通過には40分かかる渋滞が多発しており、それが解消すると期待されている[51][52]。なお志賀バイパスは自動車専用道路ではないが、接続先の湖西道路にあわせて、ミニカー、125 cc以下の自動二輪、原動機付き自転車[53]、軽車両、歩行者は通行禁止になっている。側道が整備されており、歩行者・自転車・原付も通行可能。
湖西道路湖西道路(こせいどうろ)は、滋賀県大津市荒川から同市下阪本に至る延長約16.7 kmの自動車専用道路。事業着手は1978年(昭和53年)で、総工費は158億円[57]。 1986年(昭和61年)6月25日、日本道路公団が管理する一般有料道路として供用を開始したが、割高感(全線で普通車830円)から利用が低迷したこともあり、国は2005年(平成17年)3月25日、公団民営化を契機に178億円(うち滋賀県が62億円を負担)で買収し、2005年8月1日0時より通行料が無料となった。 無料開放後は、以前から慢性的な渋滞が発生している国道161号から流入する車両が急増したが、暫定2車線のため、特に休日には上下線とも仰木雄琴ICを先頭に渋滞が発生するほどになっている。また、無料開放後は全線で追い越し禁止とされたが、正面衝突事故が多発しているため2008年(平成20年)4月、仰木雄琴IC - 真野IC間の上り線に「ゆずり車線」が設置された。さらに、渋滞が多発しているため、2015年(平成27年)度に真野IC - 坂本北ICを4車線化することが決定した[58]。同区間の開通は2025年(令和7年)秋を予定している[45]。 志賀インターチェンジと蓬莱間や仰木の里付近などは側道が整備されている。
西大津バイパス西大津バイパス(にしおおつバイパス)は、滋賀県大津市坂本本町から同市横木1丁目に至る延長10.1 kmの道路[66]。大津市街中心部での国道161号や逢坂山を越える国道1号の交通混雑を解消するために事業化された[66]。 このバイパス道路の工事に先だった発掘調査では穴太廃寺や瓦工場の遺跡である榿木原遺跡が発掘されている[67]。このうち、穴太廃寺の発掘により、道路構造を掘割から高架へと設計が変更された[67]。また、このバイパスの長等トンネルが三井寺(園城寺)の境内を通過するため、「宗教の尊厳」が失われるとして寺と建設省(当時)が対立し、工事の進捗が大幅に遅れた[68]。 2011年3月29日に4車線化事業が完成し供用を開始したことから、かつて多発していた長等トンネル内などでの渋滞は解消されている。終点の藤尾南ランプは、大津市と京都市の境界に位置する。
インターチェンジなど
脚注注釈出典
参考文献
関連項目
外部リンク
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