『脱走遊戯』(だっそうゆうぎ、Jail Breakers)は、1976年の日本映画。主演:千葉真一、監督:山下耕作、製作:東映、カラー・シネマスコープ、93分。
解説
刑務所から囚人を脱獄させる“脱獄仕掛人”に千葉真一が扮し、その活躍を描いた作品[1][2]。出演する作品のジャンルが替わっても[3]、東映から吹き替えに頼らずスタントすることを求められていた千葉は[3]、軽業師のような“脱獄仕掛人”として、飛んでいるヘリコプターにぶら下げられた縄梯子に捕まりながら空中で囚人服から普通の洋服に着替え、並走するオープンカーにトラックから飛び移る、走行する霊柩車の底から後扉に這い上がり中へ入り込み、トラッククレーンにぶら下がり刑務所へ侵入、走行するトラックの荷台で格闘などを演じた。同業の“脱獄仕掛人”には鰐淵晴子・小沢栄太郎・垂水悟郎・郷鍈治らが配役され、それぞれ魅力的なキャラクターを好演[1]。山下耕作は彼らの大胆緻密なブラックビジネスぶりを、八木正生の軽妙なジャズに乗せて演出した[1]。
ストーリー
死刑確定囚や無期懲役囚を多額の報酬で脱獄させる神木渡は、12歳の時に傷害事件で教護院に収容されて以来、脱獄を32回繰り返してきた。その刑期は延べ48年にもなり、今も刑務所に収監されているが、田所洪善率いる脱獄チームがある囚人を脱走させようとしていたのを利用し、自分が脱獄してしまう。田所は神木の腕前を見込んでチームへ加入させるが、ほどなく3000万円の仕事が舞い込んできた。
キャスト
- 配役不明 - 丸平峯子・太田優子・星野美恵子・吉沢高明・春田三三夫・吉岡靖彦
スタッフ
製作・公開
本作は「千葉真一主演でスティーブ・マックイーン的な『脱獄遊戯』をスポーティーに描く[4]」、「脱獄が趣味という奴がどんな刑務所でも脱走するという変わった作品[5]」という骨子で製作され、タイトルは『脱獄遊戯』から本題へ変更された。
国内興行では本作と『お祭り野郎 魚河岸の兄弟分』で併映される予定だったが、最終的には両作品を振り分け、別々に封切りしている[6]。
脚注
- ^ a b c 脱走遊戯 - 日本映画製作者連盟
- ^ 脱走遊戯 - KINENOTE
- ^ a b 脇田巧彦「アクションに賭ける男・千葉真一」(パンフレット)『戦国自衛隊』、角川春樹事務所、1979年12月15日、21頁。
- ^ “東映岡田社長年頭懇談会 『トラック…』の大ヒット等語る”. 週刊映画ニュース (全国映画館新聞社): pp. 1. (1976年1月10日)
- ^ 「再び"邦高洋低"で活気づく日本映画界」『月刊ビデオ&ミュージック』1976年1月号、東京映音、21頁。
- ^ 「巻返しを計る各社の表情を探る 洋高邦低の声に必死の努力を続ける 岡田社長を頂点にますます業績増大の東映」『映画時報』1976年4月号、映画時報社、12-13頁。
関連項目
- 地下道 - 脱走メソッドの1つとして、“脱獄仕掛人”が掘っている。
外部リンク