第21回東京国際映画祭(だい21かいとうきょうこくさいえいがさい)は、2008年10月18日(土)から10月26日(日)の9日間に開催された東京国際映画祭。
概要
東京の六本木と渋谷で開催された。六本木の上映会場には、第17回(2004年)から使用しているTOHOシネマズ 六本木ヒルズに加えて、新たにシネマート六本木も使われた。渋谷の上映会場にはオーチャードホール、シアターコクーン、ル・シネマ1、2(以上Bunkamura内)が使われた。
コンペティション部門の審査委員長は、俳優でアカデミー賞の受賞経験もあるジョン・ヴォイトが務めた。
この第21回から東京国際映画祭は、エコロジーをテーマに展開・発信していくこととなった。これにより、natural TIFF(ナチュラル・ティフ)部門、TOYOTA Earth Grand Prix(トヨタ・アース・グランプリ)が新たに作られ、オープニング・イベントではレッドカーペットに代わってグリーンカーペットが敷かれた。
この第21回から新設された「natural TIFF」部門は、「地球環境」「自然との共生」などをテーマとした映画を上映する部門。1回目となる今回は、新作・旧作とりまぜて上映された。同じく、この第21回から新設された「TOYOTA Earth Grand Prix」は、主要部門の新作を対象とした賞で、自然・環境・エコロジーをテーマにした賞である。また、この第21回から始まったグリーンカーペットは、使用済みペットボトルを回収しリサイクルして作られている。
また、この第21回から新たに東京国際映画祭と文化庁映画週間の共催企画として「映画人の視点」が始まった。これは、日本を代表する「映画人」をゲストに招き、そのゲストの関連作品を複数上映するオールナイト企画。第24回(2011年)まで行われた。
第19回〜第20回同様に、すべての上映で当日券が販売された(前売券が完売した回も含む)。
コンペティション部門のプログラミング・ディレクターは矢田部吉彦。アジアの風部門は石坂健治。
上映作品
ワールド・プレミアは世界初上映、インターナショナル・プレミアは本国以外で初上映、アジアン・プレミアはアジアにて初上映となったことを意味する。
個々の作品詳細・画像については、「第21回東京国際映画祭公式サイト 上映作品 部門紹介」[1] から参照することができる。
コンペティション部門
(上映題の五十音順)
特別招待作品
アジアの風
†は「最優秀アジア映画賞」の候補作品。
アジア中東パノラマ
Camp to/from Cinema ~ ラシード・マシャラーウィの世界
ディスカバー亜州電影
日本映画・ある視点
†は「『日本映画・ある視点』作品賞」の候補作品。
上映題 (劇場公開題・DVD題)
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英語題 (原題)
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監督
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製作国
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備考
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THE CODE/暗号 †
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THE CODE
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林海象
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日本
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ワールド・プレミア上映 2009年5月9日に日本で劇場公開
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buy a suit † (buy a suit スーツを買う)
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buy a suit
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市川準
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日本
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日本映画・ある視点部門 作品賞 受賞 ワールド・プレミア上映 2009年4月1日に日本で劇場公開
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青い鳥 †
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THE BLUE BIRD
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中西健二
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日本
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ワールド・プレミア上映 2008年11月29日に日本で劇場公開
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大阪ハムレット †
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Osaka Hamlet
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光石富士朗
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日本
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日本映画・ある視点部門 特別賞 受賞 ワールド・プレミア上映 2009年1月17日に日本で劇場公開
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斬〜KILL〜 †
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KILL
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押井守 深作健太 辻本貴則 田原実
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日本
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ワールド・プレミア上映 2008年12月6日に日本で劇場公開
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クローンは故郷をめざす †
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The Clone Returns to the Homeland
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中嶋莞爾
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日本
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ワールド・プレミア上映 2009年1月10日に日本で劇場公開
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旅立ち 足寄より †
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Departure: From Ashoro
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今井和久
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日本
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ワールド・プレミア上映 2008年11月22日に日本で劇場公開
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ぼくのおばあちゃん †
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My Grandma
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榊英雄
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日本
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ワールド・プレミア上映 2008年12月6日に日本で劇場公開
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余命 †
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Time Lost, Time Found
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生野慈朗
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日本
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ワールド・プレミア上映 2009年2月7日に日本で劇場公開
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その日のまえに
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Scenery to Remember
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大林宣彦
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日本
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2008年11月1日に日本で劇場公開
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WORLD CINEMA
natural TIFF
natural TIFF
natural TIFF 傑作選
主要部門以外の自主企画
animecs TIFF 2008
ニッポン・シネマ・クラシック
シネマ・ヴァイブレーション/音楽と映画の共振関係
上映題 (劇場公開題・DVD題)
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英語題 (原題)
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監督
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製作国
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備考
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ヤング@ハート
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Young@Heart
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スティーブン・ウォーカー
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イギリス
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2008年11月8日に日本で劇場公開
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40歳問題
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Problems in One's Forties
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中江裕司
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日本
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2008年12月20日に日本で劇場公開
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R134STORY カモミールの羽
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ROUTE134STORY Feathers of a Chamomile
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Micro
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日本
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特別上映
共催・提携企画
共催・提携企画として以下の催しが行われた
- 文化庁映画週間 [4]
- 第5回文化庁映画週間―Here&There
- 平成20年度(第6回)文化庁映画賞受賞記念上映会<文化記録映画部門受賞作品>
- 第6回文化庁全国フィルムコミッション・コンベンション「住みたい街、行きたい映画館 ~コミュニティ、文化、映画について考える~」
- 第5回文化庁全国映画祭コンベンション
- 映画人の視点 Director's Angle
- みなと上映会 [5]
- 東京ネットムービーフェスティバル [6]
- 第21回東京国際女性映画祭 [7]
- コリアン・シネマ・ウィーク2008 [8]
- 東京・中国映画週間 [9]
- ショートショートフィルムフェスティバル&アジア [10]
- ドイツ映画祭 2008 [11]
- 秋葉原エンタまつり 2008 [12]
- 第6回京都映画祭 [13]
- 第1回したまちコメディ映画祭in台東 [14]
- GTFトーキョーシネマショー2008 [15]
受賞結果
- コンペティション
- TOYOTA Earth Grand Prix
- トヨタ・アース・グランプリ: 『フェデリコ親父とサクラの木』(監督:ホセ・アントニオ・キロス)
- 審査員賞: 『ブタがいた教室』(監督:前田哲)
- 特別賞: 『ミーアキャット』(監督:ジェームズ・ハニーボーン)
- 「アジアの風」部門
- 最優秀アジア映画賞: 『私のマーロンとブランド』(監督:フセイン・カラベイ)
- スペシャル・メンション:
- 『陽もまた昇る』(監督:チアン・ウェン)
- 『生きていく日々』(監督:アン・ホイ)
- 『ムアラフ-改心』(監督:ヤスミン・アハマド)
- 「日本映画・ある視点」部門
- 黒澤明賞
審査員
コンペティション
- 審査委員長
- 審査員
- マイケル・グラスコフ(プロデューサー)
- フォ・ジェンチー(映画監督)
- セザール・シャローン(撮影監督)
- 檀ふみ(女優)
- 高田宏治(脚本家)
アジアの風
日本映画・ある視点
脚注
- ^ 第21回東京国際映画祭公式サイト 上映作品 部門紹介サイトページ
- ^ 商業公開時の邦題は『SING FOR DARFUR』
- ^ 商業公開時の邦題は『ジャック・メスリーヌ フランスで社会の敵No.1と呼ばれた男 Part1 ノワール編』、『ジャック・メスリーヌ フランスで社会の敵No.1と呼ばれた男 Part2 ルージュ編』
- ^ 公式サイト 上映作品 文化庁映画週間
- ^ 公式サイト 上映作品 みなと上映会
- ^ 公式サイト 上映作品 東京ネットムービーフェスティバル
- ^ 公式サイト 上映作品 第21回東京国際女性映画祭
- ^ 公式サイト 上映作品 コリアン・シネマ・ウィーク2008
- ^ 上公式サイト 映作品 東京・中国映画週間
- ^ 公式サイト 上映作品 ショートショートフィルムフェスティバル&アジア
- ^ 公式サイト 上映作品 ドイツ映画祭 2008
- ^ 公式サイト 上映作品 秋葉原エンタまつり 2008
- ^ 公式サイト 上映作品 第6回京都映画祭
- ^ 公式サイト 上映作品 第1回したまちコメディ映画祭in台東
- ^ 公式サイト 上映作品 GTFトーキョーシネマショー2008
外部リンク