稲佐山 (いなさやま)は、長崎県 長崎市 にある標高 333メートルの山 。稲佐山公園が整備されており、遊具広場や草スキー場、野外ステージなどがある[ 1] 。
稲佐山公園及び長崎ロープウェイ については、リージョナルクリエーション長崎・長崎ロープウェイ事業共同体[ 2] が指定管理者として長崎市の委託を受けて管理・運営を行っている[ 3] 。
概要
山頂にある展望台と電波塔
長崎市市街地の西方に位置し、裾野にも多くの建造物が建ち並ぶ。山頂には展望台や放送局の送信設備が設置されている。展望台からは市内全域を一望できるようになっているほか、夜景 の名所でもあり函館 の函館山 、神戸 の摩耶山 と共に一般社団法人 夜景観光コンベンション・ビューローの定める日本三大夜景 として位置づけられる。また、稲佐山からの夜景は「1000万ドルの夜景」と称される[ 4] 。稲佐山の山頂自体も夜景スポットとなっており、夜間には電波塔のライトアップが行われるようになっている[ 5] 。
2012年 10月5日 には、モナコ 、香港 と並び世界新三大夜景として認定された[ 6] 。
稲佐山公園
稲佐山野外音楽堂
稲佐山公園には遊具広場、草スキー場、野外ステージなどが整備されている[ 1] 。
野外ステージ
園内には1万5000人が観覧できる芝生席の野外ステージが設置されている。'90長崎旅博覧会 の際に建設され、地元長崎出身のさだまさし の無料野外ライブ「夏 長崎から さだまさし 」(1987年 - 2006年 )をきっかけに環境の整備が行われた。同じく地元出身の福山雅治 (2000年 、2009年 、2015年 )のほか、平井堅 、MISIA など数多くのアーティストがコンサートを行い、「Sky Jamboree 」など九州における野外コンサートの主要会場となっている。また、福山は自身の曲「約束の丘 」を稲佐山公式ソングとしている。
猿舎及び鹿放牧場
1990年 (平成2年)に「猿舎」と「鹿放牧場」が整備された[ 7] 。
シカ舎の脇にはエサ用の自動販売機が設置されており、シカせんべいが200円、鹿の角が300円、シカのエサ用の野菜スティックが300円で買うことができる。
2004年 (平成16年)、地域住民や有識者で構成する「動物ひろば検討協議会」は、飼育している動物の種類が少なく場所も分かりにくいとして長崎市に廃止を提言した[ 7] 。長崎市では飼育数を減らしていき廃止する方向性であるが、2024年2月末の時点でシカ72匹、サル21匹となっており同月の市議会定例会で廃止時期を見通せていないと報告された[ 7] 。
登山道および連絡通路
登山道がいくつか整備されており、自然の中を歩きながら山を登ることが出来る。登山道付近は火砕岩 地質で土壌が悪く、ナガサキマンネングサ など他の土地では見られない植物が生育している[ 8] 。
交通
ロープウェイ
稲佐山へは、長崎ロープウェイを使うことで直接山頂まで登る事ができる。営業キロは1.110 kmで、三線交走式で運行される[ 9] 。
また、2012年 10月4日 より、稲佐山展望台と稲佐岳駅を結ぶ通路の天井に約6,000個の発光ダイオード (LED)が埋め込まれた「光のトンネル」の運用が開始されている。通常は青点灯であるが、季節ごとに色が変わり、30分毎に龍の模様が浮かぶようになっている[ 10] 。
スロープカー
スカイウェイの廃止後、中腹駐車場から山頂展望台まではバスによる輸送が行われていたが、観光シーズンの輸送が不便であったため[ 11] 、長崎市が2016年から2020年にかけてスロープカー を設置するに至った[ 12] 。デザインは奥山清行 [ 11] 、開発と製作は嘉穂製作所 が手掛けており、勾配が変わっても車両が常に水平を保つように設計されている[ 13] 。
稲佐山公園駐車場内にある中腹駅
稲佐山公園から望む山頂駅
急な勾配を移動するスロープカー
緩い勾配を移動するスロープカー
山頂駅に進入するスロープカー
スロープカーの内装
スカイウェイ
かつて稲佐山で運行されていた中腹と山頂を結ぶゴンドラリフトである。1990年に民間事業者が開業し、赤字経営を理由に1998年から長崎市が運行を行なっていた[ 14] 。方式は単線自動循環式で営業キロは430 m[ 9] 。
開業時は年間30万人が利用したが、年々利用者が減少して行った上、老朽化や塩害による腐食が進行し、運行に危険が伴うことから2008年 (平成20年)3月をもって廃止された[ 15] 。
テレビ・FM放送所等の通信施設
山頂の展望台と電波塔
長崎県のテレビジョン放送・FMラジオ放送の親局が山頂に設けられている。長崎県内は山地が多く平野が少ない。このため、長崎市内にも多くの中継局が設けられている。なお、本項では2016年 6月30日 に閉局[ 16] (2013年3月21日に開局)したジャパン・モバイルキャスティング の長崎中継局についても、あわせて記述する。
地上デジタルテレビジョン放送送信設備
全局2006年 12月1日 放送開始。開始当初の空中線電力は100 Wであったが、2007年 1月18日 に1 kWに増力されている。
民放の送信設備は4局共同でNCC・NIB共同の地上アナログの施設に設置。
NHKはテレビジョン放送・FMラジオ放送共同じ場所から送信。
リモコンキーIDはVHF局が「1 」〜「3 」に集約された[ 17] 。また、NBCを除き関東広域圏 と[ 18] 、NHK総合・教育とKTNは近畿広域圏 とそれぞれ同じである。
地上アナログテレビジョン放送送信設備
チャンネル
放送局名
コールサイン
空中線電力
ERP
放送対象地域
放送区域 内世帯数
1
NHK 長崎教育
JOAC-TV
映像 1 kW/音声 250 W
映像 5.1 kW/音声 1.3 kW
全国放送
不明
3
NHK 長崎総合
JOAG-TV
映像 3.7 kW/音声 930 W
長崎県
5
NBC 長崎放送
JOUR-TV
映像 5.6 kW/音声 1.4 kW
25
NIB 長崎国際テレビ
JOXH-TV
映像 10 kW/音声 2.5 kW
映像 100 kW/音声 25 kW
27
NCC 長崎文化放送
JOXI-TV
映像 87 kW/音声 22 kW
37
KTN テレビ長崎
JOWH-TV
映像 100 kW/音声 26 kW
送信設備はNBC・KTNは単独で、NCC・NIBは共同で設置(アナログテレビ放送終了後は、民放テレビ4社共同のデジタルテレビ送信所となっている)。
NHKはテレビジョン放送・FMラジオ放送とも同じ場所から送信。
全局共に2011年7月24日正午に放送終了。その後、翌日の7月25日0時までに停波している。
アナログテレビ放送終了後、旧NBCの施設は鉄塔や放送機器等は全て撤去され建物のみ残っており、2015年10月開始[ 19] の同局ラジオFM補完中継局 はデジタル用の施設を利用している。旧KTNの施設はFM Nagasakiの単独使用となっていたが、モバキャスの長崎中継局開設時はFM Nagasakiとモバキャスの共同使用となっていた。
FMラジオ放送送信設備
周波数 (MHz )
放送局名
コールサイン
空中線電力
ERP
放送対象地域
放送区域内世帯数
79.5
FMNエフエム長崎 愛称 「FM Nagasaki」
JOHU-FM
1 kW
2.4 kW
長崎県
不明
84.5
NHK 長崎FM
JOAG-FM
500 W
1.6 kW
92.6
NBC 長崎放送
(NBC長崎FM)
1 kW
2.4 kW
245,540世帯
FM Nagasakiは、旧KTNアナログテレビの施設を間借りしていたが、アナログテレビ放送終了後はFM Nagasaki単独の施設となった(施設の看板がアナログテレビ放送終了後、「KTN」から「FM Nagasaki」に取り替えられている)。その後NOTTV の長崎中継局開設中は、モバキャスとの共同使用となっていた。
NHK長崎放送局は、テレビジョン放送・FMラジオ放送共同じ場所から送信。また同局は、スピルオーバー 防止のため出力が抑えられている。
NBCのFM補完中継局は、2015年6月30日付で予備免許が付与され[ 20] 、同年10月1日に開局[ 21] 。なお、送信所は地上デジタルテレビ用の送信所と同じ鉄塔に設置されている。
マルチメディア放送送信設備
周波数
放送局名
空中線電力
ERP
放送区域
放送区域内世帯数
運用開始日
サービス終了日
214.714286 MHz
Jモバ 長崎MMH
5 kW
28 kW
長崎県南部の広範囲及び熊本県 天草芦北地域の極一部
277,016世帯
2013年 3月21日
2016年 6月30日 [ 22] [ 23]
その他
長崎県防災行政無線[ 28] 、警察庁の中継施設が設置されている。
参考資料
関連項目
外部リンク
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