『破れ新九郎』(やぶれしんくろう)は、テレビ朝日系列で1978年10月3日から1979年3月27日まで毎週火曜午後9時に放送された、萬屋錦之介主演のテレビ時代劇。全25話。同じく錦之介主演の『破れ傘刀舟悪人狩り』『破れ奉行』とあわせて「破れシリーズ」と呼ばれている[1]。
概要
時代設定は江戸時代の天保初年。主人公は、動物専門の医者・新九郎。江戸は内藤新宿にある「えんま長屋」に、引っ越してきて「生き物一切医療仕り候 金魚、小鳥より牛、馬まで 但し人間お断り」という看板を掲げ住む。
正義感の持ち主であり、関係した事柄(事件)などに関連する悪人共を、長屋の住人と共に退治していく。
第1話「砂塵の町に来た男」の番組冒頭では、ドラマでの設定場所、時代設定での「天保初年」との比較で、現代の(撮影当時の)新宿の風景(ヘリコプターでの新宿の高層ビル群の空撮、新宿駅山手線ホーム、歩行者天国、歌舞伎町一番街、靖国通りの車の通行風景など)が流された(これらの映像は吉岡晋也[注釈 1]のナレーションでも解説された)。
第2話「えん魔がくれた千両箱」では時代劇(特にひばり映画を含む)、および任侠映画の巨匠沢島忠が、親友である錦之介の依頼によって監督している。
主人公の新九郎の悪を成敗する時の決め台詞は特にないが、オープニングでは毎回必ず「てめえら、寝てる場合じゃねぇんだ!」と言っていた(本編では第14話で刀舟そのままに「てめえら人間じゃねえや!叩っ斬ってやる!」と言っている)。
ゲストに、大友柳太朗[注釈 2]、中村嘉葎雄[注釈 3]、西郷輝彦、加藤嘉、石橋蓮司、橋爪功、波乃久里子、長谷川明男など豪華な顔ぶれが出演している。
また、前々作「破れ傘刀舟悪人狩り」にレギュラーで出演していた江波杏子(第16話)や真夏竜(第17話)も、前々作とは異なった役でゲスト出演していた。
登場人物
- 「えんま長屋」に住む動物医者(第1話で他所から来て住む事となる)。白いメッシュに藍色の着物とパンタロンをはき、ルーペ付きのネックレスをかけている。動物医者でありながら、ねずみが大の苦手。人間は原則として診ないが、例外もある(第1話、第2話、第7話など)。
- 元は侍で剣術や関節技の使い手であり、吉兵衛、十吾、主水らと共に悪を成敗する。「破れ傘刀舟」同様、医者ながら土足で悪党の屋敷に乗り込み、相当身分の高い者まで成敗する。閻魔長屋の住民からは「破れの先生」と呼ばれている。最終回で老中を花火で爆殺した後、誰にも別れを告げずに長屋に出した看板の裏に「あばよ」と書いて動物たちを連れて旅立っていった。
- 「えんま長屋」に住む大工。「喧嘩が飯より好き」と言い、「やってやろうじゃねえか!」が口癖。隣に引越してきた初対面の新九郎に喧嘩を挑むが敗れ、以降は新九郎の手助けをするようになる。大工なだけに力持ちで鑿(のみ)を使って敵の急所を刺すのを得意としている。家賃を長く滞納しており、長屋の大家 おきん と 差配の治助からよく家賃の催促をされている。新九郎と同じくねずみが苦手。
- 「えんま長屋」の大家。「大家と言えば親も同然、店子と言えば子も同然」が口癖。
- 問屋場に勤めている元同心。「えんま長屋」に母親と二人で暮らしており、父親も同心だったが盗賊に殺されてしまう。真面目で正義感が強く、悪党退治する際は新九郎らと行動を共にする。短剣を2本持って戦う。
- 「えんま長屋」に住んでおり、この長屋の差配。幼なじみの吉兵衛には子供の頃からいじめられており、今も同じ。悪党退治の手伝いをしたりする。損な役回りが多く、高所恐怖症にもかかわらず、第2話では火事の半鐘鳴らしをさせられてしまう。
- 「えんま長屋」に住む、元公儀天文方の浪人。その実力は高く、大名家からも天気の予報を尋ねにくる。下駄をとばして天気を占っている様に見せて稼いでいるが、実際は風向や空気の湿気、雲の動きなどから天候を予測している。これが悪党退治に一役買うこともある(第7話など)が、調子の悪い時はしばらく当たらない場合がある。剣術の使い手で逆手で斬ることが多い。新九郎と同じくねずみとおよしが苦手。
- うわばみのおよし - 春川ますみ(第1話 - 第21話、第23話 - 第25話)
- 「えんま長屋」の隣にある「玉屋」(遊廓)の女郎。刺青をしており、「うわばみ」のあだ名のとおり大酒飲みで気が強く、新九郎の手助けをすることもある。
- 竹之助 - 池上季実子(第1話 - 第12話、第14話 - 第25話)
- 亀屋(蕎麦屋)の出前持ちで男装をしている。第6話で、呉服問屋の娘で本名は「おさと」であることが明らかとなった。最終回でようやく娘姿になっていた。
- 同心。宗方十吾の親友。セミレギュラーであるが、レギュラー陣に比べ出演時間が短いため、OPクレジットではゲスト枠として登場する。
- 八兵衛 - 嵐寛寿郎(第1話 - 第21話、第23話 - 第25話)
- 問屋場の頭。人呼んで「内藤新宿の眠り狼」。新九郎らの斬り合いの裁きを、「只今、取調中」、「10年早い」、「証拠不十分」などと言って役人を一蹴する。惚けているように見えるが、慧眼の持ち主である。
スタッフ
サブタイトルリスト
ネット局
同時ネット
遅れネット
脚注
注釈
- ^ 当時のテレビ朝日アナウンサー。主に「ANNニュースレーダー」等の報道・情報番組やスポーツ中継の実況を担当していた。
- ^ 前作「破れ奉行」で嶋屋宇兵衛役で出演(第5話より最終回まで)。
- ^ 新九郎役の錦之介の実弟で、奇しくも前々作の「破れ傘刀舟悪人狩り」第110話「天保ねずみ小僧異聞」の時とほぼ同じ役で出演している。
- ^ OPのテロップでは「破れ新九郎」と表記。
- ^ 北陸放送からのマイクロ回線受けで日曜22:30 - 23:25に放送されていた。
出典
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1959年10月 - 1960年4月 (NETテレビ、15分枠) |
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1962年10月 - 1963年3月 (NETテレビ、30分枠) |
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1963年10月 - 1966年9月 (NETテレビ、30分枠) |
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1966年10月 - 1977年3月 (NETテレビ、1時間) |
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1977年4月 - 1983年4月 (テレビ朝日・第1期) |
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1985年4月 - 1987年2月 (テレビ朝日・第2期) |
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1991年10月 - 1993年3月 (朝日放送) |
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2022年10月 - (テレビ朝日・第3期) |
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関連項目 | |
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